気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

GCN文庫

放課後の迷宮冒険者 日本と異世界を行き来できるようになった僕はレベルアップに勤しみます6

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「自分のできることをやる。やり続ける。僕はそれで大丈夫なんだと思う。すごいことをしてる人は確かに眩しいけれど、それに目を眩ませてはいけないんだ」

 

相変わらず師匠に過酷なトレーニングを課されたり、異世界でダンジョンに潜ったり、現実世界でヒーローやってる友人に連れまわされたりしているアキラ。

師匠、なんか訳ありなのが明らかな人前に出るのもままならない御仁ではありますが。食事が必要という人間らしさはあって。

隙を見て店から食料を頂いているとか。ちゃんと代金は置いていくみたいですけどねぇ。

 

アキラ、あちこちで地球由来の食材で餌付けしてたけど、師匠にも甘いものが通じてるのはちょっと微笑ましかった。

師匠、裁縫や編み物が趣味だったりするみたいですし。振る舞いや学識もあるからアキラの予想するとおり「いいところ出身のお嬢様」っぽいのは分かるんですが。いったいそれがどうしてあんな実力を得ていたり、変な状態に陥っているのやら。

師匠の趣味の産物で作った『歩行者ウサギ』のぬいぐるみがウサギ愛好家の方々に熱烈歓迎されて、一瞬で売れてたのは笑った。

 

地球の方ではヒーローやってる幼馴染から、急遽ヒーローの傍にいる着ぐるみの「中の人」の代役として駆り出されることになったりもして。

……イレギュラーな状況が重なった中で、怪人と鉢合わせてる当たり相変わらず引きが強い。

迷宮の方では、アキラがひいきにしているポーションマイスターのラメルさんがダンジョンに素材採取に行きたがった結果、アキラが同行することになったりしたりして。

いつも通り振舞っていたように見えましたが……読者目線だと、ある程度ダンジョンに馴染んでからのアキラしかしらないんですよね。

エピローグで、かつて彼が倒したとだけサラッと触れられていた『黒曜牙』の名前が出て来ていたり。途中のエピソードで受付嬢のアシュレイさんが、アキラの在り方を心配していたり。7巻でたら、アキラの抱えているそういった闇に踏み込む話になるんですかね。



魔女と傭兵4

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「お前たちは結局、自分が気に入った方法を肯定しているだけという事さ。剣も、薬も、魔術も。人が戦うために生み出した道具に過ぎん。必要ならば使うだけのこと。誇りだなんだと選り好みして、それについていけない者は死ぬだけだ」

 

感想書いてないのに気付いてしまったのでー。

たまたま街を出歩いている際に、女に絡むチンピラを目撃したジグ。女もそこそこ腕利きだったが、戦闘用のドラッグを使ったバカが出たので少しだけ介入。

当人は依頼でもないしこの程度で金は要らんと去っていきましたが……その女、カティアはこの街の裏社会で縄張り争いをしている組織の一つバザルタのボスの娘だった。

 

かなり街にドラッグが広まっていて……さらには内側に裏切り者もいるかもしれないと、バザルタも動くに動けない状況で。

カティアはジグに接触し、自身の護衛を依頼することに決めたわけです。

ちゃんと調べた上で接触してきてましたが、以前ジグが「ペラペラ情報を話すと信頼に関わる」と話さない事を選んだワダツミでの一件までちゃんと調べて、評価してくれてたのは良かったですね。

 

この大陸では傭兵なんてゴロツキ扱いですけど、ジグは彼なりの矜持を持ってるので、底を認めてもらえるのは嬉しい。

あまりにも怪しすぎて疑う声は当然ありましたが、カティアが「金次第で誰にでも作っていってるあんな戦力、敵に回す方がおっかない」と契約続行の判断下すシーンが地味に好きです。

 

……ただ、規模が大きく冒険者にも被害がでたこともあって冒険者ギルド側も調査に動いていて。

シアーシャは別の稼ぎに臨時パーティーを組んで挑んでたので不在でしたが、何の因果かジグと過去に因縁のある三等級冒険者エルシアのパーティーと戦う羽目になっていたのは、相変わらず持っているな……というか。手練れ相手でも引かず、目的を達成する在り方はやっぱり好ましい。

ハブられルーン使いの異世界冒険譚4

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「裏切り者め……」

「そうですよ」

僕は初めからお前に忠誠を誓ったつもりはない。

 

人類側、勇者召還を行ったゼスキア王国。

魔族側で五大諸侯と呼ばれる有力者が募った軍が勇者に敗走させられて、名の知れた将軍も討たれたりしている様ですが。

召還された勇者であるところのクラスメイト君達は、いなくなった松坂姉妹の事は多少心配しているけれど……司のことにはさっぱり触れてないのが、なんとも。

 

一方の司は、領主であるセラフィーナを追いやって実質的な支配者になったラドリムにすり寄って。

人間である彼が魔族の領主に近付くことを良く思わない人は、当然いたみたいですけど。

危険なワイバーンを討伐してみたり、つけられた部下相手に一対一で戦って圧勝してみせたりと実力を示したことで、受け入れてくれる人も増えて行ったようですね。

……一方で、牢番にわいろを握らせてセラフィーナに接触して、ルーンを用いた【契約】を迫ったりしてますが。隠し立てはせず、受け入れたらラドリムを殺してセラフィーナを領主の席に戻すとハッキリ言うのは覚悟決まってますねぇ。

 

死霊魔術使いの妹、志穂乃の方はかなり司を受け入れていて。地下の探索にも付き合っているし、姉に隠れてアピールしてくる状態で。

美穂乃は相変わらず司に対してツンツンしてましたが……今回、妹も結局は司の毒牙にかかっていたことを突きつけられることになったりもして。

薄々察してはいたでしょうけどね。そうして双子と一緒に楽しんだりとかして、堕落してもおかしくない日々を過ごしつつ……足場を確かなものにしようと動いているのは一貫してますね。

 

自分が疑われないように環境を整えるため、ラドリムを殺すために地下のアンデッドを使ったり。目的のために手段を選ばないところ、司らしいと言えばらしいかな。

叔父に見捨てられ牢に入れられたこと。その叔父が死んだこと。それを成したのが良い人だと思っていたアキミツだったこと。……その結末になると知った上で、彼との【契約】を受け入れたこと。

そういった経験をしたからか、甘さが見えたセラフィーナが領主に返り咲いた時、厳しい態度も見せてしっかりと家内をまとめられるようになったのは良かったですね。

とは言えラドリムよりも与しやすく、【契約】を結び肉体関係を結んだ相手がトップに居るのは司にとってありがたいことで、環境が整って多少落ち着いて過ごせると良いなぁ……って感じではありましたけど。次巻予告が不吉すぎるんだよなぁ……。

魔女と傭兵6・下

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「認められるものか!!」

(略)

「俺は、俺の意思で剣を振るってきた!」

 

 

転移に巻き込まれ退廃の町ストリゴに飛ばされてしまったジグ。

ストリゴの事情に詳しい魔術師シャナイアに出会えたのは、幸いと言えるのかどうか。

でもまぁ、不慣れな土地で武器もなくさまよう中で情報も無いと、行動指針も定まらなかったでしょうし、ラッキー寄りではあるか。

シャナイアには当然ジグにすり寄ってきた目的があって……それがジグとシアーシャ、それぞれの逆鱗に触れるような事だったから、最終的に対立することになっただけで。

魔女についての情報をちょっと得られたのも合わせるとプラスも大きいけど、騒動の分のマイナスもあって総合的にトントン……になってるか? これ。

 

「来るもの引きずり込み、去る者足を掴んで離さない」とシャナイアが評したストリゴのスタンス。

それでもここ最近は強大なトップが頭を押さえていたことで落ち着いていたみたいですが……大失態を侵して、それまで抑えられていた反動で今まで以上に酷い状況になっているとか。

その組織の名が「アグリェーシャ」と聞いて、ジグが生まれて初めて「神を祈った(のろった)」と書かれている地の文がめっちゃツボでしたね。

 

ジグはまぁ傭兵として経験豊富なので、荒れた地でも何だかんだ適応して過ごしてましたよね。シャナイアから情報を得られたのは大きい。

亜人主体の組織ファミリアのメンバーに絡まれて、叩きのめしてボスまで会いに行っちゃう足がかりにするあたりが実にジグ。

一方、自身の止まり木であるジグが消えたことでシアーシャは安定を欠いて……狂気に寄った彼女に迫られたギルド副頭取のカークは本当にお疲れ様です……。

でもシアーシャに押されるだけではなく「仕事をほっぽり出したら、真面目なジグはなんていうだろうなぁ」って理詰めで反論して、事情を引き出すことに成功していたのはお見事。

 

そして番外編で、ジグ達の故郷で紅蓮の魔女と戦う事態に陥っていたジグの師匠たちのエピソードが描かれていましたが……。

師匠たち、つよすぎぃ……そして不肖の弟子であるジグへの信頼も確かにうかがえてよかったですね。

だって、私はフリーダム 魔工士フェイ、古代文明に挑みます

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「……えっ? その先に何があるのか知りたかったから? ていうか、それ以外に何か理由って要ります?」

 

ハイランド王国にて最強と謳われるリオンハート公爵家。

武門の筆頭であり、その当主は最強の剣士でなくてはならず……フェイは父から諸国を巡る修行をしてくるようにと送り出され、十七の時に無事に帰還。

しかし彼女は剣術もそれなりに治めてはいるみたいですけど……旅の最中で魔工学に傾倒して、「剣より銃の方が強いですよね!」と父を銃でボコボコにし、勢いのまま屋敷まで破壊し……勘当される事態に陥るわけです。

 

そして予期せず自由な時間が出来てしまった彼女は……魔工士としての道を究めようと歩み出すことにしたわけです。

かつて母が寝物語として読んでくれた、古代文明の物語。そこで語られていた巨大な機械鎧を再現できないか、という目標を掲げるのは良いんですが。

修行の旅の途中で師匠を得て技術を叩きこまれたフェイは、機器を自作できる程度には古代技術に精通しているわけです。

 

しかし、いざ独り立ちしてすぐに研究が出来るかって言ったらそれはNO。なぜなら、古代技術の研究は、魔工士としての資格を持っていないと違法だから。

正規の方法で資格を得ようとしたら何年も学校に通わないといけないので、今すぐ研究を始めたいフェイには不向き。

そもそも本格的な研究をするなら工房やら各種機材も欲しいので、お金がどれだけあっても足りない。そのためフェイは冒険者になって一山当てようと決意。

 

登録時に特殊な機械に登録が必要だけど、フェイが触れるとエラーを吐き出して。叩いて直そうとすな、魔工士志望。「通常ライセンスは付与できない」とか言うエラーメッセージ出てるんだから、どうにか「特殊なライセンス」を探せないか、と言う方向に思考を巡らせなさい。

ロケット作って壁を乗り越えるような感じでダンジョンに潜り込もうとすな。潜り込めてないし。バレバレだし。

巻末にキャラ紹介があったんですがフェイは「頭の良い馬鹿である。性質が悪い」と書かれていましたが、すっごい的確な表現でしたねぇ……。

 

ルールはぶち破るし、周囲の人々を振り回しまくるし。実家の屋敷破壊したりと物的な被害もまぁ出てるし。重症治療できるけど、代償として寿命が削れるとかいう悪魔みたいな装置作ったもしてるんですけど。

別に悪意からそうしてるわけじゃなくて、誰かを助けようと動ける善性はあるんですよね。善性のトラブルメーカー。……うーん、これは性質が悪いですわぁ。

彼女がダンジョンに踏み込んだことで新しい発見や出会いがあって、方々に影響を与えそうですから……まぁほどほどに頑張って欲しい。フェイが頑張りすぎると絶対周囲が被害甚大になるから。



色欲無双 変態スキルが暴走してヤリサーから追放された俺は、はからずも淫靡な力で最強になる

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「あたしは自分の仕事に誇りを持ってるし、こうして冒険するときは命を懸ける覚悟だ! いかがわしい目に遭うくらいで尻込みしてたまるか!」

 

冒険者の槍使いが集まったパーティー「ヤリサー」に所属していた主人公のリック。

しかし、彼が『色欲』というスキルを発現してしまったことで、彼はパーティーから離脱することに。リーダーが「このままだとウチから出て行ってもらうことになる」と追放の択から入ったとはいえ、ちゃんとリックと話そうとしていたのはまだ良かったか。

リック自身も状況が悪化しているのは自覚していたし、解決手段も提示できなかったため離脱を受け入れることになって。

リーダーに迷惑を掛けたくないという気持ちが湧く、良いパーティーだったんだなぁとは思いました。

 

『色欲』の効果は、異性からの好感度が上昇し、リックに執着するようになる。リックは異性と接触したり性的刺激を受けることで、自身にバフがかかるようになるというもので……。

ソロで活動することになったリックの実力は、Dランク冒険者としても平凡というか。山賊に襲われている馬車を見つけて助けに入ったものの、ノーマル状態では撃退されて。

助けに入った馬車に居た女性に頼んで下着を見せてもらうという、情けないシーンを挟んだ後は容易く撃退することに。

人間関係を悪化させたりするデメリット発揮してるとは言え、特殊なスキルな為かバフ量はかなり高いっぽいんですよね『色欲』。

 

リック、基本は好青年で『色欲』で人の感情を操っている事に思う事はあって。制御できるようになりたいとは思っているみたいなんですけど。

ソロ冒険者として無理なく活動できる範囲で動こうとしているのに、どうしてか厄介事ばかりが彼の前に現れて。

……そしてそういった事態に遭遇した時、リックは自分に出来る事をしようとするんですよね。盗賊の時しかり、基本的には助けるためにバフが必要だったから頼んでますし。

普段からそのスキルを活かしてハーレム作ろうとはしてないんですが。

そういう意味ではサブタイトルの「はからずも~最強になる」というのは間違ってはいない。『色欲』バフ強すぎて、数百年に一度あるかないかと言われる危険度高いモンスターですら打倒できてしまうので、大味に感じる部分もありますが。タイトル通りの展開を楽しめる作品です。最強に至る第一歩を踏み出したばかり、ではありますけどね。

『人斬り』少女、公爵令嬢の護衛になる

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「わたし、あなたに信じてもらうのは悪い気がしなかった。むしろ、嬉しいとさえ思った。だから、わたしのことを信じてよ。絶対に負けないからさ。前に言ったよね? たとえ世界中が敵になったとしても――わたしが必ず、あなたを守る」

 

ある人に仕えるためだけに育てられ、剣術を叩きこまれた少女シュリネ・ハザクラ。

幼少期から教え込まれた生き方に疑問を持つこともなかったし……何よりシュリネは強者との戦いを好む性格で、鍛錬が苦ではなかったのは大きい。

ただ強敵とのギリギリの命の奪い合いが唯一の楽しみである、という生き様は他者からは苛烈に見えて……『人斬り』なんて蔑称で呼ばれることもあって。

 

最後には仕える予定だった人を切り殺され、その冤罪を着せられそうになり……それまで快楽に任せて人を斬るような罪に問われるような行いはしてきてなかったシュリネは、わざわざご高説をたらしに来た敵を切り捨てて、国も捨てて気ままな一人旅に繰り出すことになったわけです。

そうやって乗り込んだ先の列車で、謎の追手に追われている少女ルーテシアと遭遇。

シュリネは無関係だったんですが、もしや自分の追手がここまで来たものかと立ち上がってしまったことで騒動に巻き込まれることに。

……巻き込まれたというか、「護衛として雇ってくれない?」と売り込みしたので、自分から突っ込んでいったんですけど。

 

ルーテシアは五大貴族ハイレンヴェルク家の若き当主。

王が跡継ぎを決められずに亡くなった場合に次代の王の選定に対して関わることのできる、五大貴族と呼ばれる名家でもあるそうで。

彼女が狙われたのは、まさにその「次代の王の選定」が行われる条件が整いそうなためで。つまりは権力争いの一環なわけですけど。

何も問題が無ければ第一王子であるアーヴァントが即位する。しかし彼には悪いうわさも付きまとっていて……。

 

五大貴族のうち2家しかアーヴァントに与していないという時点でその評価も知れる

アーヴァントが五家の一つである当主を害そうと工作を働きまくって、前当主夫妻それぞれの死にも関与していたりするとか、そりゃ王にしたくないわなぁという気持ちがある。

一方で、残り3家は第一王女を支持している立場なわけですけど。

自分の支持派閥を守ることも出来てないあたり、こっちはこっちで先行き不安ではー? みたいな気持ちが無いと言えば嘘にはなる。

 

先手を打たれてルーテシア確保された時点で、後から兵を準備したら内乱扱いになってしまうとかわからんでもありませんけど。

第一王子、五大貴族家の一つである当主を冤罪着せて処刑して、それによって血脈が断たれるハイレンヴェルク家を潰し、別の家を五大貴族家に祭り上げて自分が王になろうとしてるんですけど。

……敵対陣営で、挿げ替える準備も整っているとはいえ『五大貴族の当主』すら切り捨てようとしている王子を王にして、他の4家が自分たちが安泰だと思ってるんならそれは甘すぎない……?

そういう柵に囚われている王女様たちと違って、異邦人であるシュリネは「助けたい」という欲求に素直に従って、一敗地に塗れてもなお諦めず、王子の罠を食い破ってくれたので実に痛快でしたね。

魔女と傭兵6 上

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「皮算用か? 仕事の基本を教えてやろう」

「……ほう?」

(略)

「仕事は一つずつ、確実にだ」

 

なんかもういつも通りな感じがする、病室にいるジグからスタート。

荒事をやってる冒険者ばかり見ている医師のドレアから「まともな人間なら二回は死んでる怪我」とか評されているのは、やっぱり笑える。

シアーシャの仮説によれば、魔力のある異大陸の住人は魔法で底上げしてる分肉体そのものが頑丈ではなく、ジグは魔力がないからこそ素のスペックが高いという差異が現れているのではないかという事でしたけど。まぁそれを踏まえた上で、ジグ個人の回復力とか高そうですけどね……。

 

ジグも回復したものの、医療費や装備の修繕費で財布が寂しくなってしまったから、仕事を探そうとしていた矢先、緊急依頼がシアーシャに飛び込んできて。

刃蜂の巣に攻撃を当ててしまったバカがいて、それによって狩場が大混乱。転移陣近くに居た人々は逃げられたものの、80人近くが未帰還で……。

出来るだけ多くを救ってほしい、と言う人命救助の依頼を受けることに。ジグは傭兵としてシアーシャの警護を優先しようとしていましたが、副頭取のカークが仕事に誠実なジグに対して依頼を持ち掛けてきて。

シアーシャの同行者申請を出しているジグに、外部協力者として適切な報酬を出すという形で上手く話を持って行ったのは流石一つの組織で責任を負う側にいるだけの事はある。

 

要救助者の人数が多いため、シアーシャ達以外にも冒険者が派遣されることになって。

可能な範囲で助けて回ってはいましたが、それでも結構な犠牲を出してしまう状況で。そんな場所で、人を抱えたまま刃蜂の群れを引き付けて逃げおおせたジグ、凄まじいな……。

「助けた人数に応じた報酬を払い、出来具合で評価が決まる」という依頼で、ジグが直接助けたのは3人に収まっていましたが、刃蜂を引き付けたことをカークが功績としてしっかり評価してくれたのは良かった。

 

シアーシャ達が来てからこっち、異常な行動をする魔獣ばかり見て来たので読者目線だといっそそれが普通に想えて来ましたが。

当然、そんなことはなく。今回の刃蜂の騒動でも敢えてそれをやった、工作員のような輩が要るのではないか、と言う疑いが出てくることになって。

ジグがカークから当たらしい依頼を受けて、犯人探しをしていましたけど。目立つのもあってあまり得意分野ではないんでしょうけど、仕事に誠実な稀有な傭兵として実績を積み上げたり、偏見がないことで亜人からも裏社会からも話を聞ける立場なのは使い勝手が良い人員ではありますよね。

……まぁ、使い方を間違えるとシアーシャっていう爆弾が突っ込んでくるので、あまり無茶な使い方はできないんですけどぉ。今回上下巻になっているとおり、ちょっと最後、カークさんの胃が心配になる展開になってるので、手を合わせておきましょう。合掌。

人気配信者たちのマネージャーになったら、全員元カノだった2

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「また、あなたのこと独占したくなっちゃった。私に依存させて、狂ったように求めてほしくなった」

(略)

「今回の旅行のゴールも、本当はそうだったの」

 

新人マネージャーの橘恵。

元カノタレント3人を担当に持ちつつ、そのうちの一人であるメイとは肉体関係を持ったりする爛れた生活を送っている彼ですが。一応、マネージャーとしての仕事はちゃんとやってはいるんですよね。

 

彩奈がフォロワーとの距離が近すぎると感じた時に、身バレに通じかねない情報は多少伏せた方が良いと進言してるし。……ファンを信じてる彩奈の方針転換までは繋がりませんでしたが。「ファンはいい子」って言ってますけど、貴女一部の粘着DMフォロワーの相手に憑かれてませんでしたっけ……? 

恵が判断したように彩奈の演出してる「近さ」は武器になるけど、危ういと思うんだよなぁ……と思ってたら最後にアレが来たので、なんというか納得。

 

ちょっと脱線しちゃいましたが、今回は表紙にもいるASMRメインの配信者、加賀燈子の深掘りエピソード。

外出中、ストーカーに付きまとわれているかもという連絡を受けて駆けつけて、彼女をいったんホテルに送り届けようとしたものの……一人は怖いと宣う燈子を自室に連れ込むことになって。

自宅がバレると厄介だから、と言って。敢えてここで23日の旅行に行こうとか燈子が言い始めて。ストーカーを建前に恵の動向まで会社に認めさせたっていうんだから、強かというか。個人的に鈍い疑惑のある相良さんにすら疑われたというんだから、強引な手だったのは間違いないですけども。旅行それ自体は楽しんでいましたよね。

 

ただ、メイの問題を解決するときに調査を頼んだ悪友に燈子が隠し事をしてる、とかも指摘されてましたし。実際彼女なりの思惑があっての小旅行だったみたいですけど。

彼女がどうして恵の前から姿を消したのか、とかの事情が分かったのは……良かったですかね。再開以来肉体関係を持っていなかった燈子とも関係を持つようになってますし、どんどん恵の周囲は爛れて来てますねぇ。

……と思ったらアレですよ。3巻、彩奈編になってもっとドロドロするんでしょ……こわ……。

人気配信者たちのマネージャーになったら、全員元カノだった

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「ファンはいつかメイを捨てる。だけど先輩は、離れてもこうして戻ってきてくれた。頑張らないと。頑張って魅力的なメイで居続けないと」

(略)

「だから頑張らないと、あの女に取られちゃうもんね」

 

大学を卒業し配信者のサポートする事務所に就職した主人公の橘恵。

就職直前に所属するタレントが未成年に手を出して契約解除、担当していた女性マネージャーの加藤も研修を受け直すことになって、他に担当していたタレントもいったん他のマネージャーに委ねる、なんて話も出ているとかで。

それを受けて恵のコンプライアンス研修もかなり厳重に行われたようです。

最初は1人タレントを担当して、別のマネージャー相良と件の加藤さんがフォローをしつつ恵に仕事を教える予定だったようですが……。

加藤さんの研修入りで想定外の状態になってしまって、加藤の受けもちから2人回されて急に3人受け持つことになって。要所でもブラック企業の片鱗見えてますね。

 

幼馴染の少女・早瀬彩奈。当初、恵が受け持つ予定だった1人。中学時代に付き合っていたけれど、夢を追うために上京するために別れることになった少女。

恵が再会した時予想外でちょっと固まってましたけど、相良さん「もし知り合いで、気になるなら引き継ぎ予定を変えます」と言った後に彩奈に「違いますよ」と言われて騙されてましたけど、そんなんで問題起こさせないように気を配った方が良いって仕事を全う出来てるのだろうか。

 

さて「第1章 元カノとの再会」で恵は自分の事を「ごく普通の人生を送ってきた」と称してましたけど。

配信者として人気を獲得してる美人さんたちが「元カノ」だったり、今回焦点の当たっている3人の元カノのうちの一人、VTuberをやっている少女・奈子メイとはかなり深い関係にあったというか……プレイが過激で、お互いに歪んでるというか。

歪んだ結果変な形で噛み合ってるというか。メンヘラというほど病んではないけど、重さはあるというか。ドロドロしてるな……。

 

大学時代に付き合って関係を持ち……そして音信不通になった、今はBAN4回経験もあるASMR配信者となった加賀燈子まで担当になっていますし、そういう女性集める引力とか発生させてそう。

それで言うと彩奈は夢の為に別れてそれっきり、という関係で恵を「真面目で優しい」人物だと思っているのが異質か。彩奈は恋人を捨ててまで追った夢を掴めなかったりで負い目があったり、粘着DMが来てたりでなんというか深掘りすると闇が吹き出そうな気配はしますけど。

 

今回もメイと恵の関係を知っている大学時代の先輩が、暴露系配信者になって2人の関係をネタにされたくなければ俺の女になれ、とかメイを脅迫してきたりしてますし。

女性陣それぞれに爆弾を抱えてそうだよなぁ……というかなんというか。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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