気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

DSマイル

君のせいで今日も死ねない。

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――そうだよ。私、君に照らしてもらわないと生きていけないって断言出来るような、大義名分が欲しいんです。

 

小説家になろうで短編として公開されていた作品の書籍化。

元が短編なのもあって、かなり加筆されてますねー。新キャラも出て来てますし、2人の交流イベントの密度も増してる。

天に二物も三物も与えられた天才美少女、三峰彩葉。学校でもクラスでも有名だったが、その実態は孤高というか孤独で……死んでしまいたいと思っているような子でもあった。

通学時などに姿を見た事がある、くらいの距離にいた主人公はある日飛び降りようとしている三峰と遭遇。

 

言葉を尽くして、とりあえずその場での自殺は阻止します。「どうせ死ぬんだったら一緒に学校抜けだして海行こうぜ!」とか、突飛ではあるんですけど。

そうやって彼女を引っ張り回して、一方的に連絡先を渡して、次の約束を取り付けてどうか明日も無事でありますようにと祈る時間を積み重ねていくことになります。

主人公のように接して来る相手は三峰にとっても初めてで……彼のかけてくれる言葉は、彼女の心に刺さりまくって、踏みとどまる切っ掛けになっていた。

 

主人公の方も、他愛ない日常の中で見る非日常的なくらい美しい存在、みたいな遠くにいた三峰に近づいたことで、心境に変化があったというか。

どんどん2人の距離が縮まって、温かい関係を築くのが良いんですよね。特別だった少女が獲得した普通と、普通の少年が到達した特別な時間を是非見て下さい。

 

 

育ちざかりの教え子がやけにエモい2

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「うんそうだね、そうだよね。あたしたちの関係は、あたしたちで決めればいいことだもんね。周りからとやかく言われる筋合いはない、ってあたしは思うな」

 

風邪を引いたひなたの看病から始まって、達也が風邪をひいた話で締めるのが好きですねー。対になる構成とか、何となく惹かれる。

そういう意味では、2巻は全体的に対比が効いてて好みの雰囲気ではありました。

 

豊田彩夏、瀬川菜月、手島美優。そして、藤本明日香。

ひなたと良くつるんでる三人の生徒と、達也とかつて付き合っていた先輩教師。

彼女達の「恋」の話。好きな人が居たり、あるいは未だ恋を知らなかったり。

想いが募ってイメチェンをしたり、そもそも恋ではないと決めつけたり。

 

菜月は「恋をしているからおかしくなる。『なんででしょう?』と首をひねるような行動にも出てしまう」なんて評していましたが、まさしく。

想いが結実して、幸せになるばかりではなく。時に人を、らしくない行動に書きたてる熱情もまた恋の一面でしょう。

そういう想いを抱く、青春模様を丁寧に刻んでいってる感じ。

 

しかしまぁ、ひなたがカッコイイと言ったほうが今回は適切かもしれない。幼少期はよくケンカしていた、と言うのも頷ける風格がある。

可愛い部分も描写されてはいますけどねー。ひなたの母親が達也に「血は水よりも濃い」なんて話をして、順調に外堀埋めてる感もありますが。さてどうなるやら。

ひなた、賢いし色々出来るけど、自分を御しきれてるかというとそうでも無くて、良くも悪くも年相応なのが、この作品の魅力になってると思います。

育ちざかりの教え子がやけにエモい

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「いらん。これでも教師だ。自分にうんざりしてることと、うんざりのきっかけに代償を求めるのは筋がちがう。筋がちがうことを生徒の前で見せられん」

 

イラストが可愛くてアド。

中学二年生ながら発育が良く、まとう空気も違うと特別視されている少女、椿屋ひなた。

告白されることもしばしばあって、クラスメイトからも「違う」と認識されている。

彼女の特殊さは生徒たちだけではなく、教師も把握しているもので。正直扱い兼ねている部分もあるようですけど。

 

家族ぐるみの付き合いがあり、彼女の幼少期を知っている隣人である小野寺達也は新米の中学教師で……ひなたの担任を務める事に。

本人としては知り合い故に、外してくれと希望していたようですけど。

教師と生徒としての交流と、お兄とひなたとの会話。公私が入り混じっている、二人のやりとりが楽しいですね。

 

タイトルと表紙の通り、この作品の中心にいるのは椿屋ひなたという少女なのですが。

章ごとに変わる視点に彼女のものはありません。

達也やひなたのクラスメイト、彼女と接点を得た先輩のもの。それぞれの視点から、多角的に彼女を見る。

お兄相手に言う冗談は、はたしてどこまで本気なのか。いったい何を考えているのか。描かれないからこそ、彼女の心が気になる。




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ちゃか

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