気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

I-IV

86―エイティシックス―EP.4 ―アンダー・プレッシャー―

ico_grade6_4
「わたしはそれが――とても哀しい」

 

ついに再会を果たしたレーナとシン。

二人の距離を測りかねている交流が、微笑ましくていいですねぇ。

エイティシックスを生み出した共和国への風当たりは激しく、レーナも正式に着任するにあたって洗礼というか報復を受けてました。

放っておいて爆発されるよりは、監督下で発散させた方がいいという考えもあったようです。

 

それを「自分が受けるべき罰」と行ってしまうのがレーナの優しさというか、非情になり切れない部分で。

シンはそれを否定した上で、以降は「権限と責任がある」から叱責するように

シャワー中に通信をつなぐ所とか、その後の交流とかは、ちょっかい出したくなるのも分かる初々しさがありました。

 

とは言え、可愛らしく思えたのも最初だけで。

今回は、共和国の北域奪還作戦。エイティシックスの生き残りを主力とした打撃軍を構成し、赴くことに。

しかしまぁ、共和国の生き残り。従軍を志願したレーナ達のように、危機感を持っている人も居れば、救いようがない人もいて。

憂国騎士団は、ひどかった。絶句しましたね。まだ、あんな思考でいるか。そんな人が代表として、指示を集められるのか。

エイティシックス達は迫害もいつもの事と聞き流していますが。同時に白ブタとも口にしていて。最後レーナが抱いた哀しみに、共感してしまう。

削ぎ取られた、という表現が生々しくて、痛い。

 

共和国の副都奪還作戦。

歴戦のエイティシックスが多いので、順調に進んでいる用にも見えましたが。

レギオンの狂気が、恐ろしかった。亡国の命令通りに戦闘行動を続けている、正常な機械だともいえるでしょうが。

機械だから、情がないから、効率を追求できる。実験の様が、その結果が。忌々しいくらい。

連邦の上層部が、エイティシックスを剣として重宝して、慰安の手配とかしてくれてるのがせめてもの救いでしょうか。剣や猟犬の類として評価はしてくれてる模様。

悲劇調の放送をしたり、決して理想郷ではないけど、それでも共和国よりはるかにましなんだよなぁ……


86―エイティシックス―Ep.3 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈下〉

ico_grade6_4

「お前の道だ、お前が決めろ。ただ、これでも道連れだからな……しんどいっていうなら、支えてやる。きついってなら、休んでろ。だから、」

()

「一人で戦おうとすんじゃねえ」

 

レギオン、機械のくせに学習能力が高すぎる。

自身の設計上の限界を代替品を見繕って乗り切ってますし。そうやって獲得した意識を持つ機体によって作戦の難易度が上がるという話は出て来てましたが。

それにしたって、という被害状況。

 

長距離砲撃によって前線は瓦解し、試算によれば人類生存圏の首都すら狙える性能だと。

空から挑むこともできないため、出された結論が――シン達による敵地縦断。それによって敵の主砲を破壊するというもので。

連邦以外に生き残った国家との連絡が復活し、協力作戦を実行できたのは不幸中の幸いでしたが。

まさしく総力戦の様相を呈してきて、それでもじりじりと削られていく戦況には震えた。

 

参謀たちの非情の決断が。憤ってくれたグレーテの、それでも計れなかった彼らの誇りが、重くのしかかる。

「まあ、でも、一番やばいとこに僕達が選ばれたのは、僕達がエイティシックスだからだよね。それだけはちょっと……寂しいかな」

作戦から退くことはしない、と断言しながら零したこの言葉が切ないですね……



86―エイティシックス―Ep.2 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント―〈上〉

 ico_grade6_4

「たとえ死ぬのに変わりはないとしても、死に方は選べる。いずれ死ぬならその最期まで戦い抜くのがおれ達の選んだ生き方です。それを――奪わないでもらえませんか」

 

行けるところまで行って死ね。

非道の命令に従い、旅を続けるシン達はついに隣国へとたどり着いて。

シンの異能があるとはいえ、かーなーり危ない所でしたけどね。

そうしてギアーデ連邦に保護されて、自由を与えられて……それでも彼らは戦場に戻ることを選んだ。

 

暫定大統領のエルンストが、いいキャラ。

この戦乱の時代にあって良い保護者であろうとしてくれる彼の善性が、染み入るようです。

暫定とはいえ代表を務めている以上、一筋縄ではいかない面も持ち合わせてそうですけどね。

「得体が知れない。万が一。そんな理由で子供を殺さないと生き延びられないなら、人類なんて滅んでしまえばいいんだよ」。シン達ですら気圧された、あの場面には震えましたね。

 

日常パートでそれぞれが、自分なりに時間を潰している様子は、眩しかったです。

叶うならば、そのまま日常に戻っていってほしかった。けれど、そう簡単に戻れる彼らでもなし、というのが切ない。

連邦は共和国よりもまともなトップや軍人が居て、環境がマシなのは何よりですけどね。

それでも保護の道を選べたのに、戦場に戻って来た彼らに対する風当たりは強くて。その戦いぶりの異質さが際立つというのもあるんでしょうけど。

シンの戦いの苛烈さが。メンテナンスもろくもしないで動いてる機械のようで、その内壊れてしまいそうで怖かった。



86―エイティシックス―

ico_grade6_4

「……だから、あなたは〈葬儀屋〉なのですね」

『それもあります』

 

気になって買ったくせに積んでたんですが、一読して、「なんでもっと早く読まなかったんだ!」と嘆く位には面白かったです。

読み終わって翌日には残りの巻全部買ってきました。少し懐寒くなったけど、満足。

 

隣国の開発した無人機レギオンによる侵略を受けている共和国。

抵抗しなくては死ぬ状況で、共和国がとった戦術は最悪の極みともいえるもので。

85区に人民を集約し、入りきらない者を切り捨てた。彼らは存在しない86区の住人。

エイティシックスの烙印を押された、少年少女を搭載した「有人の無人機」を持って、共和国は戦線を維持していた。

 

人はここまで醜悪になれるのか、みたいな闇がそこにはあって。

ただひたすらに震えた。有色人種を追いやって、自分たちは塀の中で安穏と日々を過ごしている。パーティーなんか開催して、暢気なもので。

現状を打破するような光明も見えない道を、ただひたすらに進んでいる。

特殊通信で補佐する軍人もいるものの、職務に忠実な人も少なくて。詰んだ国って言うのは、こういう事を言うんだろうなぁ、という絶望が見て取れる。

 

P126のラフィングフォックスの叫びは、かなり痛かった。

読んでいるコチラにも苦しさが伝わってくるようで。……それでも読むのを止められない、熱量が同時に存在しています。

逆境と呼ぶのすら生ぬるい状況で、それでも日々を生き、戦い、行き着くところまで進んだ彼らの生き様に見惚れました。


プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

メールアドレス
kimama.tyaka@ジーメール なにかご依頼等、特別連絡したい事柄はこちらにお願いします。
メッセージ
アーカイブ
カテゴリー
記事検索
最新コメント
  • ライブドアブログ