気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

HJ文庫

セブンスターズの印刻使い 1

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「――アスタには、何かを諦めるなんてこと、絶対にできるわけないんだから」


小説家になろうの書籍化作品。
最近、WEB小説の感想とかさっぱりかけてないんですけど、ちまちま読んではいます。
このシリーズもそうやって新規開拓している中で見つけた作品で、一気読みしたんですよねぇ。
読みだした時は魔競祭がやっている時でした。
……今見てきたらそれもう半年以上前の更新で、ちょっと愕然とした。
少し前にストックないけど連続更新するよ! とかやってたり。最近はペース落ち気味ですが、それでも、更新が止まってないのがいいですねぇ。
書籍化決まると更新停滞する作品とかありますし。まぁ、これはストックがそれなりにあるから、合間で何とかやってくれないものかと思いますが。

閑話休題。
本編の話ですが、かつて最強の一角と謳われた伝説の冒険者チーム。
七星旅団。その一人であった主人公は、迷宮で呪いを受けて力に制限がかかっている。
なんとか解く手段がないものかと、魔術学院に入学して、色々と調べものをしているわけですが。
過去を知る知人に、協力を求められて、ある試験に協力することに。
そこからすべてが動き始めるわけなんですけれど。

WEBの方読んでいると、この試験、アスタが居なかろうと、どうにかなっただろう、って気しかしませんな。
自らの意思をもって魔術と為す。
魔術師として、彼ら彼女らは学生レベルを超えて優秀っぽいですし。
それぞれが、結構な背景背負っていますし。
いつか呪いが解けたアスタの全力戦闘とか見てみたいものですが、いつになるかなぁ。

今回は序章も序章、というところで。
事件は起きていますが、目的は明らかにならず。
ただ裏で蠢いている連中の一端と顔を合わせただけにとどまっていました。
ここからどんどん面白くなっていくので、結構オススメのシリーズですね。


ワールドウォーカーズ・クロニクル 異世界渡り英雄記2

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「この男は基本的に自分勝手で自己本位で享楽的なロクデナシです。ロクデナシはロクでもないことしか言いません」
「ロクデナシにも傷付く心くらいはあるんだけどなぁ」
「ほう? それは初耳だ。ならもっと傷ついて泣いてみろ、ロクデナシ」

ヴィルたちがたどり着いたのは、日本の東京。
けれど、ここは現実の東京とは違って、異世界転移装置である塔が実在していて。
最も、全ての人がそれを見ているってわけではなくて、可能性のある、わずかな人々が見える程度だとか。
研究機関はあるようですが、それは「見えないものを見る」為に各種装置を駆使してのもので、亀の歩みのようで。

転移によって、塔が見える少女の家に押し入ってしまった三人。
独り暮らしをしている少女の保護者に連絡はつかず。
転移の衝撃が、爆発事故のような様相になっていて。
……そりゃあ、日本で爆発騒ぎがあれば警察出動してきますよね。
ヴィルたちは彼女の提示した『黙っていてくれればしばらく面倒を見る』という取引に応じて、とりあえずの宿を得ていましたが。

状況がよくわからないだろうに、取引を持ち掛けられるあたり、中々このナナミという少女は肝が据わってます。
ヴィルは自分のしたいことしかしないロクデナシだし、ミュートは喋らないうえにおおよそヴィルについていくだろうし。
エリザにしたって基本常識人でも、ヴィル絡みだと突っ走るからなぁ。
ここで頭脳担当出来るキャラクターが出てきたのは幅が出ていいんじゃないかと。
……ま、彼女も塔が見えている時点で、ヴィルたちの同類候補なわけで、途中、同類に昇格してしまいましたが。

意外と早くヴィルの家族絡みの情報が出てきたなぁ、という感じですが。
それ以上に、この塔に関しての謎が深まった感じもあるわけで。
このペースでロクデナシが増産されていくと、「なぜこの異世界たちは無事だったのか」ってぐらいの展開になるんじゃないかと思っているんですが。
少なくともナナミはヴィルたちに価値観ぶっ壊されて行動起こしてしまったわけで。
割り振られたコードからすれば、旅人は多くはなくとも、ある程度はいるんでしょうし、あちこちで騒動起こしてると思うんですがねぇ。
実際、今回も最後にまたひと騒動怒りそうなネタがぶち込まれて、ヴィルがどうするのか今から楽しみなんですが。


ワールドウォーカーズ・クロニクル 異世界渡り英雄記

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「だけどな、おれが力を尽くすのはおれの腕が届く距離までだ。名前も顔も知らない誰かさんの為に働くなんてぞっとする。おれはそこまで責任を持てやしないし、責任を持つべきでもない」

天まで届く塔が存在する世界。
ここでは、その塔は神聖なものとして崇められ、教会によって管理されていた。
御神体として塔への巡礼が盛んにおこなわれており、教会に属する騎士はその護衛を行うことも多かった。
それは、人類の天敵である、獣頭類という異形の存在が、人を襲うから。

教会騎士の中でも英雄と呼ばれる実績を持つヴィル。
しかし彼は、塔の存在を疑問視していた。それは母からの教えというものもあったし、神の教えが行き届いているはずの教会上層部は分かりやすく腐敗していたのも一助ではあるでしょう。
任務にあたっていたある日、塔が輝き、ヴィルは一人の少女を保護する。
そうして話が、動き出すわけですね。

塔は神の創造物などではなく、何者かがもたらした、異世界移動装置。
教会上層部は、それを隠匿し、関係者の処理まで行っていた。
ヴィルはもともと、教会騎士の地位に執着していなかったので、これ幸いと邪魔立てする奴らを蹴散らして、旅に出てますが。

教会騎士の同僚であったエリザが心配していたように、ヴィルはかなりの自由人ですよね。
自分のルールがあって、それを護るために行動しているから、結構勝手だし。
周囲の人は割と振り回されていたんじゃないかなぁ。わりとクズだと自分でも認識しているあたり性質が悪いですね。
でも、綺麗なものに感動し、一宿一飯の恩義に報いようとし、出来る範囲での人助けもやっている。
自分の心に正直で、わりと判りやすいので、なんだかんだでヴィルの事は嫌いじゃないです。
ただ、この主人公一世界に一人女作りそうな勢いで、そこはちょっと怖い。
影響を受けた名家のお嬢様が追いかけてきちゃったりしてますし、かなりあちこちに飛び火しそうですし。

面白いのは、塔の存在を中心に、異世界を渡り歩く物語になっているところでしょうか。
異世界ものって言うと、異世界転生とか異世界召喚とかが増えてますが、こういう複数の世界を冒険する展開って言うのは中々ない気が。
上手く運べばいろんな世界を見られるっていう事で、結構お得な気もします。一つ一つの世界はあっさり風味ですが、割と面白かったです。


グラウスタンディア皇国物語4

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追い詰められた人間の退路を断ってはいけない。戦場に於いても逃げ場を失った兵は何をしでかすかわからない。だからこそ退路を作り、相手に譲歩させながら負けを認めさせる。それはほかでもなく軍師としての初歩の教えであった。
(略)
今は亡き師の教えにクロムは漸く安堵の息を吐いた。


敵の港は難攻不落。
正面から打倒しようとするならば、皇国が今動員できる兵をすべて投入しなくてはならない。
そんなことはできないから、策を以て落とそうとするわけですが。
前準備として、ラトルグへ渡り、色々と手を回すわけですが。
あらすじに「大博打に打って出る」とはありましたが、まさか本当に博打に手を出すとは……

それでいいのか、軍師。
敵に策が見破られることを前提とした、前回の作戦といい、クロム、軍師としてかなりクレバーというか、チャレンジャーというか、頭おかしいというか。
ファウラが手わざには長けているから、普通にやって負けは無いでしょうけど、これ万一負けてたら国庫に穴が……っていうか、これから戦だって時に作戦に組み込んだとはいえ賭け事とかしてんなよ…。
身一つで、敵対勢力の信を得たコウソンの方が実は主人公なんじゃ。

伏線回って事ではありますが、ちょっと欲張りすぎじゃないかなぁ。
コウソンの事情を合間に入れていることと、今回別行動のガジェルの話が多かったっていうのもあって。
一つ一つが結果を出してるのに、駆け足って感じがあります。
端的に言って、物足りない。次回大きく動きそうですし、それ次第では評価下がるかもなぁ。


光刃の魔王と月影の少女軍師

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「……生命を削っているようなものじゃないのか? その技は」
「俺は死にたがりじゃない。身に着けた技のすべては生きるため……護るためにある」

第8回HJ文庫大賞。
……清々しいまでに微妙。キャラ多いし、展開早いし。
2~3巻かけてじっくり書いていたら、あるいは楽しめたのかもしれませんけど。

軍事大国アルマージア帝国に属する、天才少女のアルシェ。
侵攻された、エルセリア王国には六魔将という実力者がいて。
主人公のリクトは、その六魔将の一角で、不可能と言われていた二種の魔法を扱う神童で。
と、いろいろ盛ってるなぁ、という感じ。

強い強い言われてる六魔将の強さがはっきり分からない。
戦をしている、敵国の将軍同士である割には、リクトとクルドの対応が気安いというか。
女性陣に好意を向けられているらしいリクトが、どうしてそこまで想われているのかっていうのも、正直分からない。
全体的に見て、キャラクターが魅力的に映らない。
洗練されてない。新人とはいえちょっとこれはなぁ、という感じ。
もし続きが出るようでも買いません。


グラウスタンディア皇国物語3

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「たとえ最後の一兵になろうとも、自らの兵を信じ続ける。それが我々皇族のすべき役目なのだ。自らの民を、自らの兵を信じず、人の上には立つことは出来ん。結果はその後の事なのだ」

絵師が変更。
鵜飼沙樹さん本当にどうしたんですかねー。やっぱり仕事抱えすぎたんだろうか。
兵数に勝るリジアからの侵略。クロムは策を尽くし相手の兵を削り、グラウスタンディアのにとって優位になるように進めていきます。

本当にクロムが有能すぎてなぁ。他の皇国七聖も活躍はしてるんですけどねぇ。
「リジアの頭脳を信じている」からこその策。こちらの策略が見透かされることを踏まえて裏をかく。
敵がさらに一歩進んで、裏側を読んで行動したとしても、対応できるように手は打っていたようですけど。
リジアの上層部は大分腐ってましたけど、その中で、必死に手を尽くして、祖国のために働いていたのに、もくろみ通り動かされていたっていうのは中々痛いだろうなぁ。
それによって失ってしまった者もあるわけだし。

ただ、リジアは今回の件で、貴重な人材を失ったけれど、それ以上に腐った人材をうまく減らせたとも見えます。
その上でさらに、有能な若手は生き残ったし、クロムの手を知ったから、次の侵攻があったら対応してくるでしょうね。
そう考えると厄介な相手を活かしてしまったな、というところですが。
クロムが手を休めず、リジアの軍事拠点を責めようとしているようですが、今度はいったいどんな奇策を用いてくるんでしょうか。

2巻から合間で描かれている他国の様子が気になります。
ラトルグ国のコウソンとレイリンの話。
彼女たちが主人公でも、一本ストーリ―を作れそうな感じが。
わざわざ状況を描いているっていうことは、その内クロムたちとかかわってくるんだろうなぁ。

ジルバ皇がダガットに見せた呪い。
それを見てなんか思いっきり箍が外れたみたいにダガット奮起してましたけど。
一体彼は踏み込んでしまった先で何を見たんですかね。
あのあたりが、グラウスタンディアの内憂とならなければいいんですが……難しいかな。


グラウスタンディア皇国物語2

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人が生きるか死ぬかの境界線は、肉体よりも精神が左右する場合が多い。
死に足を突っ込んだものが、最後に踏ん張り生にしがみつく。それが出来なければ、戦いで生き残ることは出来ない。それがラングの言う『根っこ』だった。


海賊に扮して罠を貼っていた他国の海軍。
その策を見破り、見事クロムたちは勝利を収めるわけですが。
敵地での工作を行う連中が、身元を明らかにするようなものを持っているはずはないですよね。
大本。敵の頭と会談を持つことになり、皇太子や、皇女が出ることに。
当然、クロムも同行してあれこれ画策するわけです。
リュリュという異質な手を借りてる場面があるとはいえ、クロムが優秀過ぎて怖い。
それだけに、エロ本持っているとか、抱き付かれた相手を振りほどかないとか、年相応にそっち方面に興味があるあたりで、なんか人間らしさが出てるようにも思うんですけどね。

呼んでいて思うのは、味方側。グラウスタンディア皇国は、小国だってことですよね。
けれど、戦争をたびたび行っている。そのことについて、皇太子は何か秘密を知っているようですけど。
不利な状況だからこそ、クロムたちの活躍で逆転していくのがドラマになるわけですが。
リジアの十二貴族が大分腐っていたり、今回描かれていた他国の様子からしても、骨肉の争いに発展したりとドロドロしているような状態。

だっていうのに、グラウスタンディアには、タレントが揃いすぎてませんかね。
他国からは警戒されているが、自国の秘密を知りその上で展望を持って行動している皇太子。
自分にできることをしようと行動している皇女。
そのもとで行動していた皇国七聖。クロムが幼少期世話になったラング将軍もそうですけど。
劣勢にあるのはわかっているだろうに、折れる気配がない。
地質学者な七聖は気象学者な兄と、いろいろ気になる現象を観測しているようですし。
この大陸、どこか、というかあちこちおかしいんじゃないか、って思える。
いやまぁ、フィフニス陥れようとしている下種もいるっちゃいるんですけど。このへんは、小国だからこそ、なんだろうか。

それはそれで気になるところですけど。
敵国との会談に乗り出して、のらりくらり交わされるから、証拠を突きつけた。
さぁ、有利に交渉を進められるか……と思ったら、あっさり自白して宣戦布告してくるとか。
リジアも相当頭沸いてるな。いや、あの状況では最善とは言わないまでも次善の手ではあったようですけど……せめて、もうちょっと団結できるようになってから行動起こそうよ、と思わないではない。
単純に数は力なり、でゴリ押しできる地力があるからこその、傲慢なんですかね、このあたり。
敵の動員は合わせて30万に迫ろうかという危機的状況で、クロムがどんな策を見せてくれるのか。
中々楽しめる作品だと思います。積読に埋めてて、ようやく読めた感じなんですけどね!
面白かった。


邪神攻略者の戦技教導 部隊結成篇

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躊躇いなど、あるはずもない。
修羅と知りながら自らの意志で踏み出したあの日から。
自分の心は、既に決まっている。


まぁ、タイトルから分かる通りの話ですけど。
かつて世界を破滅に導いた邪神。
ありがちなことに、魂が滅びず、いつか転生すると言い残して死んだ。
その邪心を宿した少年が、修練の結果、邪神の誘惑を克服し、その力を振るえるようになっていた。

邪神が攻略されても、侵獣という災害は残っているようで。
それに対応するために活動している円卓の騎士団っていう機関もあります。
主人公は、その機関に伝手があって、所属することに。
ただ、問題ありとみなされて戦闘に出せない訓練生たちの指導役という形でしたが。
最近こういう、評価方式と会っていなかったりする問題児たちと、実力のある教官という組み合わせの作品が増えているように思います。
ブームなんですかねぇ。

進退強化の能力だったり、個々人で武器を作る能力があったりするわけですが。
銃を具現化したはいいものの、火力不足に悩む少年。
特殊な能力を持つ武装を出せる物の、過去の失敗からトラウマを持っている少女。
実力はあるが、それゆえに他人を見下す態度を取る少女。
などなど、問題児にも色々いますが。
この三人をチームとして動かすことで、個人で戦うのとは別の可能性を見せる。
教官としては結構優秀なのかなぁ、とか思いました。

しかしまぁ、敵側に回った人々の話だったり、候補生たちに因縁つけてきた騎士の話だったり、ちょっと色々盛りすぎかなぁ、と思わないではない。
シーンが多いせいで一つ一つが大味な感じ。
悪いとは言いませんが若干物足りない。


魔法剣士のエクストラ

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「――裏切り者(ジューダス)か。しかし、人が犯しうるもっとも罪深い『裏切り』とはなんだと思うね?」
(略)
「それは『自分自身の心に対する裏切り』だとこの私は考える。ゆえに、その呼び方はいささか心外だな。私は帝国を裏切ったかもしれないが、自分の心は何一つ裏切ってなどいないのだから」


俺TUEEEな主人公が、落ちこぼれというかそれぞれに問題を抱えた生徒を鍛えて、大会優勝を目指していく話。
ピーキーな能力を持った生徒を、一芸特化な感じで鍛えていこうという方針なのは、ま、お約束。
しかし、主人公自重しないなー。

お色気シーンがほぼ風呂覗きっていうのはどうなんだ。いや、おおよそ事故ですが。
設定が大量に積まれているのに、そういった場面が間に挟まるから、勢いがない。
敵も、誘導しようっていうのが大体見えて、あぁ、じゃああっちが敵なんだなぁ、とわかって拍子抜け。
で、敵が強いなーと思ったら、されに上乗せしてくるとか、もうぶっ飛びすぎですな。

若手の育成と、その成長の発露。
そして、同時に進行していた事件の調査と、末路。
両方ともどっちつかずで終わってしまった印象かなー。
最後結局主人公の力押し一択みたいな感じだったじゃないですか。

全体的にルビ盛りだくさんの、厨二心満載、設定過積載なあたりが魅力なんでしょうか。
この手の作品は別に嫌いじゃないんですが、なんか文章が合わなくて、読みにくかった。
続き出ても買わない気がする。


紅炎のクロスマギア~狂える竜と災厄の魔女~

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ヨアキムは選択した。選んだと自分では思っていたが、もしかたしたら答えははじめから決まっていたのかもしれない。


借金返済に追われる魔術師のヨアキムは、龍に閉ざされた牢獄都市へと向かう。
牢獄に囚われた魔女を開放するという依頼を果たすために。
杖を使った魔術が、独特のものみたいなんですが、その辺りの説明がもう少し欲しかったかなぁ。

あとは・・・ギスタークが分かりやすく屑でいっそ安心しましたけれど。
しかし、あの程度の俗物が偽王として君臨出来てる、って三眼王の血統はいったい何をしていたのか。
アレで5代目だという事ですけれど。
初代は、強力な仲間を従えた開祖みたいなもんだから、問題は・・・まぁ敵視とかはされてたろうけど、ないとして。
ギスタークがどうやって偽王となったのか。実は父親の代から入れ替わっていて、それを継いだ、とかが愚物の君臨としては穏当なコースかと思うんですけど。
その場合は、三代目か四代目あたりが怪しいのかな。流石に、初代の次、二代目から入れ替わりっていうのは無理なんじゃないかと。できたとして、真の血統が今まで残ってるっていうのも考えにくいし。

しかし先代までは質実剛健だった部屋を、趣味悪いものにしたとも書いてありましたし。
そもそも王が入れ替わるような政変があったというのに、気が付かれない者なんだろうか。
後継者の家族は、息がかかっていた相手に殺された風ですし、まるっきり知られていないってわけでもなさそうですけど。王家の親衛隊である9人の神将とかは疑問に思っていないのだろうか。
指示に従っている面々が居るっていうことは、真の王と誤解しているのか、あるいは神将自体が既に腐っているのか。
これ以上ないほどわかりやすい紋様があって、それによって得られる力があるなら、それを鑑定する道具とか当てもよさそうなものですが。

王の血筋と力が疎まれた、にしてもたがたが5代――5代目が偽物だと考えると実質4代ですか――で腐り落ちるような組織で国を運営できるのか疑問が残りますけど。
腐った官吏が利権を得るために、絶大な王を追いだした・・・いや、竜をも従えるような王をそうやすやす追い出せても国成り立たないと思いますけど。
いくら初代のなした業とはいえ、4代でそこまで血も能力も薄れないでしょう。
イスタ歴、という暦で847年なのに、5代目というあたりに答えがあるんですかね。継承できる人物が限られている、とか。
・・・あぁ、そもそも紋様が封印されていて、力を発揮出来なかったから、力が脅威とならず追放された、っていうパターンもありなのか。
イビスゲイルを狂った状態とはいえ支配できていたという事は、「偽の王紋」が存在して、それで騙されているのか。
うーん、案外考え出すと止まらないな。

・・・ギスタークがいかにして王になったのかが、この作品の一番の謎かもしれません。
現状だとわからないので、悪魔と契約して、立場を入れ替えたとかで良いような気がしてきました。
この世界悪魔いるのか知らないですけど。ただまぁ、その手の願望をかなえた結果って悲惨な道しか残ってないですけどね。

3か所を3人で封印しているんだったら、一か所ずつ解けていくようにすればよかったのに。
額の紋章も、一人目で出てくるし。
まぁ、それを言ったら手の甲の紋章が、なぜ既に出ていたのかっていうのも謎ですけど。

こう、全体的に嫌いじゃないんですけど、テンポが遅いといいますか。
盛り上がりが足りなかったかなぁ、と思います。
最後の方に、真の王と偽の王が~云々出てきますが、なんか、インパクトが足りないというか。
一冊丸々プロローグみたいな感じで、今回は全体的に盛り上がりが足りない。
王道で、外れではないんですが、もうちょっと振り切った話を読みたかった
 

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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