気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

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Unnamed MemoryⅥ 名も無き物語に終焉を

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『お前の言うことも分かる。だが、昔と今は違う。自分一人で何でも背負うな。後で悔やむくらいなら俺を頼れ』

(略)

『そうしたら、俺が一生一緒に背負ってやる』  

 

Act.2の幕引きとなる、完結巻ですよ!!

最悪3巻まで出たところで終わる愉悦ルートすら示唆されていただけに、ここに来られただけでも感慨深い。

そして、今回は今まで以上に加筆されていて、WEB既読組でも楽しめる事請け負いです。書籍版初出のネタが登場するので、「加筆多いっていう6巻だけ読もうかな?」はあまりオススメしませんが。

 

初っ端から女王として君臨していた当時のティナーシャの様子が描かれていました。

なにこれ知らない……。王候補のラナクが乱心したこともあって、女王には支持者の他に反発する勢力も居て。それを、女王として切り捨てて。

ファルサス王家から遊学に来た王族と、ちょっとした交流をしていましたが。この当時は、建国当時の逸話が口伝で残っていたんですね……。ディアドラ……。

 

即位してから面倒事にばかり巻き込まれるために、在位期間を削ろうか、という提案がレジスから出て。

ティナーシャが伏せていた情報を告げて、オスカーが交渉した部分もあるみたいですが。

婚礼衣装が出来たら退位する、と言う話になりました。幸せそうなティナーシャが良いですよね。

その報告をしに行ったら、「聞いたら死ぬ歌」を聞きに娼館に行く計画をオスカーがたててるんだからもう……。

扉が一瞬で潰されたり窓にひびが入ったり。ラザル達が逃げ出したそうにしてるのも分かるわー。

 

この歌のエピソードが、Act.1とはまた違った方向に話が進んでいくのが楽しいんですよね。

噂を流した娼館の男、シモンの過去。呪歌によって故郷が滅ぼされた、と言う話から大陸規模でひっそりと進行していた事件が明らかになって。

犯人を捕まえた後、オスカーとレジスが酷薄な会話をしてる場面も好きです。敵には容赦しない王族の覚悟が見れる気がする。

 

加筆部分で、調査の過程で水の魔女が登場するのも嬉しい。

元々古宮先生が、設定上はいるけど本編に登場しない「全員揃わない」ネタが好みだったとかで、本編には関与しない筈だったんですよね、水の魔女。ただ、都度「本編に登場しませんよー」と言うのも何なので、加筆で登場する事になったとか。

実際、私も他の短編とかですれ違ったりするのも好みだったんですが。こうやって絡んできてもそれはそれで美味しい。精霊たちの中に、彼女を知っているって情報も知れてよかった。

 

鏡に関する騒動では、ティナーシャの女王としての顔がより鮮明に描かれて。

オスカーが珍しく足踏みしてる感じはありましたけど。動きだしたら止まりませんよね、彼。

暗黒時代を知るティナーシャの隣に立とうとする気概を感じるというか。

彼女に言わせれば「存るがままにしか言わな」くて、絶望を超えるために支えてくれるという理解が、とても尊い。

 

5章がまるまる書き下ろし章なんですが……ヴァルトが、オスカーに使えていた時代とか、最高ですよね……。

ヴァルトのオスカーへの態度と言うか、感情が明瞭になったのはいいですね。たった一度仕えただけだけど、他の人間の様に上手く操れない、と言う彼が好き。時読の一族であるが故、相容れない相手ではあったけれど、憎んでるわけではないこのさじ加減がもう最高ですね。

 

帯で明らかになっていますが、長月達平先生による「完結に寄せて」と言う寄稿文が収録されていて、愛を感じてよい。

そして、その後に章外としてのオマケがあって、先の話を垣間見れるのはとても楽しかったです。

 


(※以下に巻末で明かされた情報についての叫びを収録します。未読の片はご注意下さい)


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Unnamed Memory1

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「ならば私は貴方の守護者として塔を下りましょう」

「今日から一年間 貴方が私の契約者です」

 

私の最押しライトノベル、『Unnamed Memory』のコミカライズです。

好きな小説が書籍化して。それに好きなテイストで挿絵がついただけでも嬉しいのに、好ましい漫画連載まで始まって、言葉にできないくらい幸福を感じている。

 

呪いを受けた王太子オスカーが、試練を乗り越えた末に魔女に解呪を依頼するお話です。

画が付くと、青き月の魔女が住まう塔の高さが映えますね。雲がかかって頂上見えないんですが。

この中にあるいくつもの試練を、オスカーは実質一人で乗り越えていくんだからお見事です。

コミック用に描写が圧縮されたり、一部変更されたりしてます。ただ、古宮先生の監修が入ってるので自然に読めるので、もう本当にたくさんの人に読んでほしい。

 

小説版でもティナーシャが自然に浮遊の魔術を使う、と言う描写はありましたけど。

コミカライズされて、実際に浮いてる姿を見るととても可愛いんですよ! 特に2話で祭りを楽しみにしてくるくるしてる場面とか、とっても良いと思います。

3話で実際に祭りを満喫してるシーンも挿入されてるんですよねぇ……。

 

オスカーに求婚された時とか、城を抜け出してると聞いた時とかに見せる表情とか、全員の記憶いじって解決しそうな気がすると見抜かれて「心を読むな!」してるシーンとか。メイン二人の表情がコロコロ変わるので楽しいです。

 

あとはリトラとかラザルやメレディナみたいに、書籍版で挿絵がつかなかったキャラの容姿見られるのはポイント高いですね。

1巻では「繰り返し触れられる過去」が終わる場面までが描かれていますよー。オススメです。

UMコミカライズ感想

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電撃大王のUMコミカライズ感想!
表紙+シールカレンダーの付録付きで、メロンブックスさんで紙版を購入すると表紙絵のクリアファイル特典も付きますよ。オススメ!!

◇第6話 夜の透明1

冒頭からティナーシャがふわふわしてます。
本当にここまで、登場したシーンでほとんど浮いてるな……。
彼女に報告をしている猫の使い魔も可愛くて好き。

そして、始まりましたよ「夜の透明」。
このエピソード、好きなんですよねぇ。書籍化する前にも、よく読み返してました。
オスカーの父親がまだコミカライズに登場してない(正確には、魔女に呪いを受ける過去の1コマには出てる)のに、外戚の困ったおっさんは登場してきたのが、地味にツボです。

宮廷魔法士向けの仕事を張りだす掲示板の前で、ワイワイやりとりをしているオスカーとティナーシャ。
背景のモブ魔法士たちから「お気に入りなんでしょうな」とか「いつものやつだ…」と思われてるのが面白すぎるな。
王太子は普通宮廷魔法士の仕事探しの場には来ないでしょう。
……まぁそもそもオスカーは普通じゃないからな……。
だって、帰ってきたものが居ない魔女の塔に王太子が供を一人だけ連れて挑んだりもしませんけど。

そして今回の目玉は、剣の訓練に参加するティナーシャ。
髪をまとめて動きやすい服装になってるのが新鮮でいいですねぇ。
魔法を使うだけじゃなくて、剣も出来るとか、長く生きていた経験を感じさせる。

将軍職のアルスを驚かせるくらいの腕はあるみたいですし。
「彼女はいったい何者なんだ……」という疑いの目を向けている場面が、ティナーシャの後ろ姿というのも良いですよね。
窺い知ることが出来ない、陰りを感じていいんですよね……。

講義シーンも地味に好き。
ラブハプニング公爵(違う)が、登場シーン少ないのに面倒臭い人ってイメージをぶつけてくるのが強いんだよなぁ。
老魔法士が暗躍してるのも描かれてますが、いやぁ、マジに怪しいなあの老人。
よくアレの手を取ろうと思ったな、と感心してしまう。

UMコミカライズ感想

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◇5.5話『あやしい二人』
今回は単行本調整用なのか、閑話的な感じ。
ファルサスの祭りで殺された魔法士が研究対象としていた「ドルーザの魔法湖」。
そこで会話をしている、タイトル通り怪しい二人の話です。

名をヴァルトとミラリス。
祝祭当日、助言を残して立ち去った魔法士の男と彼に従う少女ですね。
ミラリスのイラストは初出……の筈。いや、かわいいな。
ヴァルトの横に座った時に体格の差とかで「少女」っぽさの演出がされてて良い感じ。
オスカーとティナーシャにも身長の差ありますけど、あれオスカーが大きいってのもあるからなー。

裏側では色々と蠢いているんですよー、という顔見せをして次回に引き。
いやぁ、老魔法使いがとっても悪そうな顔してましたね。狂気的なところ、悪役としては嫌いじゃないですよ。
……しかし魔法湖での暗躍風景を持ってきたってことはこのまま「湖の畔」に入るのかな。
「夜の透明」の面白叔父さん出てきてほしいんだけどな。あのエピソード好きなので。

電撃大王(UMコミカライズ)感想

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Unnamed Memoryコミカライズ5話感想!

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Unnamed Memoryコミカライズ2~4話感想

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つい感想を書きそびれていたので纏めて更新。

詳細は下記。








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Unnamed Memoryコミカライズ感想

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私のイチオシ作品、『Unnamed Memory』がコミカライズ開始ですよー!
という事で、応援も兼ねて雑誌を購入。
電撃大王2020年11月号より連載開始ですので、是非見て欲しい。

内容については下記。
ネタバレは抑えるつもりですが、WEB版も含めて色々追ってる人の感想なので、何か零れたらすみません。

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Unnamed MemoryⅤ 祈りへと至る沈黙

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「だとしても、ここから前に進む。ここ以外はない」

 

コミカライズ決定!!!

Twitterとかでは、折に触れ「コミカライズしないかなー」と叫んでいたんですが、正直Act.2に入っても音沙汰なく、完結が近づいてる状況で半ばあきらめの境地にありましたが。

マジかー。今から楽しみで仕方がない。久しぶりに電撃大王本誌購入の民になろうかな……出来ればAct.1の終わりまで続いて欲しいですが、新文芸だと量あるからなぁ。どうなるだろう。楽しみが増えました。

 

そして、今回も絵が良い! 表紙絵の、ティナーシャがオスカーに膝枕されている構図も尊いし、逆パターンの挿絵もあって福利厚生が手厚い。

あらすじにも書いてる、オスカーがついにティナーシャに求婚したシーンを口絵に持ってきているのもニクい演出ですよね。式典のあとだから、正装な二人がカラーで見られてもう最高です。

 

求婚するシーンが書籍化にあたって加筆され、オスカー視点になっていたのは嬉しい誤算。

機会を逃さず踏み込んでいく、果断の人ですよね……迅速に会いに行くためとはいえ、塔の外壁を上る辺り、あなた本当に王族かって感じですが。

王として私情を抑えていた。けれど、ティナーシャの立場が変わる目算が立つならば、話は別で……

 

プロポーズされた後、うだうだしているティナーシャも可愛くて好きです。感情と魔力を分けられていない辺りが新鮮。可愛いなー。答えを返した後のシーンが挿絵になっていたのも良い。赤面してるティナーシャも良いし、彼女には見えていないオスカーの表情が穏やかで、もう幸せにおなり……って感じです。

 

もっともその後、失踪事件が起こしたり、禁呪を使う国にファルサスが戦争吹っ掛けられて、禁呪排除の為にトゥルダールが介入したり。

過去に戻る魔法球について知るヴァルトからの接触や、邪神教団残党の復讐、上位魔族との戦闘とイベント盛りだくさんではあるんですけど。

魔女になりたがった女の起こした事件、WEBとはだいぶ毛色が変わってて驚き。結末は、苦いまま変わりませんが。

 

まぁ、色々起きていてどれも重大ではあるんですが。

やはり一番のポイントは、ついにオスカーが「断絶の呪い」をかけられた理由が明かされる所でしょうか。

沈黙の魔女が直々に乗り込んできている辺り、行動力が凄い。そして、彼女の真意が明らかになって、憎めなくなるのも良いんですよね。

 

そして次の6巻が最終巻となるのが、悲しい。あぁ、書籍化決定以来、夢のような時間だったなぁ……『Babel』のリブートや、冒頭でも叫んだコミカライズ決定があるので、まだまだ楽しめる時間はあるんですが。

それでも好きなシリーズの終わりは寂しいものです(まだ終わってないよ)。続きを期待し、お待ちしております。


着せ替えは心変わりを呼び起こさない!

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――たとえばほんの一度、自身の感情を彼女に告げたのなら。

夏コミで出るはずだった、古宮九時先生の新刊。
Act.2に突入した『Unnamed Memory』のオスカーとティナーシャを描く同人誌です。
4.5巻とでも言いましょうか。書籍新刊まで読んでいれば楽しめる作品なので是非読んでほしい。
逆に、まだ1巻しか読んでないよ! って人にはネタバレ含む感じなので、お間違えの無いようにしてくださいー。

とはいえ、モノが同人誌ですからね……。事前に確保だけしておくのもワンチャンあり。
古宮九時名義の、書籍読んでいれば平気なシリーズは電子化もしてくれてますが、修羅場だと後回しになりますし。
特に今回の先生は、これまでの反省を活かし「絶対再版しないマン」になってるそうなので、まぁ、状況に合わせてご利用下さい。

閑話休題。
本編は、ある商家に伝わっていた「人の心を変える」力のある指輪の話。
それが盗まれたと陳情が来て、対応する事になってました。
まぁ、それはそれとして話を持ってきたのが服飾扱ってたのもあり、ティナーシャ連れて行って着せ替えして楽しんでるオスカーが素敵。

精神魔法のかかった魔法具の可能性を踏まえて、ティナーシャの協力を取り付けた、という真面目な部分もありますが……
着せ替え楽しみたいのも本心ですよね??? 気晴らしであっても金惜しむ気はないとか思ってるし。いいぞもっとやれ。

Act.2になって変化した二人の関係は、見ていて切なくなる時もありますが、今回はかなりラブコメしていた印象ですね。
いやまぁ、指輪が裏に流れて闇オークションに懸けられるのを知った二人が、組織に踏み込んでいつも通りどうにか解決させるパワーパートもあるにはありますが。
『Unnamed Memory』4巻まで読んでれば、あれくらいは朝飯前というか、軽いオードブルというか……調教されている……

オスカーが、王族として割り切っている、秘した感情の熱量が変わらずあると地の文で示され続けるのが、もうたまらないんですよね。控えめに言って最高でした。


時の夢Ⅱ no-seen flower短編総集編 感想5

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2020年2月コミティアで頒布された『時の夢Ⅱ』感想、第5弾。完結ですよ!
今回は現代パロディ「学園Babel」時空の『月の白さを知りてまどろむ』。
そして『監獄学校にて門番を』と『Unnamed Memory』のおまけと書き下ろしについてですー。
長い戦いもついに終わる……私は何と戦っていたんでしょうね……自分か。
感想は下記。続きを読む
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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
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