気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

HJ文庫

ダンジョンに閉じ込められて25年。救出されたときには立派な不審者になっていた1

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「問題ないことに困っているんだ」

「なにぃ?」

「地下四五階層でロクな装備も持たずに生きていける人間を、住所不定無職無資格の状態で、街に解き放てる訳がない……」

「あー……」

 

突如ダンジョンが発生した世界。

主人公のナガはその黎明期にダンジョンに踏み込み、トレイン……逃げ惑うモンスターを追って集団になっていく現象に鉢合わせてしまった。

そこから命からがら逃げ延びたのはいいものの、ダンジョンの奥地に踏み込んでしまい帰り道を見失ってしまった。

 

ダンジョンの浅い階層は人工物が多く、深くなるほどに自然物が増えていく。そんな中でナガが迷い込んだのは完全に人工物が無い階層で……。

もう一度ソロで上るというのも困難な道ではあるけれど、自然物が多いことでその場所でサバイバルするのには困らなかった。

まぁモンスターという脅威はどうしようもなく存在するわけですけど……少しずつ倒せるモンスターを倒し、腕を磨くことで安定して生活できるようにはなった。

 

しかしいくら安定しているとはいえ、一生をダンジョンの中で過ごすというのも耐え難いため……ナガは、ついに地上に向けての逆ダンジョンアタックを始めるわけです。

そして上っていく道中で、レイスに襲われている少女と遭遇して救助。そこで情報交換した結果、ナガは25年もダンジョンで過ごしていたことが発覚したり。

ダンジョン内部に作られた拠点で、身ぎれいにしたらなぜか20代と見紛う外見を保っていたり。さらにはナガが生活していただいたい45層くらいで、「安定して生活した」実績は公的には認められておらず……ナガの存在は、どこを切り取っても特殊だって言うことが明らかになっていくわけです。

 

時代が流れて資格制になったり色々と環境が整った世界で、資格を取得し再びナガはダンジョンに入って。

地上に戻る際にレイスから助けた少女スイと、そのパーティーメンバーであるヒルネやトウカともたまたま出会い、一緒にダンジョン攻略することに。

長くダンジョンで暮らしているなかで培った経験と知識は、現代の探索者協会でも把握していないものが多くて、あちこちに衝撃を与えていたのは愉快でしたね。

狼型の魔獣が要る階層で罠を仕掛けて、人間側で情報共有するとかは思いついても良さそうなものですけどねぇ。

 

ナガが地上に出たからってわけではないでしょうけど、ダンジョンの魔物の中にも大きな動きが出始めて……長いダンジョン滞在の中で、ダンジョンの闇というか深みに踏み込んだナガも否応なく巻き込まれてましたが。やられっぱなしで済ませず、反攻しようとしてたのは良かったですね。



毒の王5 最強の力に覚醒した俺は美姫たちを従え、発情ハーレムの主となる

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「俺にできることと言えば敵を叩き潰すことくらいだな。慰めてはやれないが、代わりに」

 

暗殺者ロズベットを味方に引き入れたカイム達。

彼女がミリーシアの暗殺に失敗したことで、高額報酬狙いの暗殺者が群れを成してやってくることに。

千とも二千とも言われるメンバーを抱えた組織力が売りの『カンパニー』。

「暗殺」と聞いてイメージする闇に紛れる静かな振る舞いではなく……無数のスケルトンを使役して群れで潰しに来る『骨喰い将軍』。

 

多様な暗殺者に狙われつつ、それらを撃退していたわけですが……。

彼等もさるもの、というか。人質を取ってミリーシアが手出ししにくい、民をカイム達にぶつけてくるなんて搦め手を使ってきたりもして。

ミリーシアを確実に殺すために、街一つに壊滅的な被害を出す派手な行動をとったりもして……生き残った人に責め立てられる、精神的な方向での攻撃もしてくるんだからたまりませんね。

 

ミリーシアはしっかりと皇族としての覚悟があって、自分を狙って敵が動いた結果、街一つが滅びたという事実から目を逸らすわけにはいかないというあたり真面目ですよねぇ。

カイムにも律儀というか難儀とまで言われてましたが。

敵が自分を狙ってくるというのなら、敢えて自分の所在を明らかにすることで、敵をコントロールしようとしたのはお見事。

明らかに罠だけれど、一人だけが得られる報酬のために暗殺者同士でのレースになっていることから誰も引くことはなかった。

仮に報酬がしょっぱくても、ミリーシアがギルドを通して自分の位置を知らしめた以上、彼女が無事で過ごしていることが示されたら「あれだけ挑発されても、殺せなかった臆病者」というレッテル張られて今後の活動に響きそうですけどね。

 

だいたいは蹴散らすことに成功していましたが、暗殺者界隈でも最古参の『不死蝶』と呼ばれる人物・アゲハまで出張ってきて。

彼女の狙いは、人でありながら魔物に育てられた『人魔』と呼ばれる……同胞であるリコスだった。しかし、リコスはリコスで既に自分の主をカイムと定めていたので、アゲハの誘いには肯かなかった。

 

その在り方を認めて引いてくれたのは良かったですね。『人魔』の寿命は定命の人とは違う、という情報も明かされてましたが。……『毒の女王』と同化したカイムはどうなんでしょうね。アゲハが興味示してなかったから『人魔』ではない扱いなんでしょうけど。リコスを一人にしないで上げて欲しいものですが、どーなるかなぁ。

口絵にも描かれてましたが、巻末の番外編「番う狼」で成長したリコスとのシーンが……夢という形ではあれど描かれたのは、リコスだけ仲間外れにならずに良かったというべきか。アゲハと出会ったことで、『人魔』ならではの技術を学んでますしいつか夢じゃ亡くなればリコス的にも本望でしょう。

本編は暗殺者という脅威を退けランスと合流を果たすところまでたどり着いてましたが……決戦まで1週間とかいう最後の一文が不穏ではありますね。戦力、足りるのだろうか。

毒の王4 最強の力に覚醒した俺は美姫たちを従え、発情ハーレムの主となる

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(改めて……俺はどんな星の下に生まれたんだろうな。故郷を飛び出してから一年も経っていないっていうのに、一生分の災難とぶつかった気分だぜ)

 

第一皇子との交渉は、予想できたことではありますが決裂。

暗殺者登場によって混乱した場で。カイムが出した毒ガスを爆発させることで隙を作り脱出には成功……したものの、仲間と分断されてしまうことに。

困ったカイムの元に真っ先に駆けつけたのが、孤児院に預けたはずの少女リコスで。狼に育てられたからかまさかの匂いで追跡してきたようで、彼女の力でミリーシアたちとも合流できたのは何より。

リコス、孤児院に置いていかれた事を怒っていて今度は置いてかれないようにカイムにしがみついているの、絵面は微笑ましいですね。

……リコス、院長の回想からするとなんか厄介な経歴の生まれっぽいですけど。まぁ魔狼に育てられている時点で今更か……。

 

兵士に追われながらも、何とか脱出したカイム達はミリーシアの提案で第二皇子ランスと合流しようと動き始めることに。

ランスの元へ向かう道中でカイムを阻止した、第一皇子の『双璧』についての話を聞いていましたが。帝国最強の騎士だとか、未来予知の力を持っている魔法使いが居るっていう話は共有しておくべきだったのでは……? まぁ教えられたからって、カイムが彼らに勝てるほどスペック向上させられる術があったわけじゃないので、結果は変わらなかったと思いますが。

 

さらに向かう途中でワイバーンに襲われている馬車を発見。

事情を聞くと、近ごろ周辺の村や町がワイバーンに襲われていて大変だという事で……ミリーシアが困る民を放っておけず、協力を申し出ることに。

アーサーとの交渉が決裂した上でも兵士に無駄な損害を出したくないと考えていたあたり、甘いですけど……そんな彼女だからこそ、味方につけられる人もいると示されたのは良かったですね。

 

他の冒険者チームが夜の見張りを引き受けてくれて……声を抑えるように努めたとは言え、その傍のテントでおっぱじめてるの、強すぎるな……。

彼等のイチャイチャっぷりに充てられて停滞していた、その見張りたちの関係も進展したのは良かったですけど、見張りはちゃんとしなー?

ワイバーン単体だったらカイムにとっては容易い敵みたいですけど。飛んでいること、かなりの数が居て広範囲に被害が出ていることから、カイム一人が戦ってどうにかなる状況でもなくて。

 

対処方法として、ワイバーンに特化した毒を生み出して、兵士でも対処できるようにするって言うのは効果的で良かったと思います。カイムが苦手な魔力操作を工夫する良い理由にもなりましたしね。

……そうやって生み出したカイム謹製の毒にも、ミリーシア達みたいな一部の女性陣に刺さる「媚薬」としての性質が残っていて。

ミリーシアを殺しに来た「首狩り」と呼ばれる暗殺者ロズベットに効果抜群。拷問には耐性があっただろう彼女を、カイムが快楽によって陥落させて味方に引き込むことに成功したのは……戦力向上って意味ではありがたいか。

 

暗殺者の世界でもある程度のルールはあって、仲介人が依頼を持ってきて誰かが狙っている獲物には手を出さない。……けれど、最初に挑んだ相手が失敗したのなら、その後は早い者勝ちになっているとかで。

ロズベットを屈服させたことで、他の暗殺者たちが動き出すだろうって情報も得られたのはありがたかったか。……暗殺者に狙われまくるの厄介ですねぇ。そうでなくても、第一皇子とそれに与する勢力を敵に回してる中で、敵対者増やしたくないっていうのに。

……そもそも、アーサー、ランス、ミリーシア3人のうち2人を殺せとか言う依頼出してるの誰なんだって話ですし、暗殺者を撃退したとて尾を引きそうな気配がある。

毒の王3 最強の力に覚醒した俺は美姫たちを従え、発情ハーレムの主となる

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「一度は他国に逃げた私ですが……今度こそ、帝国を救うために命を賭けたいと思います。大丈夫です、私には支えてくれる仲間がいますから」

 

カイム、やる事やった後のピロートークで「旅の途中、特に活躍してなかったけど何ができるんだ」とか直球で聞いちゃうのは流石にどうなの。

ちなみにそこで明かされた情報だとミリーシア、実は神聖術の才能があるらしいですね。

怪我の治療とか道具を揃えれば結界を張れるし、アンデッドとかに聞く浄化も使えるそうですが……そりゃこれまでの道中では使いどころないですね。

そして役立たずですみませんと自虐して、カイムに慰めてもらおうとしてるので……まぁそれ以外にも女の武器も磨けてるんじゃないですかね、知らんけど。

 

兄弟の争いを止めようと帝都を目指すミリーシアに同行するカイム達。

しかし街道の封鎖によって足止めされてしまって。ミリーシアの神聖術を使ってアンデッド討伐をしたりしてましたが、状況は改善せず……危険地帯である迷いの森を突破するルートを選択することに。

魔境に詳しいサポーターを紹介してもらって、カイム達なら対処できる程度の障害を蹴散らしつつ進んで行ったところ……奥地で本来会うはずじゃない魔王級に次ぐ公爵級の魔物、狼の魔物リュカオンの群れの長にケンカを吹っ掛けられることに。

 

流石に「公爵級」となると厳しい戦いでしたが、辛くも勝利。相手にも思惑があっての戦いで手加減されていなければ危なかった、とカイムは感じていましたが。

力を示したことで長からカイムは、狼たちに育てられていた人間の少女を託されることになるわけです。

リコス、デザイン可愛くて良いですよね。魔境の奥地で魔物に育てられた、というだけあってただの少女ではなさそうな気配プンプンしますけど。

 

少女託された後、無事に帝都に到着できたのはなにより。ただミリーシアが信用している人物が管理しているとはいえ、施設にそのまま預けようとしていたのは、警戒心が薄いというか。

ミリーシア後継者争いで内紛間近なのを止めようとしているわけで、彼女の立場って結構皇女でありつつ危ういんですよね。

帝都についてすぐ預ければ良いか、と考えてましたが……それは相手を侮りすぎでは……? 感もある。とはいえ、じゃあ素直に連れて行って良いかと言われると悩ましい話なんですけども。

 

第一皇子との対面は無事に叶ったものの、内紛を止める事は叶わず。

側近によって排除されそうになったカイムたち。『毒の女王』を取り込んだカイムでも、一国のトップクラス相手となるとさすがに厳しく……ピンチになったところで、暗殺者とか言う予想外の乱入者によって、逃げ延びることが出来たわけですが。カイムのレベリングは急務ですねぇ。

 

あとこれらのイベントの合間に相変わらずなアレコレもやってるんですが。

レンカが首輪持参で「お散歩」プレイに興じてたり、巻末の番外編「囚われのレンカ」では黒歴史を綴っていたり、もうダメだよこの女騎士。性癖に正直すぎる……。

ギルドマスターのシャロンとワンナイト堪能してましたが、三人の恋人ほどの高ぶりは感じなかったとかで、旅の仲間が特別であることを実感したりもしてましたが。

魔境のテントの中とか、兄と対話するために来た城では「妹でも予定の横入は許さん」と後回しにされて……その結果、城のミリーシアの私室で盛ったりしてるので、カイム色事方面では無敵か……? 女性陣の方がカイムを誘惑しまくっての結果ですが、それを受け入れてるわけだからな……。

インフィニット・デンドログラムSP2 南海編〈下〉

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『俺の仕事は、リエラの護衛でもお守りでもない』

リエラを一瞥してから、シュウは理由を述べる。

『リエラの仇討ちを助ける。それが俺とリエラの契約だ』

 

醤油抗菌、デンドロ黎明期に初めて「どうせ変わらないだろ……」って適当ネーミングにしたけど、この世界の人々と交流する中で色んなものを背負い込んでしまった重い男なんですよねぇ……。

カラーイラストのキルゾーン、格好良かったですけど名前がギャグなのが温度差激しくしてる。

 

アビスシェルダーに挑んで散っていったサトミ。

それでも腐っても超級、戦いの中で得た情報をサトミは自分のクラン「GFRS」のホームページにアップロードしていて。

シュウがリアルでそれを確認した上で、リエラたちと方針について相談することに。

レイにも宣言した、極小だろうと諦めなければ『可能性はいつだって俺達の意思と共に在る』というのを貫くために、足掻き続けているの良いですね。

 

死骸を真珠化させて、それを捕食することで吸収する。UBMをデザインしたジャバウォック的にも予期せぬ出来事が積み重なった結果生まれたイレギュラーらしいですが。

耐性が強いメタルスライム系統のモンスターを喰らい続けて、外殻が完全耐性レベルになっていること。補色を続けたことで素のステータスが極大化していること。

それがアビスシェルダーの「無敵」のタネだと暴くことには成功したわけですが……基礎スペックが高い方とかは、単純だからこそ対処が難しい類ですよね……。

そりゃ破壊王か獣王レベル引っ張ってこないと対処できないとかいうわけだ、と納得しました。

ただまぁ、シュウのバルドルはあくまで水陸両用の戦艦形態もあるけれどあくまで陸戦主体であって。水棲のアビスシェルダーと戦うには相性が悪い。

その為には他のマスターの手助けがいるけれど……その手札を持つ人物は、リエラの帰還を望んでいる。そんな綱渡りを渡り切って、決戦にまで持ち込んだのはお見事。

 

抗ったのはシュウやリエラだけではなく。グランバロア七大エンブリオと称される、7人の超級もそれぞれ活躍していたのが良かったですね。もちろん、現地住人も可能な範囲で戦い抜いてましたし。

サトミ、醤油抗菌、最も若く先達から教導を受けているミロスラーヴァ。

比翼連理の二つ名を持つ、機動力に長けたリアル夫婦エドワーズ夫妻。

エドワーズ夫妻、個人で参加しているけど合衆国の諜報員としての顔もあり、あとがきで書かれていましたが、本編キャラであるルークの両親に「ゲームの謎を解き明かして」という依頼を出した人物と書かれていて、予期せぬところで繋がりがあるな……。

エドワーズ夫妻の部分と、各船団の後継者部分とかの描写は特典版から加筆された要素だったみたいです。

 

そして隠されていた残りの超級2人ともシュウは出会うことになっていましたけど……つくづく超級との縁があるな……。

シュウはいつでもどこでも彼らしさを貫いている男なわけですが。

……かつて自国の戦争に参加しなかった一件があり、「母国の戦争には不参加だったのに、なんで今回は手を貸してくれるんだ」と思われているの、犯罪王ゼタとの一件が表に出ていないから仕方ないけれど、若干モヤモヤしましたねぇ。

とは言え周囲がどう評価しようと、自分を貫くのがシュウという男で……必殺スキルの時間制限内に、しっかり仕事を果たしてくれたのが格好良かったですね。

魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだがどう愛でればいい?19

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「もう休んでいていいぞ? あとは俺が片付けておく」

「すっこんでろ。こいつは俺がはっ倒す」

 

〈最長老〉マルコシアスの招集を受けて集うことになった13人の魔王。

その道中でザガンはネフィとの挙式まで行って……それをゴメリとクーが「魔王観察のススメ」を配って、2人のいちゃつきを見世物のようにしてましたが。

まぁ普段から自然にやってるし、彼らの本拠地付近ではよく見られる光景ですからね……。軽く注意するにとどめてますが、最初の挿絵がクーの頭を掴んでるザガンなの、絵面が悪いな……笑ったけど。

 

フェネクスを殺せる可能性を示したことで、協力を得られることになって。

いつまでも付きまとわれるのも面倒だし、身内認定したらしっかり褒章を与えていく王様なので、フェネクスを殺せる「天燐」を与えてるのは懐が深い。

フェネクスからエリゴルの監視が「未来を見て、因果を辿る形で成してるから、常時盗み聞きされてるわけじゃないよ」という話を聞いたアスモデウスが、フォルに会いに行っていたの微笑ましくて良かったですね。

 

大所帯となったザガン一行を運ぶ役割をフルカスが担当していたの、彼の空間魔術の適性を見せつけてくれてて良かったですね。

マルコシアス、最長老という立場でザガン達の敵となった黒幕的立ち位置でありながら、時にコミカルなギャグ担当みたいになっていたので、どんな姿を見せてくれるのかと主増したが。

骸骨卿アスタロトに、ザガン達遅いし帰っていいかとコントやってる場面もありましたが。

ちゃんと強さを見せてくれるシーンもあったのは良かったですね。

 

1年後、世界が終焉を迎えるからそれを避けたい。結界を担っているアルシエラを救いたいという話、それ自体にはザガン達も協力できる部分ではあるんですよね。

ただし、そのためにマルコシアスが選んだ手段が受け入れられないものだっただけで。

アルシエラの代わりにリリスを犠牲にするというであれば、争いは避けられない。

記憶を失ったフルカスをマルコシアスが叩き起こしてましたが。ザガンがフルカスを保護してからの日々が無駄ではなく、最長老との戦いを選んでくれたのは格好良かった。

ザガンの悪友であるバルバロスの使う技を、より洗練させたような一撃は流石の魔王。

それが魔法であるなら、分析して対処してくるマルコシアスも最長老と言われるだけのことはありましたけど。

 

ザガン陣営もかなり厚くなってきて、マルコシアス一派を相手にしても噛みつけるだろうとは思っていましたし、実際ただのマルコシアス相手だったら善戦できていましたが。

一度敗れる未来すらエリゴルの未来視で見ていたマルコシアスは、切り札を持っていて……。ザガン達は敗走することになってしまったわけです。

刻印の移動まで起きてしまって、かなりザガンは厳しい容体になっていましたが。まぁ、このままで黙っているような王様ではないので、ザガンの復活からの逆転に期待したいところです。

TS転生した私が所属するVTuber事務所のライバーを全員堕としにいく話

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「――全員仲良くハッピーエンド。綺麗事でも、私はプロちゃんと宇宙さんが分かり合えるって信じてる。絶対に」

『根拠は?』

「ふふ、あるわけないじゃないですか。そんなの、必要ないでしょ。――私が信じてればそれでいい」

 

同期である2期生のツナマヨとクラシー、1期生の全智の攻略を進めている花依。

プロローグから全智さんのところに泊まってますしね。当人も「そろそろ好感度管理の時間かな」とか口走ってたの笑った。

百合に脳を破壊された行動力の権化で、この2巻の後半では妖怪扱いされることもありますが。ちゃんと攻略した後も飴を与え続けているの、偉い。TS要素は相変わらずあまり意識に入ってこないくらい、花依が女の子して他のメンバーと交流しているの微笑ましくて良い。

 

私が全員堕とすから、結果的に箱推しになるでしょみたいなことを1巻のときに言ってたはずなので、周知のはずなんですが。その上で、ヒロイン達の好感度管理ちゃんとやって、向こうからもグイグイ来ることがあるの、見てて面白い関係性ですよね。

全智さんとか、花依に依存しかけてるから自立を促そうとする部分もあるし、いちゃついて尊さを摂取しつつ、堕落させたいわけじゃなくて。各々が一番輝く場面を身近で見たい、という願望が強い感じがする。

 

肥溜めと言われるくらい、アクの強いメンバーの揃った箱なので大型コラボとかはなかったようですが。スペック高めの花依を司会に据えて「学力王」という企画を実施しよう、という動きもあって。

そこで1期生の元気なアホの子プロミネンスと交流が始まることに。

自分のアホさがリスナー筒抜けなのに気付いてない、純朴なところのある臆病な子で……同期の宇宙さんから声を掛けられていても、コラボに踏み切れなかった過去があった。

それでも変わろうと思い立って、学力王には手を挙げて。まずは花依と縁が出来て、そこから2期生のツナマヨとクラシーとも交流が始まって。

 

視聴者側から不仲説まで出ていた1期生VTuber、プロミネンスと宇宙のコラボが実施される運びになったのはお見事でした。

……突発コラボをねじ込んだ関係で仕事が増えて、その原因となった埋め合わせをすることに奔走することになった花依はお疲れ様です。VTuberが書類仕事手伝ってるのグレーゾーンらしいですが、まぁ関係者っちゃ関係者だしな……。

そうやって自分の居ないところでもてぇてぇ絡みを作ったりしつつ、「学力王」では企画を盛り上げつつオチまで持って行ったので、最後まで花依琥珀というキャラを貫き通してて楽しかったです。

やがて黒幕へと至る最適解2

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「君たちは夢を追い続けて、僕はその姿に恩人の姿を重ねて興味を惹かれて、空想などと言われていた『竜王』の実在を証明してみせた。そんな僕たちの意志が混ざり合ったことで、理想であった最善の結果を得ることが出来たと僕は考えている」

そんな一連の流れに対して最適な言葉がある。

「――そう考えた方が、『ロマン』のある話だと思えるだろう?」

 

主であるアルテシアを救うために未来から回帰したカルツ。

エルフの国の王室傍系フェイユを救ったことで、アキメネスという家名と子爵位を得ることになった彼は、次の標的として神聖魔法のサンクトゥス公爵家を選んで。

三百年前の在り方を知ってる『同志』と接触したり、回帰する前に集めた情報をもとに竜人たちの伝承が真実だと明らかにしたり、色々と活動をしています。

 

個人的には贋金を作ろうと工作をしていた家に先んじて贋金作ってたのが笑えました。

贋金に気付いて調査に乗り出したサンクトゥス家の人員に狙いを定めた、カルツが自分たちで状況をコントロールするための手段だったわけですが。

この一手、贋金作ろうとしてた領主たちの出鼻をくじいて、「公爵家の調査が来たという風評」を盾に交換条件を引き出していたり。

カルツ、目的のために無駄な行動をするつもりは無さそうだなぁというのが伺えると言いますか。

商人を舞台に引っ張り出すために賭け事に興じてましたが、その時のことすら今回の行動に上手く使っていってるのお見事過ぎる。

 

とはいえアルテシアの病状はだんだん悪化していく状況でもあって。

かつてはカルツが傍で支えていましたが、今はそれが出来ない。なので、ノエルという新キャラを味方として送り込むことにしたわけですが。

暗殺集団「無貌」。ルチアが実働を一人で担っていたわけですが、サポートしてくれる協力者というものはいて。ノエルはその協力者の一人で……アイゼンフッドとは違いますが、誓いと誇りに通じる「流儀」を持つ真面目な子だったのは良かったですね。

……いやまぁ、シリアスも出来るけど、なんか普段は割とポンコツというかかなり自由で、メイド役で来たはずなのに、逆に面倒みられている面白枠でもあるんですが……。

 

「聖女」としての資質を見せつつ、言動はチンピラで、火種を生き生きと増やそうとするようなルシリアは……まぁその言動の果てにああいう結末になるなら、因果応報という感じはある。

秘密裏に掌握したオルナメントとは違って、今回は完全にトップを排除した上で首を挿げ替える方向で決着させたわけですが。それぞれ別の形で、そうなってもおかしくないように交錯しているので、他の4家にはまだカルツの暗闘に気付かれてなさそうなのはお見事。

 


インフィニット・デンドログラムSP1 南海編〈上〉

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『こんなミリオタ野郎を相手にするのは、やらなきゃいけないことじゃない。ただの雑事で、邪魔なだけで、何の意味もない。あのクジラやモドキも同じことだ』

相手が〈超級〉だろうと同じこと。

ただの邪魔者に過ぎないと、シュウは言う。

『だから、ここは俺でいい。邪魔者の相手は……俺の仕事だ』

 

アニメブルーレイの特典として書き下ろされた南海編。

それに挿絵と加筆修正を加えて出版されることになったSP編。イラストレーターを本編とは異なる黒田ヱリ先生にすることで、本編と同時発売していたり海道先生大変だったろうな……。南海編はまぁ元からあったものの加筆だったり、諸般の事情で時間が空いたというタイミングでやっていたんでしょうけど、それにしたって。

さすがに本編23巻とSP1下巻の発売タイミングはわかれるみたいですけど、本編あとがきに寄ればEXの続編にも着手していく予定とのことで、楽しみにしたいですね。

 

さて、南海編本編ですが。

私はブルーレイまで手を伸ばせなかった組なので、こうして加筆修正しての刊行をしてくれたのは大変ありがたい話です。

海とあるとおり、今回の舞台となるのは大陸南方にある海。そして、海に生きる国グランバロアに属する船団の一つです。

今回焦点があたるのは冒険船団、あるいは開拓船団と呼ばれる船団。彼等はグランバロアの国土となり得る土地を探して未知の領域を探索していく、グランバロアでも花形というべき存在だったそうですが……。

 

海に危険なUBMが発生したことを受け、冒険船団の長は彼にできる準備を全て整え戦いに挑み……敗北。

それはUBMがただのUBMではなく、イレギュラー化した存在だったからで。

父の復讐を果たそうと、国の方針に抗って出航した少女が冒険船団の暫定トップであるリエラ・グラフロント。

彼女の前に現れたのが、故あって海上を漂っていたクマニーサンこと【破壊王】シュウ・スターリングだった、と。

その出会いにはイレギュラーに対抗できる超級であり、近くにいたこともあって管理AIが介入した結果だったようですけど。

 

イレギュラー対策に乗り出す前に、なんかグランバロアの超級と戦う羽目になったりしているの、笑っちゃった。多分こんな感じであちこちで超級とバトルしてるんだろうなぁ……。そりゃあハンプティも脳焼かれて、彼の冒険を観察するなんて私情に則った行動に出るよ。面白観察対象過ぎるもの。

グランバロアのミリオタもまぁさすが超級って癖の強さでしたが。自分のやりたい事を優先しつつ、最後は少し格好いい姿見せてくれたりもして、良かったですね。

インフィニット・デンドログラム22 星辰揃いしとき

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「次のゲームを始める前に、前のゲームを終わらせなければならない。そして終わるときは、互いの健闘を称えるものさ。ゆえに、そのための言葉を教えよう」

(略)

「――Good Game。人と遊ぶなら、この言葉は覚えておきなさい」

 

WEBより早く【光王】エフが登場した影響で、エフの妹であるジーの登場も早まった、とあとがきに書かれていましたが。

戦争に向けたトーナメントに、カルディナの超級であったはずのアルベルトが乗り込んでくるなど、予想外の事態が引き起こされる中で、レイは来訪が早まったジーと対決する羽目になっているの、相変わらずの運だなぁと思いました。

 

カルディナの議長ラ・プラス、本当に未来が見えている……と見紛う位の演算で予測を立てているみたいですけど。一つの行動にいくつもの意味を持たせているのがおっかなすぎますね。

超級として貴重な戦力であるアルベルトを外国に送り出したのは、今後制御できなくなる可能性が高いから。そして、決闘に参加させることで彼の手札は晒されるので、アルベルトの価値を多少とは言え下げることもしたし……王国がやりたかった、他国に移っても良い準超級をスカウトして、王国の戦力を増やさず自国の利益を作ったりとか。トンデモない。

 

しかし彼女が計算した時点で存在しなかった、まだこの世界に参加していなかった新人プレイヤーは彼女の計算を狂わせるみたいで。レイがこれまで経験してきた事件のいくつかの裏にラ・プラスが居たと明示されたのは、その手の届く範囲に驚かされましたけど。

ラ・プラス、管理AIを「異邦の無限」と称し、夫と2人ならそれにも勝てると豪語したりそこが知れない。レイが王国所属なので、王国の戦力削りに来てる彼女達の事、どうにも好きにはなれませんが。

大賢者、ハイエンド、ラ・プラス、管理AI。この世界、暗躍してる勢力が多すぎて、いろんな思惑入り乱れてるから、今更と言えば今更という説もある。

 

 

書き下ろしパートであるジー関連のエピソードですが、表紙にもいるようにジュリエットが結構絡んでくれたのは嬉しかったですねー。

ジュリエットが登場する影響で、チェルシーやマックスといった決闘組との絡みも発生してましたし。

……ジーが変態の巣窟であるレジェンダリア出身なので、ランカーのイメージが汚染されているのはちょっと笑った。

いつも通り格上との戦闘ではありましたが、諦めず足掻いたレイが変わらず主人公していて良かったですね。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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