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「魔法使いの終わりとは、何だと思う?」
(略)
「終わり? 成長が止まること、かしら」
「いいや、違う。己に満足することだ」
主人公のアレクは世界に終焉を齎すと予言されたいくつもの災厄を打ち破った大英雄。
彼が徹底的に災いの芽を摘んだことで、後の世では英雄を必要とするような出来事は発生せず……それゆえに、歴史家から「最後の英雄」と称えられることになった。
最もアレク自身にはそこまで崇高な目的もなく……ただ強くなることを望んでいた彼にとって、予言に謳われるような災厄は敵として丁度良かっただけみたいですが。
予言の災厄全てを打倒したアレクの敵は、いなくなってしまった。
彼の仲間であったエルフのエステルとかは、彼に色恋に興味を持ってもらいあわよくば自分に目を向けて欲しい願望があったみたいですけども。
アレクはそのあたりの感情に疎く、上手く会話が噛み合ってはいませんでしたが……そんな会話でも気付きはあって。
エステルの薦めもあって、アレクは魔法によって未来にわたり、そこで自分と並び立つ相手と出会えることに賭けたわけです。
長命のエルフであるエステルは彼の封印された地を護りつつ、彼の花嫁候補として相応しい強さを持った生徒を育てる女学院を作って待つことに。
そして彼は三百年先の未来で目覚めて。エステルが生存し、彼女目線で美化されたアレクの話を聞いているとはいえ、今の学園に通う少女達にとってアレクって言うのは歴史上の偉人なわけで。未来で目覚めるため特別な眠りについた、という話も信じている人は少なかった。
エステルを筆頭に長年生きているアレクの仲間たちが認めようと、飲み込みがたい気持ちになる者がいたり。逆にあれだけ慕ってる仲間に認められているんだから本物だと認める子もいたり、受け取り方は様々ですが。
それでもアレクの実力は認めざるを得なかった。アレクからしても、未熟なところは有れど「オリジナルの魔法を創造する」領域までに至った子はいるし。アレクの相手に相応しい生徒を育てるための学園であるため、アレクからしても学びの多い場所にはなっていたようで……色々と周囲を騒がせても居ましたけど。
英雄というのは伊達ではなくて、良い影響も相応に与えていたのは良かったですね。