気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

GCN文庫

人気配信者たちのマネージャーになったら、全員元カノだった2

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「また、あなたのこと独占したくなっちゃった。私に依存させて、狂ったように求めてほしくなった」

(略)

「今回の旅行のゴールも、本当はそうだったの」

 

新人マネージャーの橘恵。

元カノタレント3人を担当に持ちつつ、そのうちの一人であるメイとは肉体関係を持ったりする爛れた生活を送っている彼ですが。一応、マネージャーとしての仕事はちゃんとやってはいるんですよね。

 

彩奈がフォロワーとの距離が近すぎると感じた時に、身バレに通じかねない情報は多少伏せた方が良いと進言してるし。……ファンを信じてる彩奈の方針転換までは繋がりませんでしたが。「ファンはいい子」って言ってますけど、貴女一部の粘着DMフォロワーの相手に憑かれてませんでしたっけ……? 

恵が判断したように彩奈の演出してる「近さ」は武器になるけど、危ういと思うんだよなぁ……と思ってたら最後にアレが来たので、なんというか納得。

 

ちょっと脱線しちゃいましたが、今回は表紙にもいるASMRメインの配信者、加賀燈子の深掘りエピソード。

外出中、ストーカーに付きまとわれているかもという連絡を受けて駆けつけて、彼女をいったんホテルに送り届けようとしたものの……一人は怖いと宣う燈子を自室に連れ込むことになって。

自宅がバレると厄介だから、と言って。敢えてここで23日の旅行に行こうとか燈子が言い始めて。ストーカーを建前に恵の動向まで会社に認めさせたっていうんだから、強かというか。個人的に鈍い疑惑のある相良さんにすら疑われたというんだから、強引な手だったのは間違いないですけども。旅行それ自体は楽しんでいましたよね。

 

ただ、メイの問題を解決するときに調査を頼んだ悪友に燈子が隠し事をしてる、とかも指摘されてましたし。実際彼女なりの思惑があっての小旅行だったみたいですけど。

彼女がどうして恵の前から姿を消したのか、とかの事情が分かったのは……良かったですかね。再開以来肉体関係を持っていなかった燈子とも関係を持つようになってますし、どんどん恵の周囲は爛れて来てますねぇ。

……と思ったらアレですよ。3巻、彩奈編になってもっとドロドロするんでしょ……こわ……。

人気配信者たちのマネージャーになったら、全員元カノだった

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「ファンはいつかメイを捨てる。だけど先輩は、離れてもこうして戻ってきてくれた。頑張らないと。頑張って魅力的なメイで居続けないと」

(略)

「だから頑張らないと、あの女に取られちゃうもんね」

 

大学を卒業し配信者のサポートする事務所に就職した主人公の橘恵。

就職直前に所属するタレントが未成年に手を出して契約解除、担当していた女性マネージャーの加藤も研修を受け直すことになって、他に担当していたタレントもいったん他のマネージャーに委ねる、なんて話も出ているとかで。

それを受けて恵のコンプライアンス研修もかなり厳重に行われたようです。

最初は1人タレントを担当して、別のマネージャー相良と件の加藤さんがフォローをしつつ恵に仕事を教える予定だったようですが……。

加藤さんの研修入りで想定外の状態になってしまって、加藤の受けもちから2人回されて急に3人受け持つことになって。要所でもブラック企業の片鱗見えてますね。

 

幼馴染の少女・早瀬彩奈。当初、恵が受け持つ予定だった1人。中学時代に付き合っていたけれど、夢を追うために上京するために別れることになった少女。

恵が再会した時予想外でちょっと固まってましたけど、相良さん「もし知り合いで、気になるなら引き継ぎ予定を変えます」と言った後に彩奈に「違いますよ」と言われて騙されてましたけど、そんなんで問題起こさせないように気を配った方が良いって仕事を全う出来てるのだろうか。

 

さて「第1章 元カノとの再会」で恵は自分の事を「ごく普通の人生を送ってきた」と称してましたけど。

配信者として人気を獲得してる美人さんたちが「元カノ」だったり、今回焦点の当たっている3人の元カノのうちの一人、VTuberをやっている少女・奈子メイとはかなり深い関係にあったというか……プレイが過激で、お互いに歪んでるというか。

歪んだ結果変な形で噛み合ってるというか。メンヘラというほど病んではないけど、重さはあるというか。ドロドロしてるな……。

 

大学時代に付き合って関係を持ち……そして音信不通になった、今はBAN4回経験もあるASMR配信者となった加賀燈子まで担当になっていますし、そういう女性集める引力とか発生させてそう。

それで言うと彩奈は夢の為に別れてそれっきり、という関係で恵を「真面目で優しい」人物だと思っているのが異質か。彩奈は恋人を捨ててまで追った夢を掴めなかったりで負い目があったり、粘着DMが来てたりでなんというか深掘りすると闇が吹き出そうな気配はしますけど。

 

今回もメイと恵の関係を知っている大学時代の先輩が、暴露系配信者になって2人の関係をネタにされたくなければ俺の女になれ、とかメイを脅迫してきたりしてますし。

女性陣それぞれに爆弾を抱えてそうだよなぁ……というかなんというか。

コドクな彼女

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「大丈夫だよ奈紺。君は……君が思うほど、悪い奴じゃない」

 

主人公の大学生男子、叶。

彼は正体不明の少女に「赤瀬奈紺」と名付け、同棲をすることに。

とは言えそれは甘い恋愛的なソレではなく……迷い猫とかを保護するイメージに近い。奈紺、暗いところを怖がるような人間味もあるんですけど、その実、怪異に近い危うさを抱えた少女でもあった。

 

悪友から欠席者が出た合コンの穴埋めに熱烈に誘われた叶。

流れで奈紺の存在もバレて一緒に行くことになって……。叶は、奈紺の事情を知ってる天草教授に相談の上顔を出すことにして。

そこに奈紺以外の怪異も紛れ込んでいて……悪友の幹事・中沢くんが襲われる、なんて場面もありましたが。

奈紺があっさり撃退。ホラーを目撃した中沢も驚いていましたが……奈紺が助けようとした理由が、合コンとか初めてで「楽しかったから」だっていうのが、良かったですね。

 

奈紺は確かに並みの怪異よりも強い、異質で異常な存在ではありますが。

叶が傍にいる限りにおいて、普通の少女のように過ごせているのはとても凄いことだと思います。

天草教授、オカルト方面に詳しいし自分にも悪魔ハルファスがついていて、そういったトラブルに対処する専門家とのつながりもある人物で。

とある組織からの脱走者についての相談を持ち掛けられたりもして……読者目線だとあからさまにストーリーラインが繋がってるので「逃げて―」ってなっていましたが。

専門家であっても脅威に感じる奈紺に駈け寄れる叶くんが実に良かったですね。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚3

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「何が起こってもいいように、最悪のケースを考えながら行動するべきだ」

 

志穂乃の治療を頼んだセラフィナから、病ではなく毒だという事を明かされた司。

それは志穂乃が、死霊魔術というこの世界で忌避される力に目覚めたことが影響しているようで……かつて自分を暗殺しようとした王女アリアーヌの影を感じるわけです。

さらに、元クラスメイト達を戦力として確保した人間の国と魔族間の戦争も過激化しており……この世界で、特に魔族の国で人間である彼が生きていくには何かしらの後ろ盾が欲しい。

 

単純にセラフィナに取り入って、彼女に取り替わろうとしている叔父ラドリムを排除する方向にいくのではなくて。

自由傭兵としての活動実績を積み上げていくことで、ラドリムの眼にとまるようにして、彼に取り入ることを選ぶあたりが捻くれてしまった司らしい。

……いやまぁ、最後セラフィナに接触して契約のルーンを持ち出しているあたり、ずっとラドリムを仰ごうとしてるわけでもなさそうですけどね。

ラドリムの性格を想えば今は認められて仕事を任されていても、いつ排除されるかわからないしな……。

 

そうやってファンタジー方面での状況も進展しているわけですが。

美穂乃との関係に気付いた志穂乃。かつて想い人と姉が先に付き合うことになりコンプレックスを強めることになったこと、この世界で寝込んで孤独を感じていたことから、「見捨てられるのは嫌」という想いが強まって自ら踏み込んで司との関係を深めることを望んで。

さらに、大家さんのシルエとも肉体関係を持つことになったりと、順調にハーレム築いている感はありますが。他の転移者たちが、魔族の軍に対して優位を取るだけの戦果を挙げる強力さを示している一方で、司はまだその領域になくて。仮に今正面からラドリムと戦うことになったりしたら、彼を支持する派閥の戦力も加味するとかなり厳しそうですから司らしい工夫には期待していきたいところ。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚2

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「ああ、司だ! 志穂乃、助かりたかったら僕と【契約】しろ!」

 

病床の志穂乃を救うためルーンを用いた【契約】を交わした司と美穂乃。

高位の跳躍スキルを持つ領主の少女、セラフィナに必要な素材を教えてもらった2人は、採取のために危険地帯であるギヴァ渓谷に向かうことに。

そこで危険なドラゴンと対峙する羽目になり……美穂乃に突き飛ばされ、戦場を一時離脱することになった司でしたが。

【契約】の縛りはかなり強力で……義務を果たせ、と彼を苛むことに。美穂乃の生存を確認できたのは良かったですけど、魔術による契約、なかなか融通が利かなくて大変ですね……。

 

終盤に司も反省してましたけど、「志穂乃の病気を治すために協力する」ではなく「志穂乃を救うために協力する」と言った影響か、薬が完成してからも2人の契約状態が継続してたりしましたし。契約を結ぶ時は気を付けた方が良い、と反省してましたが、それはそうだよ……。

まぁ美穂乃と契約をした際は、司を裏切った友人・柊恭弥の方が信頼できるというような言葉を美穂乃が言い放ったせいで司も冷静じゃなかったから、多少同情の余地はある。

今回のプロローグがまさに恭弥の裏切りのシーンでしたが、「俺を信じたのはお前の勝手」とか言ってきたりして、なかなかに恭弥も歪んでるな……感はありました。

 

薬は無事に完成させることが出来ましたが、セラフィナが幼いため後見人を務めている叔父が彼女を軟禁状態に置いたことで、面会が叶わない状態が続いたりとかのトラブルも起きていました。

司の排除を躊躇わず実行した王女も健在ですし、あちこちきな臭い世界ではあるので、なんというか今後も司は巻き込まれていきそうだな……という予感しかしませんでしたね。

……そもそも志穂乃は病気ではなく、毒を盛られた結果だなんて話まで出て来てますし。

 

美穂乃、契約の関係もあって抱かれ続ける中で司に絆されている部分も出てきてるみたいでしたけど。リエラに教育を受けているときのエクストラエピソードで、彼女は比較的恵まれた環境に居て、自分なりの「普通」を信じていて、その「普通」から外れた「かつてよく遊んだ幼馴染」に向ける無自覚な視線はどんな蔑みの言葉よりも残酷だった、的なことが地の文で書かれていて、まぁ……そういう娘だよなぁ、……という納得はありました。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚

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「期待外れで悪かったわね」
「期待なんて初めからしてないよ」

 

級友たちと共に異世界に召喚されたものの……召喚者である姫様に不審なところを感じていた司。

それを疎遠になっていた友人を信じて相談したところ……裏切られ、城を追われることになって。異世界で頼れるものもなく、色々とひどい経験をしたみたいで彼は大分異世界に適応したというか、荒んでいきつつとりあえず生きてはいけるようになった。

 

そんなある日、幼馴染の少女・美穂乃が、病に倒れた双子の妹・志穂乃を救うために城を出て……司を頼りに来たわけですけど。

序盤で「幼馴染だから助けてくれたんだよね」とか言って、司に「そんなわけないだろ」とバッサリ切り捨てられる程度の関係。……いやまぁ、昔は仲が良くて、進学するにつれて距離が出来て、異世界で司が追われることになったことで完全に歪んでしまったというのは考慮する必要はあるでしょうけど。

……それにしたって、美穂乃の振る舞いは頼って来た相手に向ける態度じゃなかったですしね……。

 

明確に描写されてはないですけど、城を追われてから大分司も苦労して荒んだみたいですけど、そんな彼に「自分たちを見捨てて逃げた」みたいな物言いまでされちゃ、そりゃ司も怒るってもんでしょう。

そこで追い出すのではなくて、異世界で司が目覚めた才能であるルーンを用いた『契約』をするあたりは、まだ若干甘さが残ってるな……という感じもしましたが。

城に滞在していただけの美穂乃は異世界の金を持っているはずもなく。自分の身体で協力の対価を払うことになって……というあたりが実にノクターン。

あとがきに寄れば、エロにもシリアスにも本気の作品を書きたかったとのことです。面白くなりそうな要素はありますが、まだまだ序章なので今後の盛り上がり次第ですかねぇ。

放課後の迷宮冒険者 日本と異世界を行き来できるようになった僕はレベルアップに勤しみます5

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「アキラは強い相手と戦う時は人が変わる」

「そうみたいだな。前のときもそうだったが、急に別人みたいになるもんな」

「いやいやさすがに人格は変わってないって……ちょっと要らない思考や感覚を切り詰めて、真面目に集中してるだけだから」

 

迷宮内部で会った傭兵リンテに連れられて、2人でチームを組んで迷宮に入ることになったアキラ。

師匠だったり、ライオン丸先輩だったり、今回のリンテだったり、攫われて迷宮行ってばっかだなアキラよ……。

まぁ迷宮探索楽しんでるタイプだし、ちょっと愚痴を零したりしつつも、なんだかんだ乗り切ってるスペックの高さはあるハズなんですがねぇ。

カーバンクルくんとの連係プレーを磨いていたり、新技会得してますし。

 

そういう新しい出会いがあったかと思えば……予期せぬ遭遇というものもあって。

これまでアキラと11で会うだけだった、スクレとエルドリッドがついに対面。お互いアキラに近い女ということで、初対面から火花散ってましたが。

……アキラを大事に想ってるという点は共通しているわけで。彼をバカにした探索者を懲らしめてやろうと結託するまでは早かったですね……。

ランキング上げにも効果的な迷宮任務ながら、探すのが大変な黄壁遺構のボス「黒鉄城」。その討伐と核石の取得を、複数のチームで競い合って行うレース形式で行われることに。

アキラをバカにしたバカ探索者たち、あからさまな妨害行動をとったりするわ、敢えて低ランクにいるアキラを知らないのはまだしも(ポーションマイスターとしての顔もあるアキラは『小人』というあだ名で有名なので、そもそも情報収集能力に疑念がありますが

)、実力が知られているスクレとエルドリッド相手にも同じ態度なのは、いっそ感心したわ。

 

今回の依頼でアキラはボスの出現条件に目星をつけて、アシュレイさんに報告しようとしてましたが。臨時パーティ組んだエルドリッドたちに「有利な点は言いふらさない方が良い」と止められることになってたのは、どうなんだって思いましたけど。

大変だから報酬をつり上げれば良いと2人は行ってましたけど。そもそもアキラと2人ってあくまで友人で、今回も臨時パーティ組んだだけなわけですし。迷宮任務が来た時いつも一緒に居られる保証もないのに、そういう流れにするのはどうなんだろとはちょっと思った。2人的には独占すれば美味しい話だし、なんならアキラと組む口実になるから秘匿したいのも分かりますけどね。

……まぁそれ言い始めたら、臨時でもパーティ組んだ2人に相談なくアシュレイに報告しようとしたアキラ側の判断も多少アレではありますけど。最終的にアキラが正論だと納得してるから、いいのかなぁ。

 

どうなんだでいえば、迷宮内は自己責任……とは言いつつ、どうしたってフリーダの議員の親戚が危険地帯で孤立してるって状況になって、アシュレイが受付嬢の持つ強制命令権まで使って、救助隊結成する流れになって。アキラを引っ張り出してきたのも……まぁ組織としては、最善を尽くした話ではあるか。

実際、他の救助に参加したチームも『小人』ことアキラが参加するという条件を出されたので飲んだっぽいですしね。アキラのサポートを受けたことで、救助チーム損害なしで遭難者救助して帰ってきた成果を見れば、そりゃ頼りたくもなるか。



魔女と傭兵5

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「その腕を何故傭兵などに消費するのです! 金も、名誉も、欲しいままにできるでしょうに!!」

(略)

「ずっとこの生き方をしてきた! 儲かるからと都合よく鞍替えできるほど、器用ではない!!」

 

亜人ウルバスと交流し、彼らが鱗人と呼ばれていることを知ったジグ達。

彼等との交流は変わらず続いていて、「他人の金で食う飯は上手い」とジグに教え込まれているシアーシャを見て「間違ってないけど、教育に良くない」とか言ってるのとかなんてことのないやり取りながら笑えて好きです。

亜人側から見た澄人教の話を聞いて、それでも付き合い方を変えることのない2人が良かったですね。

 

傭兵として見て来た経験からジグが宗教には有用な面もないわけじゃないんだぞ、という話をしてましたが。最初の例に持ってきた「危険な食物を食べないように『神聖だ』というイメージを与える」という危険を遠ざける使い方への反応が悪く、「『聖戦』と言えば恐怖を忘れた兵隊にもできる」ってウルバスが宗教への危険度を高くする話持ってくるあたりが実にジグらしかった。

 

そんなジグ達の振る舞いは、人間至上主義の教義を掲げる「澄人教」からすれば認めがたいものとなっていて……。

澄人教徒からギルドに居る時に襲撃を受けて、関係者ではないジグが立ち入りに制限を掛けられることになってしまうことにも繋がってました。

 

その裏側には「問題解決すれば、そんな処置をとる必要もないよ」という思惑も込められていて……ジグと連れ立ってちょっかい出してきた輩を蹂躙できるとあって、シアーシャがそっちに乗り気になってくれたから良かったですけど。

ジグというストッパーが居なかったら、別のトラブルが発生してたかもなぁという意味ではちょっと肝が冷えました。

 

まぁジグとシアーシャが乗り込んで暴力での解決に踏み切るとなれば、心配することもないかーって読者目線でもちょっと安心してましたが。

事情を知っているウルバスとかは、ジグ達の力になろうと奔走してましたし。ジグが「自分よりも強い」と評するほどの使い手が教会に滞在していたり、一筋縄ではいかない戦いになったのは驚きましたね。

相手が強かろうと勝ちを拾ってみせるジグの在り方は、やっぱり好きですねぇ。仕事だからシアーシャの命に迫るほど戦いに臨んだし、依頼人が死んだから刃を引いた最初の戦いを思い出しました。

 

……番外編として書かれた「魔女と傭兵たち」でそんなジグの師でもある傭兵団の人が、彼が消息を絶ったシアーシャの小屋を訪問し、そこで別の魔女と鉢合わせたことでなんか別の物語が始まろうとしてましたが……。

シアーシャの異質さに気付いたヴァンノのリアクションといい、やっぱり魔女って存在特殊だよなぁと思うなどしました。

モンスターの肉を食っていたら王位に就いた件

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「私はマルス王子の味方になる」

 

宰相が実験を握り、自分の娘を王の後妻に押し込んだうえ、生まれた孫に国を継がせたいと考えたために、前妻の息子である王子マルスを排除しようとした。

それを敏感に感じ取ったマルスは、城での食事を拒否。抜け道を使って外に出て、自分で狩りをして飢えをしのぐことに。

しかし抜け道が続いている城の裏手の森は、人の寄り付かぬ魔獣の森でもあった。さらには魔獣の肉には毒性があって、弱い魔物の肉でも食べれば腹を下すし、格上の魔獣の肉であったらより重度の体調不良を引き起こして、最悪は死ぬ可能性もある。

 

ただ暗殺の危険性を感じる城の食事よりはまだマシで……そんな日々を続けていたある日、モンスター喰らいをしているマルスに興味を持った人物が接触してくることに。

『剣聖の赤鬼』なんて呼ばれている、凄腕ながら制御不能と認定されているバーサーカーな女性であるところのカサンドラは、マルスに興味を持って彼を弟子に取ることに。

魔物を喰らえば力が付く。毒や重力など、罪人用だったり暗殺用の魔道具を敢えて自分に使うことで、それらに対して耐性をつける。王子だろうと、修行をサボれば容赦なくボコボコにする。

修行というか拷問手前みたいな感じでしたが。その成果は確かに出て、マルスはかなりの腕前を獲得することになって。

 

後は自分で努力しろと師匠が国を去ったタイミングで、腐った国の中枢から離れて、魔獣を狩って鍛えていたハンドレッドという集団とたまたま遭遇して。

彼らに認められて戦力を得ることに成功したりもして。調査の為に入り込んできた騎士団長まで、自然に(?)取り込んでいるあたり、脳筋が多い国だな……というか。

力をつけて行った結果、宰相に警戒され直接的に排除されそうになったのを受けて、ハンドレッドが燃え上がり、結果としてクーデターを起こす羽目になったりもして。

 

モンスター肉を食らうことで強くなる、という事を実感したことでよりパワーに傾倒してるハンドレッドの面々、勢いそのまま国内の統治に必要だろう貴族すら排除しまくってしまって、どうなるやらと思っていましたが。

マルス本人はそこまで考えていないけれど、結果として良い手を取って、状況を乗り越えていけてるのは凄いですね。勘違いモノっぽい味がするけど、マルスが国内トップの実力者であるのは間違いないでしょうしね……。

婚約者のフラウには……戦闘では勝てるとしても、フラウも強かだからな……。ある意味フラウが最強なのでは。

放課後の迷宮冒険者4 日本と異世界を行き来できるようになった僕はレベルアップに勤しみます

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「ええ。ディランくんが死にそうになった階層がここなので、ここのモンスターたちにお礼参りをしにですね」

「ああ、そういうことか」

「こういうトラウマは早めに克服しとかないと、やっぱり付いて回りますから」

 

尻尾族の女性エルドリッドを連れて、異世界から神様の居るところを通って現実世界へと戻ることにしたアキラ。

地球ではケモ耳尻尾付きの人間なんていないわけで、スクレールの耳みたいに神様に魔法で隠してもらうことにしたわけですが。種族の誇りである身体的特徴が隠されてショックを受けてうなだれてるエルドリット、ちょっと可愛かった。

 

……でも、アキラが住んでるのって怪人とヒーローが居るトンデモ地球でもあるわけし、ケモ耳付きで行ってもワンチャンどうにか誤魔化せんか。子供が魔法が解けたエルドリットの尻尾掴みに来てたから無理か。

別のエピソードで、ヒーロー活動している友人のヒロちゃんも登場したりしてましたが。独特のノリの子だなぁとは思いましたね。

 

スクレールが醤油狂いなのは変わらず。里で生産を試みるためにお金を送るために節制中で、ギルドの食堂で提供されているヤバ料理「謎のお粥」に手を出して、美味しくないと愚痴ることになってましたが。

後日謎のお粥をアレンジしてどうにか食べられないかとアキラが工夫してましたが、出汁とか味噌とか使ってもなお改善されない「謎のお粥」のヤバさよ……。

アレンジ中にスクレールが「食べられるようになっただけ。食材を殺している。殺害。良さを一つずつ入念に潰していっている感じ。動機は怨恨」とまで言っていたの、笑えたので良かった。

 

アキラは相変わらずソロの冒険者としての活動を続けていたわけですが。

神様から、日銭稼ぎの子が増えて遭難事例も増えるから、余裕があったら助けてあげてと声を掛けられたこともあって、目についたディランくんと交流することになって。

時にふざけたりもしてますが、しっかりとアドバイスもしてるの偉い。

辻ヒールなんかもしてましたが……その過程で怪着族で傭兵をしている女性リンテさんとの縁が出来たりもして、多種族からヒロイン相当のキャラが出てきてるの良いですねー。



プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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