気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

TOブックス

ゲーム世界転生<ダン活>~ゲーマーは【ダンジョン就活のススメ】を<はじめから>プレイする~12

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「みんな素晴らしい活躍だったな。1週間みっちり練習した甲斐があったぜ。これで俺たちも憂いなく攻勢に出られる」

 

ついに始まるクラス対抗戦。

戦闘課はアリーナで複数クラスが入り混じるトーナメント形式の「拠点落とし」を行うわけですが。

ゼフィルスが代表として引いたのは第一ブロック。1組・2組・15組・45組・58組・99組・116組という、高位職が振り分けられた50組までの中から5クラスがぶつかる激戦区だった。

2クラス勝ち抜き方式なのもあって、例年は交渉で中級職クラスが同盟を組んで高位職クラスを落とすなんてことも起きていたみたいです。

 

……ただ、ゼフィルスと彼に鍛えられたエデンメンバーはそんな常識に縛られるような存在ではなくて。

リアルになったことでより貴重さが増しているっぽい「上級転職チケット」を、一年生のこの時期に、複数名に使ってるなんてことはまぁそりゃないんでしょうけど。

上級転職を果たしてなくても普通に勝てただろうなぁ……という信頼がある。

ゼフィルスは全力で楽しむために、準備に余念がないので上級職にならないルートは無いでしょうけど。

今回は巻末の番外編が「ゼフィルス〈上級転職〉準備進行中」で、転職用のアイテム集めに奔走していた時のエピソードでしたし。暴走特急ゼフィルスに、セレスタンのサポートがあったらあぁなりますわ……。

 

中級上位のボスの召喚盤、上級転職を果たしたメンバーが諜報、戦闘、防衛と各々の分野で成果を上げて。

50人近い同盟に攻め込まれても守り切ったシェラ、味方だと実に頼もしい。未発見ジョブでそれだけの強さを見せつけられた人々の心境は穏やかじゃなさそうですけど。

偵察役として山上に座り込んで眷属猫傍らにいるカルアの挿絵とかも可愛かったですよね。

そして1組が大暴れした結果、タイムアップが常だというクラス対抗戦が一時間掛からないで決着とか言うトンデモ展開になってたみたいですが。相変わらずのゼフィルスクオリティ……。

奴隷に鍛えられる異世界生活2

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「ファスを手放すことはありえません。彼女は僕が守ります」

 

ダンジョンに転移させられたものの、ファスとフクちゃんが居たことで乗り切った主人公の真也。

道中キズアトなんて蔑称を付けられた獣人の女性と出会って、近くにある交易と宿場の町に足を運ぶことになって。

 

冒険者ギルドもあって、そこで登録が出来たのは良かったですけど。

ファスの呪いが解けてエルフという事が明らかになって、彼女を奴隷にしていることを周囲からとやかく言われたりすることもあったり、人の中に行くとどうしたってトラブルが起きますねぇ。

ギルドマスターのおばあちゃんが「先代転移者と結婚した現地人」だったことで、多少の便宜を図ってくれたのは良かった。まぁ「冒険者の基本は『自分の事は自分でやる』」だから、アドバイスとか専属の受付嬢を付けることでトラブルの拡大を抑制する範囲ではありましたけど。

 

交易の町で、キズアトが料理人として働く宿に泊まることを決めたりもしてましたが。

……キズアトなんて呼ばれている通り、彼女の扱いはとても悪かった。料理人として店に貢献はしていたっぽいですけど、女将がねぇ……。

キズアト自身は良い子だったので、真也は奴隷身分である彼女の買取を打診することにして。相場以上の金で頬を叩いて、キズアトを引き取る事には成功。トアという新しい名前を与えて良い関係を築けていたのは良かった。

 

……ギクシャクしそうなものですけど、トア引き取ってからもそのまま普通に宿泊継続していたの神経太くて笑っちゃった。料理人として貢献していた彼女を切り捨てたことで、数日で宿の評判落ちて行ったのは順当ですが、真也たちに文句言ってくる女将も女将だよ……。

真也たちの関係に文句を言ってくる輩も多いですけど、それでもファス達を大事にしようとしているのが良いですね。



ダンジョンマスター班目~普通にやっても無理そうだからカジノ作ることにした~

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「全くお前らは考えが浅い。そんなことだから、お前らはそのざまなんだよ」

 

ギャンブルに目がない主人公の班目隆。

スリルがあると燃える性質で、ヤクザとも繋がりがあるとされる金貸し相手に無謀な勝負を挑み、なんと大勝。負債を与えた金貸しに恨みを勝っているから、殺されてもおかしくない……とは思っていたみたいです。

 

そんな彼は気が付いたら、不思議な空間に隔離されていた。

出口もない土の中、青白く光る球体が存在しており……最初にそこに表示されたのは「ようこそ、ダンジョンマスター様」というメッセージだった。

逃げ場もないしとりあえず出来ることを確認しようと、ダンジョンクリエイト用の機能をいじくりまわして、サポート役の魔物・ケラマを生み出したりもして。

 

ケラマはダンジョンの根幹に関わるような情報についての知識などは与えられていなかったけれど、ダンジョン運営に関する情報だったり、異世界の知識、周辺地理とかの必要な情報については把握していて……。

ダンジョンの維持・拡張に必要なポイントを得る方法として、人間をダンジョン内部に滞在させることや、人を殺すことが必要であること。ダンジョンに挑む冒険者と言う存在や、近くに交易で成り立っている街が存在するといった話。

それらを聞いた斑目は、「ダンジョン」と聞いて想像するような、迷宮の中に罠と魔物が配置されて、最奥でボスが待ち受けているようなタイプのものを作っても即座に攻略されてしまうだろうと判断したわけです。

 

実際、たまたま近くに居た冒険者がダンジョンが生まれる気配を察知して、討伐の為のダンジョン出現待ちをしていたわけですからね。

シンプルなダンジョンを作っていたら、そのまま攻略されていたことでしょう。

班目は異世界知識を使ったり、ダンジョンマスターの権能についての穴を探したりして、カジノとしての機能を持ち、人を長く滞在させることでマナを獲得する方法を考えたわけです。

 

ダンジョン作成にはルールがあって、謎解きを作るのは良いけど「絶対に解けない暗号」なんかはあってはいけない。むしろ「絶対に解法は用意されていないといけない」。「鍵と対になる扉は同じフロアになければならない」とか色々と制限はかかっているみたいですが。

ルールに反するものはそもそも製作が出来ないそうで、上手く抜け道をついてカジノダンジョンを成立させたのはお見事。

 

ダンジョンの機能でアイテムを作成できるんですが、石油素材由来の衣服とか「いま異世界に存在しないオーパーツじみた存在」は高コストだけど、「輸送費がかさんだり、職人の巧みな技で作れはするけど量産は出来ない」類のアイテムは現地価格で買えたり量産可能という抜け道を見つけて、珍しい景品をコスパよく確保していたりと抜け目がない。

 

……ただ、班目は上手くやりすぎたというか。異世界に来てダンジョンマスター生活1年を乗り越えて、ダンジョンマスターの互助会のようなダンジョンソサエティへの参加権を得たわけですが。

同時に八大ダンジョンと呼ばれる、ソサエティのトップから査問会を開くと招集されてしまうことになるわけです。

ソサエティの存在、一年を生き延びれないマスターが居たり、新人を食い物にするマスターもいるから一年生き延びないと教えないそうですが。一年過ぎた瞬間食い物にされるのを回避する手段がないの、なんというかダンジョンルールと同じ穴を感じると言いますか。

一年生き延びた時点で一人前だから後は自力で何とかしろってことなんでしょうけど、その方針とソサエティへの参加権ってバランスとれてないんじゃないかな……。

 

班目はカジノに人を招くために、人を傷つける要素を徹底的に排除して一年間誰も殺していない稀有なダンジョンマスターになったわけですが。

その姿勢を軟弱だと八大ダンジョンのマスターは追及して。……ただ、八大ダンジョンのマスターは八大ダンジョンのマスターで驕っていたというか、停滞していたというか。班目みたいな特殊事例を認められないと彼を破滅させようとして……逆に反撃にあったんだから、永く生きてもあんなものか、と言いますか。

班目の策略は八大ダンジョンの攻略を加速させましたけど、あくまで勢いを増しただけであって、いずれ攻略されていただろうな感はあります。

竜人のマスタードゴスガラは自分のダンジョンに挑んでいた剣士の存在を察知していたけど、その力量を見誤っていたみたいですし。
その「いずれ」を自分が耐えられる期間ギリギリまで引き寄せたのは、班目のツキと策略の賜物でしょうけど。

奴隷に鍛えられる異世界生活

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「そうだよな、わかるよ。しにたくなんてないよな。ごめんよ。わかりきってるよな」

(略)

「僕も、生きたい。死ぬのは怖いんだ。本当に怖かったんだ」

 

両親が幼い頃に蒸発して、唯一の家族だった祖父を亡くしたばかりの高校生、吉井真也。

祖父が経営していた合気道の道場で鍛えるのが趣味だったが、当人曰く才能はなかったとか。

祖父の葬儀を済ませた後、怪しい連中がやってきて両親がのこした借金の為に道場を差し押さえるとか言われて、家からも出て行って施設に世話になれと言われたとかなんとか。

唯一の家族であり心の拠り所であった祖父を亡くしたばかりだった彼は、誰かに相談する気力も沸かず、死んで祖父のところに行こうと思っていた。

蒸発した両親の借金って同居の事実がない親族の遺産なんだし、実際のところ相談して相続放棄の手続きをすれば、家を追い出されるような事にはならなかった気もしますけど。

祖父の葬式関連のアレコレで疲弊したところで、さらに蒸発した親の借金の相続放棄の手続きもしろってのは酷か。そもそも当人に生きる気力がなくなってるから流されてしまってるって話だしな……。

 

……そんなタイミングで異世界に召喚されることになって。

呼ばれた異世界では、ダンジョンなどの変動が生じた際に異世界召喚を行って、転移者に事態の解決を依頼する手法が確立されていて。

召喚された直後の真也も期待されていましたが……スペックが召喚した貴族の望む者ではなかったために迫害されることに。

ただその貴族も派閥の上の貴族に「召喚には成功した」と報告してしまったために、直接殺すことはできず。転移者には専属の従者をあてがう、という決まりも一応守ってますしね。

……まぁとんでもない呪いを抱えて忌避されたファスという女の子でしたけど。ファスは、それでも「生きたい」と願う子で……真也も、死のうとした時は本当に怖かった、と彼女と一緒にどうにか生きようと足掻くことに。

 

貴族の横暴に想う所のあるギースという騎士団長が、限界までしごいてる体裁で彼を鍛えてくれたり、アドバイスをくれたりして。少しずつ力を得られていったのは良かった。

真也が呪いを吸うスキルを獲得したことで、ファスの状況もどうにかなる展望が見えたし。将来有望な使い魔を得る事だって出来た。

頃合いを見て逃げ出そうと画策していたところで、アグーの報告を受けた伯爵が直々に真也の状況を確認しに来て、同時期に召喚された転移者の会合に参加せざるを得ない状況になってしまったり。

 

そうやって外に連れ出された先で、数少ない真也の友人である桜木さんも転移していたことが発覚。彼女が「聖女」という特殊なクラスを得ていて、一度は召喚者に見捨てられた真也よりも他の転移者である「勇者」と仲良くなって欲しい勢力が横槍を入れてきたり。

危機に瀕して転移者に頼らないといけないくらいの状況になってるくせに、転移者を使って政争に明け暮れてたりするからこの世界の貴族は反省しろというかなんというか。

真也の得た『愚道者』。強力な制限もかかっているけれど、彼の生き様を反映してるかのように、なんか成長性は高そうなので少なくともバカな計画に加担した勇者とかには痛い目見て欲しいものですけど、どうなるやら。

Your Only Story Online

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「天体魔法を操るウィザードになれば、余程の愚か者か馬鹿でなければ君を狙うものはないだろう。だがその力を借りたいと、あの手この手で君に近付くものは現れるだろう。……それでも君はこの転職先を選ぶか?」

(略)

「はい、選びます」

 

フルダイブ型VRMMOYour Only Story Online』。

「あなただけの物語を紡ぎましょう」をテーマに、幻想世界ハーセプティアで活動するゲーム。自分の活動が日記のように本に刻まれる、というシステムとかもあるとかで。

……RPG系のゲームであるよなぁ、あらすじが主人公視点のモノローグというか日記になってるようなタイプのやつ。それを、VRMMOで自動反映するシステムとか、かなり処理重そうだな……とか思ってしまったの良くない。

そもそもフルダイブ型のVRMMOが出来てるんだから、そのあたりの問題は解決してるんだよ! ということで。

 

主人公の少女・終夜満月は、両親の影響を受けて天体観測が大好きだった。

普段ゲームには手を出していなかったけれど、『Your Only Story Online』のCMで見た夜空が綺麗で……それを見るためだけにゲームをはじめることにして。

目的が趣味の「天体観測を楽しむ」なこともあって、基本的にはソロ活動する方針で。『Your Only Story Online』はNPCAIもかなり高性能で、自由な会話楽しめるタイプのゲームみたいですから、それでも全く不自由はしてませんでしたけど。

……なんなら独自ルート突き進みすぎて、プレイ最初期に縁が出来ないだろうキャラとの交流が出来たり、隠し職業に就任することに繋がったりしてましたけど。

 

大規模イベントで登場した、聖女に弟子入りして聖女RPにハマってる人とかも居ましたし、結構他にもいそうですよね独自ルート開拓しているプレイヤー。

満月が独自ルートに入ったのだって、キャラメイク時の担当AIだろう女神ローティがアドバイスくれたからですしね。聖女RPの人とかみたいに、やりたい事が明確な人はアドバイスもらってそうな感じがある。

とは言え、満月が習得した『天体魔法』とそれにまつわる人々は強力な力を持ち、それゆえに狙われ……報復によって国の崩壊につながったなんて過去もあるそうで。不可侵の特殊な存在っぽいので、それに就任したプレイヤーということで今後ゲームが進むにつれて注目を集める機会も増えそうですけど。満月の目的である天体観測を忘れず楽しんでくれれば、それでいいか。

没落予定の貴族だけど、暇だったから魔法を極めてみた

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『ふむ……どうやら、面白い人生になるようだな。大きな魂の人間よ』

「面白い人生」

『私を連れて行く気はないか? そなたの人生を見させて欲しい』

 

気が付いたら、伯爵家ハミルトン家の五男、リアム・ハミルトンになっていた主人公。

作中において貴族は何か功績を挙げることで爵位を与えられ、3代の継承を許される。それ以上に家を続けたければ、家を継いだ後継が継承権のある間に新たな功績を挙げる必要があるとかで。

ハミルトン家は『最古の貴族』と呼ばれるくらい代を重ねて来たみたいです。

しかし、直近の当主たちは継承を認められるだけの功績を挙げられず、当代当主であるリアムの父は功績がないまま第三世代になってしまった。

 

……厳密にいうと、2代前の当主が名の知れた魔物を封印し、リアムの父たちまでの継承権を確保して、リアムの父の代で討伐を成し遂げることで次の3代継承権を得ようとしてはいたみたいですが。肝心の討伐に失敗して戦力を失い。王族に娘を嫁入りさせる、という貢献を功績とようと足掻くフェーズに入っているとかなんとか。

実家の継承権もどうなるか読めない。そもそも四男・五男は当主の予備としての価値も高くなく、四男のブルーノも他の家への婿入りで家を出ようとしてました。

娘への期待から、次代として見込んだ長男以外への扱いは雑になっていて……リアムは、ハミルトン家の書庫で魔導書を読み漁り、魔法を極めるのを趣味にすることになったわけです。

 

怪しげな人物と鉢合わせたりもしてましたが……その人物が魔法士としての腕は確かで、リアムに色々と教えてくれたのはありがたかったか。

「気付いたら別人になっていた」系の転生モノでも、ついつい地球から異世界への転生と受け取ってしまいがちですが。リアムの前世は一応作中世界っぽいですね。「以前住んでいた村にモンスターが出て、村中が怯えていたけれど有名なハンターが対峙してくれたと聞いてほっとした」みたいな文章が終盤に出てくるので。

黒炭よりも煙が出なくて高温になる「白炭」を作ったり、乾麺を作ったりと妙なアイデアはあるわりに、怪しげな師匠から魔法を教わっているときに「素数」を知らなかったりして、知識に偏りがあるなとは思っていて若干モヤモヤしてたんですが、中盤~終盤とは言え作中で触れてくれたので一応納得はしました。

 

魔法を極めて、いずれ家を出て独立する方向で準備を進めていたリアムでしたが。

趣味に走りつつ成果を上げている弟に、長兄アルブレヒトが焦って暴走した結果問題を起こしたりして、それを治めるために奔走する羽目になったりもして。

……それが、彼の思っている以上の問題になりそうというか、厄介ごとばかり詰まった爆弾みたいな情報な気がしますけど。当人がそこまで気にしてなさそうだから、まぁいいか……。

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。9

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「今度は俺が守る。絶対に守って見せる」

 

表紙絵のステンドグラス、凄い綺麗なんですけど本編を知ってると恐ろしさもありますねぇ。アイビーの表情にも冷や汗浮かんでますし。

ハタカ村で魔法陣を用いた事件が起きている。

それに気づいたアイビーたちは、ソルとソラの力を借りて魔法陣の影響を脱して。調査に来たジナル達や、ジナルの息子でハタカ村の上位冒険者であるナルガス達のパーティ、ギルドマスターや自警団の団長と言った、洗脳されていた人々を開放して戦力を整えていくことに。

毒を盛られて長らく寝込んでいた団長が治療後しばらくして、少しでも動けるようになっているのアイビーのスライムたちは本当に規格外ですねぇ。

 

ソルやソラの力を借りてある程度の戦力を確保した後は、事情を知っている人間を増やし過ぎないために、伝手を使って魔法陣の研究者と連絡を取って。

団長やギルドマスター、ジナルやナルガス達も各々動いて状況を改善しようとしてるのがいいですね。まぁ、ナルガスたちは上位冒険者になったばかりでまだ混乱してて、指示待ちしちゃう青さもあったりしましたけど。

影響を解除するための魔法陣、使い過ぎるとそれはそれで身体を壊すものらしいですが……ソルから与えられた魔石が、悪影響を緩和してくれていたりと、アイビーたちの助力も大きかったですけどね。

 

違法な捨て場に魔法陣を敷いて、村で親しまれていた動物に悪影響を与えたり。

有力者を操って実験みたいなことをしたり、広場に寝泊まりしている人々にも影響を与えるように仕組んでいたり。長年準備していたんだな……という悪意が見えるのが恐ろしかったですけど。

アイビーたちがいなかったら、他に発見された実験に使われ滅びた村みたいな状況になっていたんだろうなぁ……と思うと、ハタカ村はまだギリギリ踏みとどまれたので良かった。

最弱テイマーはゴミ拾いの旅を始めました。8

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「あのですね、お話していない事がありまして」

「何だろう。訊くのが怖い気がする」

(略)

「一度も怖い話などしていませんが?」

 

表紙絵でスライムたちが探偵ルックな帽子と服や虫眼鏡持ってたりするの、可愛いですねぇ。アイビーも考えるような顔で虫眼鏡持ってるますし。仲いいなぁ。

本編はハタカ村でのエピソード。

ドルイドが森に違和感を感じていて、調査隊も派遣される事態になっていた。

捨て場に行ってみたら一切管理されている様子がないくらい荒れ果てていて……見つけられなかったけど、どこかに違法な捨て場が作られているだろうことも明らかだった。

不穏な気配がちらつく中ではありましたけど、アイビーがここでも料理知識を披露して、大人気屋台やってるのはほのぼのしてて良かったですねぇ。

 

ハタハフ町所属の上位冒険者チーム『風』の縁も出来て。

アイビーが無理やり連れられているのではないかとか、ドルイドが上位冒険者レベルの実力があるのに名前を知らないことに不信感を抱いて、探りに来た面もあったわけですが。

それでドルイドに変態疑惑かけられていたのには笑ってしまった。まぁ、そう見えるよ……。

怪しいところを調べる調査員としての顔もあるそうで、気になった事は無視できなかったんでしょうけど。

 

ハタカ村は禁忌とされる魔法陣を使う「誰か」によって多くの人が程度の差はあれど洗脳されている状況で。魔力の変異によってもたらされるそれらの異常を、魔力を食べるアイビーのテイムしているスライムたちが解消できることも発覚して……ここで縁を結べたのは問題解決につながる大きな一歩でした。

魔法陣の影響下に長く置かれていると体が崩壊すると言いますが、ソルとソラのコンビネーションで魔法陣の影響を取り除き、崩壊すらも治療できるのは強すぎる。

 

アイビーたちからしても、契約を用いて口外厳禁を確立した上で、2人の関与を出来る限り隠して、問題解決後に村から問題なく出られるように協力してくれる『風』と繋がりが出来たのはありがたいことですけどね。

まぁアイビーは、予期せず増えていく契約書の数に困惑してましたけど。アイビー以外の人々からすると、レアスライムだらけで魔法陣問題も解決できるソラ達の事って、爆弾情報以外の何物でもないからな……。

あとがきでは、この世界の闇を少し見せて、暗くなり過ぎないようにしたかったとされてましたが……かなりの大問題になっていったのは笑った。

冒険者アル2 あいつの魔法はおかしい

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「どうすれば、良かったのかな?」

(略)

「ゴホン、別に忘れる必要なんてねぇんだよ。心の中に仕舞っておきゃあいい。誰だってこういう事の一つや二つあるだろうぜ」

 

テンペスト王国から逃れて来た王女パトリシアを発見・保護し、辺境都市レスターの縁者に届けたアル。

パトリシアに仕える女騎士ジョアンナはアルをパトリシアの話し相手として呼びたいと言っていたが、アルは一介の冒険者に過ぎず。どうするのかと思ったら、ナレシュの臨時雇いの従者として、パトリシアと会う機会を作ってもらうことになって。

 

まぁ従者として雇われている関係で、その期間に魔物狩りが行われることになって、アルも同行することになっていたわけですが。

……魔物側に、アシスタント・デバイスを持っている奴が居たり、パッと名前が出てこないような珍しい上位の魔物が居たりと、こちらが想定していた以上の備えをしていたので、アルがフォローに入っていなかったら結構な被害出ていたでしょうね……。

 

隙間時間でアルはエリックの元を訪れて、浮遊眼呪文の習得をしようとすることになって。

その際に呪文のアレンジ……アルの言い方だとオプションとしてアレンジできそうなところについても情報を伝えて。

アル、過去の魔導師テンペストのアシスタントだったマラキと再び会って交流する中で、過去の魔術師はアルみたいに呪文にアレンジを加えていたという話も聞くことになったわけですが。

 

後にレダがアレンジ可能な状態で浮遊眼呪文の習得に成功したのは目出度かったですねぇ。

ただ発表の際に周囲の思惑もあって、エリックやレダの功績として扱われてしまってるということで、習得に成功したレダや発表したエリック達が、アルに対して申し訳なく感じているの、善性を感じて良いですねぇ。

アルは立場の無い自分だと名誉を与えられても困るし、そもそも信じてもらえないかもしれないという事で、あまり頓着してなかったのが救いか。

 

マラキの守護しているテンペストの墓所を探るように、テンペスト王国の軍隊が動いているのをアルが発見したり。守護の為に引っ越しの手伝いをした後、帰還したらレビ商会を監視している輩を発見したり。

パトリシアとは身分の差がある、と一線を引くようにしていたわけですが。そんな彼女に縁談が持ち掛けられている、という話を聞いて自分の本当の気持ちに気付くことになったりもして。

一方パトリシアを狙った暗躍が激化しているのも感じていたことから、アルは最終的にパトリシアと一緒に行動することになったわけですが。どうせなら2人に幸せになって欲しいものですが、どうなりますかねぇ。

森の端っこのちび魔女さん

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「自信が無い時こそ堂々としていなさない」

本格的に薬師を目指すと誓ったときに、母親に最初に教わったことだ。

時にはハッタリだって必要な技術なのだ、と。

(私は出来る。この命は助けられる。大丈夫。大丈夫)

 

主人公のミーシャは、母と一緒に森の奥に創られた丸太づくりの家で母と二人きりで過ごしている少女。

彼女の父はこの国の公爵であり、見分を広げる旅の途中で恋に落ちて……母親であるレイアースは、今住んでいる国から遠く離れた地の薬師の一族であったが、一族からの反対を押し切ってこの国にやってきたとか。

ただ、それまでの暮らしと違う環境と……正妻との折り合いが悪かったりした結果、は公爵邸を離れて森での暮らしを選んだそうです。

月に一度は父親もミーシャ達に会いに来ていたようです。ミーシャは母から薬師の技を教わりつつ、穏やかな暮らしを送っていたとか。

 

しかし、隣国との戦争が勃発してしまい……これまで以上に傷薬などの需要が増して。

公爵位である父もまた戦争と無縁ではいられなかった。

早く平穏が訪れれば良いのにとミーシャは願っていましたが……その祈りは届かず。

森の家にやってきたのは父ではなくその部下で。さらに「公爵の容態が危うい」という報せまで携えていた。

騎士の馬に同乗させてもらう形で公爵邸へ駆け込み、母の治療を手助けしたり。

母が父にかかりきりになっている中で、手が空いたミーシャが他の重傷者の治療にかかったり。

 

ミーシャの自認としては「ようやく見習いの文字が取れたくらい」らしいですけど、幼いながらになかなか覚悟が決まっていて良いですね。

父が死に瀕しているのを感付きながらも、泣きそうな気持をこらえて母の治療の手助けに奔走していましたし。その後も、一人で治療にあたるのがほぼはじめてなのに、気遣いを忘れず、怯えを最後まで患者の前で出さなかったりしてましたし。

 

レイアースは実は『森の民』と呼ばれる、医療技術の発展のために力を注ぎ、国境もなんのそのと超えてしまう行動力のある人物もまぎれていたり。

その力を狙った国に「報い」を与える苛烈さもあって、今では不可侵のような扱いを受けている存在だとかで。

そんな中で恋から国を出奔したレイアースと、彼女から一族の技術の一端とは言え学んだミーシャはかなり特殊な立場みたいなんですよねぇ。

実際、生死の境をさまよっていたミーシャの父である公爵様を救いあげることにレイアは成功したわけですし。

 

……レイアースの知る輸血技術が不完全だったことと、彼女の情の強さから限界を超えて輸血して、フラフラ状態のところで彼女を疎ましく思っている正妻の娘と鉢合わせて。レイアースが命を落としてしまう結果になったのは、痛ましい事件でした。

公爵様が、正妻とその娘に対して果断に対処してくれたのは、せめてもの救いでしたか。……彼自身も言っていましたが、レイアースと恩人から頼まれたことでかつてレイアース相手に手を下した際に、正妻との離縁を諦めたことは失着だったとは思いますけど。

 

正妻ローズマリア、他国へミーシャの情報を流して売る事さえして。

その結果として、ミーシャの世界が広がっていって、彼女のお節介で救われる人もいるので結果的には母を失ったばかりのミーシャにとって悪いことばかりではない旅路を過ごせているのは良かったですけど。

……そもそもローズマリアの行いが無かったら、レイアースの死までなかったんだよな……。中盤からのミーシャの旅路は好きなんですけど、ローズマリアの存在がうぐぐってなります。

まぁ、良い悪役ではありますよね。物語を動かして早々に退場してるし。ミーシャが凄く良い子で、見ていて微笑ましくなるので作品全体としては良作です。

プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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