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幸せを追い求めれば、誰かの幸せを奪うことになる。
何かを救おうとすれば、何かを切り捨てなければならくなる。
だからこそ、赦せないのだ。


小説家になろう掲載の作品。
完結済みで全81部。

巨大隕石が飛来し、ルーン能力と呼ばれる異能があふれた世界。
能力を得た人や動物によって、異世界のように混沌とした場所が、人の手によって秩序を取り戻す。
しかし、その安定した世界のなかで、秩序を求めず、己の道を突き進む青年がいた。

ルーン文字を絡めたファンタジーもの。
ちゃんと世界が創られていて、二つ名というかコードネームというかがあるんですが、それが北欧神話を絡めている。
格好良さげだから使った、とかそういう厨二感じゃなくて、元ネタをしっかりと活用している、安心感があります。

全体的な雰囲気は好きです。
ニヴルヘイムとして、目的を同じくして活動するガルムやスリス。
涼二を慕う緋織や、理想を貫く大神美汐などなど。
キャラクターが誰も彼も生き生きしているというか、譲れないものを持っていて、それのために戦っている感じが出ていて結構好きです。
ニーズホッグとの戦いでの夜月のあたりの話はちょっと唐突かなーとか思って、なんか役割はあるんだろうとは思っていたので、そこまででもなかったんですけど。
ま、細々と気になった箇所が無いとは言いませんが、最初に言った通り、全体的な流れ、雰囲気とかそういったものは好みです。

ただ、涼二が作者公認の筋金入りのシスコンすぎて・・・
それが原動力と行動力になって、物語に味を出していたように思うので、良い設定だったとは思います。
復讐に生きているっていうモチベーションは結構いいスタートだったと思うんですけど、まさか、あそこまでシスコンが侵攻していようとは。
個人的にそれを呑み込み切れなかったなぁ、という感じが。
シスコンってところ以外は涼二の判断力とか、結構好きなんですけど、全ての根幹にシスコンがあるからなぁ。
そしてシスコンが極まって超越しちゃうしなぁ。
酷い良いようだけど、間違ってはいない。

まぁ、総括すれば、普通に面白かったと思います。
ただ超絶シスコンがいただけで。