「乗りかかった船だしな。俺は帰ろうとは思ってねぇよ」
「良かった。さすがに私一人では手に余りますから。ありがとうございます」
小説家になろうの書籍化作品。
傭兵として各地の戦争に参加し、金をもらって暮らしていたロレン。
けれど、つい先日参加した戦でロレンが所属していた傭兵団は壊滅。他の団員の所在も分からず、潰走したため手持ちの金銭も心もとない。
その為ロレンは冒険者として登録して、その腕っ節を活かして金策に走ろうとするわけですが……
他の仲間も散り散りになったため、ロレンには頼れる相手もおらず一人きり。
そして傭兵として戦場を駆けた経験があれど、一人で行動するのには危険が伴う、と依頼を受けようにも危険性を鑑みて悩んでいましたが。
そこに、他のパーティーから声が欠けられてゴブリン討伐の依頼に出かけることに。
想えばこれがロレンの激動の冒険者人生の始まりだった……より正確に言うなら、ロレンと同じように応援としてパーティーに加わっていた神官の少女ラピスとの出会いが。
ここで、彼らのパーティーと共に行動しなければ、ロレンの冒険者生活ってもう少し落ち着いていたのだろうか。
ラピスとの出会いがなければ、ロレンが首を突っ込まずに済んだ事件はありますが……ラピスからの借金という名の治療費の建て替えや、装備の拡充なかったら死んでた場面もあるからな……何とも言いにくいものです。
ゴブリンを退治するだけの依頼だったはずが、巣に突撃する羽目になり。そこで被害を受けて逃げた先に、遺跡があって。
遺跡でのトラブルに巻き込まれていくわけですが……ロレンとラピス、どっちが疫病神なんでしょうねぇ、ホント。
ラピスにはある秘密があって、それを知って態度を変えない腕利きという事でロレンを自分の傍に置こうとするわけですが。
以降も色々とトラブルに巻き込まれていく二人のやりとりは見ていて結構楽しいです。