「守るよ。少なくとも俺に付き合ってくれてる間は、絶対に」
サブタイトル通り、神様の気まぐれによって異世界に送られ、強制的に配信させる生活を送っている人々の内の一人であるヒカル。
元々彼は異世界に来る1000人の中には入っておらず、幼馴染が死んだことで空いた枠に滑り込んだ形なわけです。事件の犯人と誤解され悪意あるメッセージが送られたことで彼は歪み、闇に沈む生活を送っていたわけですが……。
その程度のことで止まるとは情けない、とばかりに爆弾放り込んでくるんだから、本当に作中で出てくる神様は悪趣味です。
期間が定められた視聴率レース。その1位の景品が「死者蘇生の宝珠」だって言うんだから、ヒカルは止まれませんよね。
幼馴染の少女ナナミを蘇らせるために、リフレイアとコンビを込んで迷宮に挑む事になって。まぁきっかけこそ神の悪戯でしたが、ヒカルが誰かと一緒に行動するようになったことで、この世界の情報を得られるようになったのは大きい。
今まではこっそり迷宮に入り込んでるモグリだったヒカルですが、探索者登録したり装備の更新を測ったりとプラスの効果もあって良かった。
……最初に触れたのが悪意にまみれたメッセージだったこともあり、自分の視聴者層は自分が死線にあれば喜ぶだろう、と考えてソロで迷宮に潜って3層や4層と言ったこれまで行ったことのない領域に踏み込んだりするマイナス作用まであったわけですが。
リフレイアと交流して、普通の探索者みたいに迷宮に挑んで。時に視聴率1位のために無茶をするけど、それでも少しずつパーティーらしくなっきた……ってところで、迷宮で魔王種が誕生するって言うんだからヒカルは呪われてるんじゃなかろうか。
階級は低いものの魔王種の討伐に参加できることになったヒカルですが……リフレイアに事情を打ち明けられる程度に、柔らかくなったのは良かった。
まぁ、惚れた弱みというか。そうして事情を聴いたことでリフレイアも縛られて無茶をする羽目になったりもするんですけど。
危機的状況に陥った時に、1つを救うために1つを捨てるという決断は中々下せるものではありません。掲示板回でも時折触れられますが、ヒカルもなんだかんだでスペック高いですよね……これもまた、彼を縛る重石になってしまいそうなのが不安材料ではありますが。
巻末に書き下ろしで「最強のレベル1転移者」が収録。
掲示板回で名前が挙がることの多かったジャンヌちゃんのエピソードですね。彼女、結構好きなので本格的に絡むことになる次回以降が楽しみです。