気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

UnnamedMemory

砕けた月を瓶に詰めて Unnamed Memory

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「偶然で自分を責めるな。起こってしまったことは、全てなるようにしかならなかったことだ。たとえば俺とお前が出会ったことも偶然で……何一つお前のせいじゃない。気に病むことはないんだ」

 

「月蝕」という本編に繋がる、前日譚。

182月にこちらが刊行されて、「月蝕」はまだ出てないっぽい。

以前に出ていた「時の夢」に短編は乗っていましたが。

Unnamed Memory』の系譜ではありますが、かなり暗めの話です。

 

逸脱者となって、かなりの時が経った二人。

街に買い出しに行った折に、何者かに追われている少年を保護して。

人さらいに会った彼の実家を訪ねてはみたものの……そこもまた惨憺たる有様で。

行先をなくした少年、セノーを保護し教育をしたりしていました。

 

それはとても穏やかな風景で、和みました。

釣りに行った先でオスカーが変な魔法生物釣り上げて、ティナーシャがセノーを連れて帰ろうとしたりとか、なんかいつも通りな二人が眩しかった。

あるいは、このままセノーが長じて、自分の道を定めるまで三人で暮らすという可能性もあったのでは、と夢見てしまうくらいには。

 

偶然によって出会い、別れることとなって。

片割れが居なくなった事で安定を欠いているティナーシャが、自ら眠りを選び……

そして目覚めて、しまった。

ささやかな祈りが果たされなかったこと、歯止めを失ってもティナーシャは呼び声に応えたこと。悲しいしやるせない。これで前日譚って、本編本当にドロドロの復讐譚になりそうですけど。

短編時点で既に不穏だからな……楽しみな様な怖いような。

時の夢 no-seen flower小冊子総集編 感想3

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「常識で考えたらないけど、貴方が絡んでるならあるかもしれないと思ったんですよ!」

「お前……そんな風に思ってる相手と結婚したのか」

 

分割ラスト―。
最後が一番長いような……分け方下手くそかな?
ネタバレ注意。

◇将軍と黒猫

『焚き火』。「演習という名の芋掘り大会」とはいったい……将軍にうちの城はおかしいって思われてますが、うん。

 

◇水の冠

『新居』。結婚知って一緒に暮らすことになった二人の話。

ヴェオフォルミネが引き下がらない辺りが彼女らしい、というか。

結婚したんだから同じ部屋が良いと主張して、オーティスが根負けした後……

同じ部屋にするために「壁ぶち抜く」という発想になるあたりがすごい。

『雪景色』。街で起きたトラブルに対処する二人。

聞き込みについていきたいといった少女が、合図を決めようと言って。

生まれと育ちからすると、まぁ、仕方ないですけど。とりあえず全部吹き飛ばせば終わるみたいな解決法はやめような。頑張れオーティス。

 

Icy Prayer

『妹』。Babelの子供世代の話。末の姫であるエウドラの嘆き。

兄が厳しい、という話を隣国の兄に相談して。対処法が何とも平和で笑いました。

振る舞いを叱られたから、ことさら丁寧な対応をし返した。普段と違うそぶりにかなり困惑したようで大成功でしょう。一週間猫被り続けたエウドラも中々。

 

◇月の白さを知りてまどろむ

『血温』。シシュがそろそろ来る頃だと思った、というサァリ。

風邪を引いたら困るだろう、という話からどんどんズレて行くあたり、この二人だよなぁ、というか。

「言わなくていい。答えられないから聞きたくない」というシシュに笑ってしまった。

『夜』。月白世界に置いて、女の十七は大人を意味する。

サァリの誕生祝い。シシュは招かれていたものの、王都での厄介事に対処するために離れることとなり。

ちゃんと品を用意して、サァリの要求を聞く辺りシシュも変わってきてる。紅を塗るという行為に裏がある、と察しない辺りも彼らしい。

『常識』。王都とアイリーデの常識の違いにシシュが困惑する話。

巫も特殊だけど、シシュも頑固な部分あるからなぁ。トーマは見ていて楽しいでしょう。

『風呂』。シシュの要請に応じて巫として同行したものの、こけて鼻血を出してしまったサァリ。シシュの要請の時は走る事になるって言ってたもんな……

対処の為にサァリが向かった先が、また。いや、歓楽街だから、まぁそういう店の方が多いでしょうけど。シシュが苦い声出すのも仕方がないのでは……

 

◇曲空虚空

『遭遇』。実は本編読んでないんですよね。

フルダイブ型のネットゲームのベータテストに参加した二人の会話。

ちょっと気になるのでその内読みたい……と言って忙しさに負けて読み損ねてるんですよねぇ。

 

◇空想の魔女

『正月』。これも本編読めてない……

福袋を買って帰って来た妹たちが中身を広げまくって、掃除好きの兄の精神が削られる話。

人混み苦手で福袋とかのセール忌避する親戚ばっかりなので、行動力は凄いと素直に感心してしまった。

 

◇陸空猫

『ワンダーランド』。本編読めてないシリーズ。割と多いな。

雪の中に飛び出した猫の話。実家で買ってる猫は家猫だから雪降ろうと室内にこもってたなぁ、というのをちょっと思い出した。

 

Babel学園

『朝』。パラレルでも朝に弱いティナーシャ。大学の単位が良く足りたな、という夫に敷地内の寮に住んでいた事とか、なるべく一限の授業を取らないようにしてたと回答してましたが。苦肉の策過ぎる……

『チョコ』。バレンタインのチョコを作るティナーシャの話。

製作途中で溶かしたチョコが一番おいしいと思うからってそのまま出すのか……ある意味発想の勝利。オスカー、そこまで甘いもの得意じゃないから敗北してましたけど。

『妹』。何をどうすると体育の時間がバーベキューになるんだ。自由度が高い……

「授業中のバーベキューは禁止」という校則が付け加えられたというオチがシュール。

『煎餅』。自分で焼いてみたかったからって煎餅焼いてみるあたり雫も行動力凄い。

先生用として激辛煎餅まで作ってる辺り芸が細かいです。

 

『夕暮れ』。アージェとレアの話。妹たちにお膳立てされて、クリスマスデートをすることになっている辺り、アージェも微妙にポンコツというか。彼らしいですけど。

いや兄にプロテインプレゼントする妹もいるからどっちもどっちか……

『プロテイン』。妹からもらったチョコ。プロテイン入りとかどこを目指しているんだ……

 

『夜』。パラレル月白。家庭教師のシシュと学生サァリの距離感が微笑ましい。

兄のトーマの過保護さも健在で。シシュに誘われて、楽しそうに目を輝かせるサァリが可愛い。学生モノではこのコンビが一番好きかなー。

『トリュフ』。なぜ「チョコビュッフェ」をやろうという発想が出てくるのか。ツッコミ入れながらも最終的には付き合う辺りシシュは良い奴ですねー。合流したトーマにチョコ詰め込まれたみたいですが……そういう事もあるよね!

 

◇時の夢

『時の夢』。「外れない予知」についての話。

ヴェオフォルミネが見た多くの断片。オスカーとティナーシャのいつも通りのやり取りが楽しい。カサンドラ、結構重要なピースなんですかねー。




時の夢 no-seen flower小冊子総集編 感想2

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「そうかしら。初めてあなたに会ったのは、ずっと前に思えるわ」

(略)

「一生を約束しましたよ」

 

分割記事2個目。……なんともう1回続くんじゃ!
いや、なんか長文になったので……
ネタバレ注意。

Babel

『鐘』。雫とエリクの取り留めもない会話。

時の流れがあっという間だとか、年越しの時の催しとか。

除夜の鐘の話とか出して、エリクが興味を持っていたのは、彼らしいなぁ。

『昼』。昼食を食べようとして暑さに雫がしり込みする話。

研究室に逃げようとしたものの結界の張り直し作業が入って失敗。

なんか雫が王様と氷の上で正座する勝負したとか出てましたけど、どういう状況だとそんな勝負になるんだ……?

 

『魔法研究』。魔法技術による下水施設とか凄いよなーと雫が感心する話。

ファルサスのはティナーシャ作ですけどね。確か百題のどれかにそんなエピソードがあったような。今度読み直そう。

『バレンタイン』。こちらの暦で対応する日が分からないので暫定。

バレンタインならチョコレートですが。エリクがさほど興味を持っていない為どら焼きに。

好評だったので作ってたらエリクの体重が増えたとか。うーん、平和だなぁこの夫婦。

 

Rotted-S

『年』。本編完結後のレアリアとアージェの旅。

領主の代替わりで検問が強化されそうだという事で、レアリアが少し疲弊しているのを推して次の街へ。

レアリアが船に乗ったことが無いというので海が見える方を目指して。共に生きる彼らの旅路に幸多かれ。

『夕暮れ』。昔を思い出し、もしレアリアと幼少期から同じ村で育っていたらと空想して。

レアリアが年上として世話を焼こうとして困っている姿を想像して吹き出したりしてましたけど。

共に育ったならそれも面白かっただろうけど。どっちみちレアの為に生まれただろう、と自分を定めたアージェが強い。

『子供』。二人の間に生まれた子供。アージェは小さい村だったので、赤子の世話もしたことがあるが。レアリアは立場上触れた事が無い領域で。

それでも助け合って世話している様が、暖かいです。「孤独な夢は、もう見ない気がした」。レアリアが、こう思えるようになっただけで、アージェを褒め倒したい。

 

『寝起き』。恋人関係になった二人。共に寝ていた所からレアリアが先に目覚めて。

アージェに引き寄せられて。退廃的な朝になりかけたところを何とか止めて。

彼を止める為に要求された「代わりのもの」に辿り着くまで、アージェは多分かなり楽しかっただろうなぁ。

『記憶の喪失』。クレメンシェトラの断片。過去のディアドが、彼女に示した覚悟の証明。「いつか誰かが、またあなた様に伝えるでしょう」。

『手料理』。レアリアの魔法の腕も上達して、単独行動もぼちぼち出来るか、という話もでて。一人で買い出しに出た彼女が、大量の食材を買ってしまったのは、うん笑えますね。

技量はまだしも、常識に疎いからこういう事もあるよなぁ。平和だ。



時の夢 no-seen flower小冊子総集編 感想1

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「此処で待っていてください。届かせますから」

 

作者さんのサイト「no-seen flower」の短編集をまとめた一冊。
電子版を購入。
-world memoriae-シリーズ以外のも掲載されてますが……なんか長くなったので記事分割してます。
ネタバレ注意。

 

◇Unnamed Memory

『雪』。温暖なファルサスでは見られないもので。

遊ぶために城内限定とはいえ雪を降らせるとはさすがはティナーシャ。

『紫恋歌』。旅路にある二人が立ち寄った街で、ちょうど祭りの時期で。

歌比べをして神に祈りをささげる歌姫を決めるのが目玉だとか。

選ばれると金が出る事もあって、まぁ、騒動の種にもなっているようですけど。

ティナーシャが格の違いを見せてくれたのはスカッとしました。

『光』。魔物憑きとして隔離された片割れを魔女が見つける話。

後日談のおまけもついていましたが。ティナーシャ、オスカー大事過ぎて大体受け入れるのがよくわかる、というか。オスカーも思い出してから全部律儀に謝ってる辺りはちょっと笑ってしまった。

 

『朝』。魔女は朝が苦手。覚えた。

「人間の可能性を信じる」とはいえ、限度があるんじゃないかな……。

先日ツイッターで見たオスカー、こちらで言うと5時くらいに起きてるって言うのは、起床時間として早い方だと思います。放っとくと13時まで寝ているティナーシャもティナーシャですが。

『消えた名』。消された試行の1つ。

戦場から連れ帰った魔女が生きたいと思えるかどうか賭ける話。

決定的な決裂を前に巻き戻ったそうですが……続いて居たら『神の名』のような結末になったんだろうなぁ……

 

『花』。またオスカーが興味で動いてるなーというか。

肌に花の絵を描いた旅芸人を見て、ルクレツィアに昔ティナーシャがやった、という話を聞いて。自分で描こうとする辺りが安定のオスカー。

オスカーが膝を折ってるのが落ち着かないというティナーシャに、お前も女王だし時代が違ったらありえただろう、という仮定の話も出てました。

速攻でオスカーが自分の騎士だったらいびるというあたり日頃の行いが……いびってもそれでも来るという信頼もあるようでしたけど。

『体の時間』。レオノーラ戦の後の二人の会話。あけすけすぎるオスカーが好きです。

『旅路』。呪具を巡る旅の断片。笑いあっている二人が、穏やかで良い。

 

『猫の爪』。傍から見ると女子供の喧嘩としか見えないそれで、大陸傾けられるとか恐ろしいわー。

『月蝕』。転移門を開くために町のはずれに行き……何者かに追われている少年を、保護した。酷い偶然もあったものだ、と言いますか。

喪われないものはないと知ってはいても。ファルサスで何がしかが起きて、血が流れているのが少し悲しい。

まぁ、『Babel』の頃なんて公式に残った直系2人とかいう惨状でしたから、長生きしてる方なんでしょうけど。

『起床』。微睡から覚めたとき夫の声が聞こえて。ティナーシャが彼に歌ってくれというのは中々珍しい場面ですねー。逆は多いですけど。



Unnamed Memory Side Story 紅毒の眠る床

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「貴方に、何が出来るというのです?」

「そうだな。隣国からかけられている圧力を撥ね退けることくらいは」

(略)

「ならばそれを証明してみせなさい。殿下から全ての憂いが取り除かれた時……私は貴方の要求に応えましょう」

 

-world memoriae-シリーズの同人誌。
電子版が配信されてるのでそちらで購入。

精霊術師で薬師でもあるヘルジェール。

夜を渡り歩くと言われる薬師で、請われれば病を治す放浪者。

かつて彼女が癒した相手から呼ばれ参上した彼女は、薬ではなく彼女自身を欲しい、という男と引き合わされて。

 

滅亡の危機に瀕している国を救うための取引を持ち掛け、ヘルジェールの身柄を要求した。

ヘルジェールはそこまで言うのなら、証明してみせろと男に告げて。

男――オスカーは、剣の腕を見せて武門の派閥に取り入って。

侵攻する手間の割に得るものが無いと分かれば大人しくなる、という論理は分かるけど狙ってやれる人は少ないと思うぞ……

オスカー自身も「簡単ではない」というもののその後に「出来ないことでもない」と軽く言うんだもんなぁ。

 

-world memoriae-を読んでいると、早々にヘルジェールの秘密については察する事が出来るわけですが。

彼女はかなり不安定な部分があって。オスカーが約定を果たすか見守るため、宮中に滞在している彼女に接触して来る勢力も。

わざわざ爆弾に火気近づけなくても、と思いますけどね。

 

逸脱者である二人。

彼らは決して不滅ではなくて、何度も喪失を繰り返しながら、長い旅をしている。

その喪失の中で、我を忘れて一度は暴走してしまった魔女へ、それでも強く在れというオスカーは、どこまでも王なんだよなぁ。

最後オスカーの差し出した手を、彼女が握ったのが、とても美しくて……同時にどこか残酷だとも感じてしまう。

あぁ、でもこの二人の関係が好きなんだよなぁ。



灰の見る夢(Unnamed Memory)

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「後悔しませんね?」

「お前といて後悔したことは一度も」

 

172月刊行の同人誌。

Unnamed Memory』の番外編。

小説家になろうの方にも再録された「奇跡のような嘘を貴方と」(17年夏コミ頒布ペーパー)みたいな、消された試行の断片なんですが。

出会い方が違っても。オスカーとティナーシャが隣り合う、その関係がただ尊いと感じる。

 

ティナーシャ視点で話が進みますが。

ちょっと休憩するつもりで横になった数時間の間に塔を踏破されたら、そりゃ驚くよな……

塔で眠っていた少女をオスカーは魔女と思わず、魔女に囚われている下女か何かと誤解して。彼女を連れて塔を降りることに。

「魔女の怒りを恐れないんですか?」「怒られたらその時謝るさ」

契約者と魔女とは違う距離で、ファルサスで過ごす二人の姿が新鮮でした。

 

そしてヴァルトが現れて、オスカーの事を彼が前に居なくても「王」と呼び続けるその姿をティナーシャに指摘される、という流れが好きです。

「彼は王以外の何物でもないよ」。一体どんな気持ちで、この言葉を口にしたのだろう。

多くの蓄積を経て、都度全てを教えることを諦めた。

それでも行動を止めない彼はかなり手ごわい手合いだと思うんですが……幾度の試行の中では、こうあっさり退けられるパターンもあるんだな……

 

「彼がそう望むなら叶えないという選択肢はない」っていう一文があったんですが。

もうティナーシャ、オスカーの事本当に大切にしてるんだなぁ、というか。彼女にとっての唯一だというのが、よくわかる。

やっぱり『Unnamed Memory』はいいな…と実感しました。

カクヨム版『Unnamed Memory 香りのない花』感想

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「貴方、呪いを解いてもらいに私の塔に来たんじゃなかったでしたっけ……」
「お前に求婚しに行ったんだ」
「過去の改竄はやめなさい。そんなのレグだけで充分です」

カクヨム連載『Unnamed Memory』第112話からスタートした『香りのない花』の感想。
え? カクヨムで描けって? カクヨムのアカウント作ってなくて。ちょっと今新しい事する気力がないので、また後日。

書籍版1巻の後となるエピソード。元はコミティアの原稿ネタだったようですが。休みが合わず余りイベントいけてないので、正直こういう形で読めるのはありがたいですねー。いや、冊子になったらなったで最終的に買ったとは思いますけど。

一人暮らししてると通販で頼むにも中々受け取れなかったり、店舗受け取りにしても、引き取りに行ってる暇がなかったりと、生活習慣に適合してない……という愚痴はさておき感想ですよ。

お妃候補に数えられる令嬢が来訪する事になって「病欠の予定があったかな」と口走るオスカーは何というか流石。
自分の立場とそれに負う責任を自覚しているから、色々言いながらもちゃんと対応はしてますしね。
「結婚しよう」「しないよ!」というやり取りを表現を変えて、言い続けるオスカーもオスカーだし、都度ちゃんと反応するティナーシャもティナーシャというか。
「気晴らしに猫を触りたいからこっち来てくれ」と言われてちゃんとオスカーの近くに行くティナーシャが好きです。

城を訪れた令嬢は、オスカーに近づいて。自分の護衛に間諜がいると告げて。
実際に騒動が起きた上に、禁呪の気配まであったもので、オスカーとティナーシャは彼女に同行して、間諜を彼女につけた叔父の下を訪問する事に。
城での事件で隠蔽工作に加担して、それを即座に見抜かれたラザルは哀れというか。いつもいつもお疲れ様です……

魔女に鍛えられた結果、塔を魔女の予想以上で登ってくるオスカーはもう本当に能力高すぎて怖い。
塔絡みのエピソードだと作者様のサイト「no-seen flower」の100題に挑戦「58.神秘なる塔」が笑えて好きです。ついに仕掛けを自作する辺りとか。

敵地に踏み込んで、ティナーシャが対策の為にオスカーに術をかけて。
色々と無防備すぎて、オスカーは本当によく自省できてるものです。
王剣の使い手と魔女が赴いて解決できない事はほとんどないと思いますが。
それでも、魔女の守護を超えて攻撃が出来る相手が居たのには驚きました。
守護を突破した方法も予想外でした。
「悔しいです」と率直に言っていた魔女は、今回の件を活かして結界の改良したりしてると、負けず嫌いな部分が光って美味しいですけど。
王の隣で魔女が笑っている、とても幸せな一幕でした。

Unnamed MemoryⅠ 青き月の魔女と呪われし王

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「俺に……お前を殺させるな……」

 

もう、なんていうか……好き。

感想これだけでいいんじゃないかな!? 良くない!

書籍化発表から発売日が楽しみでならなかったです。

WEB掲載時から好きな作品だったので純粋に嬉しいし、書籍化のお蔭で推しに課金できる! 素晴らしい! 

 

テンションがおかしい。発売が楽しみすぎて、新文芸担当でもないのに、POPを二つも書いたのも良い思い出です。

片方は若干ネタに走りすぎた気がしたので個人アカウントで供養しましたが。店頭にはふざけずに作った方出して、初速で他の新刊より売れてて大満足。

推しを推そう。

 

もうちょっと真面目に感想を書くと、オスカーとティナーシャが好きなんですよね。

二人の軽快なやりとりも楽しいですし。それぞれが王族と魔女に相応しい力と覚悟を持っている。揺るがない芯が通っている。

バラバラ死体の謎解きとか、真面目にやる時はしっかり締めてますが。

息抜きをするときは、かなり気を緩めてる感じがして、そのギャップもまた見ていて楽しい。

 

王子が供一人だけ連れてフラフラと危険な場所に足を運んでいるのは、息抜きにしてもハードな気がしますけどね!

……将軍以上の剣の腕とか、思い切りの良さが為せる技ですよね……

「どんな顔して城に帰ればいいんですか」「沈痛な顔して帰れ」という冒頭のオスカーとラザルの会話が最初に笑ったポイントで、そこからどんどん引き込まれ行ったんですよねぇ。

その後で言うと、媚薬を飲まされたオスカーが「俺にはあまり支障がない」という場面とか。ティナーシャにもっと面倒な仕事を回させようと冗談と言ったあたりとかも好きなんですが……

好きなシーンが多すぎて、上げきれないのでとりあえずここまで。

WEBから改稿されてる部分もあって読みやすかった印象。2巻の発売も決定しているようなので、楽しみです。


Unnamed Memory  word-memoriae-

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それは、青き塔に住む魔女。
呪いを受けた王族。
時を書き換えられるのなら何を望むのか。
全ては塗り替えられる物語である。


小説家になろう掲載の作品。
完結済みで、全106部。

作者さんのサイトからの転載作品で、《word-memoriae-》という共通の世界を描いた作品の内の一つ。 
小説家になろう掲載で、完結となっているのは、本編のみです。
作者さんのサイトの方には、日常を描いた番外編だったり、後日談だったりがいろいろ描かれています。
サイト名は「no-seen flower」。
本数も多くて、「その後のお話」というちょっと(?)未来の話まで含めると本編より長いでしょう。

魔法とそれを使う魔法士が当たり前のものとして存在する世界。
大陸では、永い時を生き強大な力を操る五人の魔女が存在し、人々に畏れらていた。
これは、魔女の一人と、ある王族の運命に纏わる長い御伽話である。

本家サイトに掲載されているあらすじを引用。
冒頭のセリフは、本分の最初も最初に掛れている文言ですね。
これらからわかる通り、これは呪いを受けた王子と、一人の魔女の物語です。

オスカーは、ある国の王子だが、子を残せない呪いを魔女に与えられた。
その呪いを解くために、別の、大陸最強と言われる魔女ティナーシャの元へとやってくる。
それをきっかけに、二人の物語が動き出していく。

こうオスカーとティナーシャのやりとりが軽快で読んでいて楽しいんですよね。
文章が合ったのもあるとは思いますが。
オスカーは、第一王子という立場でありながら、いわくある遺跡にふらっと潜ってみたりする、王族としてどうよっていう癖を持ってます。
武術も巧みで、将軍にすら勝ってしまったり、通常なら数十人で攻略する、試練を乗り越えたものに報酬を与えるとされる「魔女の塔」を一人で攻略してしまったり。
わりとはちゃめちゃ。
ただ、仕事は出来るし、締めるところでは締めるので、人望はあるようです。

一方ティナーシャは、魔女として畏れられる力がありながらも、割と普通の女の子だったんじゃないかと。
いや、永い時のなかで、悲惨な目にあったり、見たりして、その精神性、実力とかもなるほど魔女だ、と納得できるものですけど。
オスカーと一緒にいるティナーシャは、結構楽しい日々を送っていたんだろうなぁ、と思うのです。

Act.1の「分からないこと」、Act.2の「約束の折り返し」あたりの、自分の気持ちに惑い、揺れ動いているあたりとかが凄い好きです。
本編の二人のやりとりも面白いんですが、本筋に絡まない本家サイトの方のSide Storyも笑えます。
気に入っているエピソードは、『蛇足―逸脱の道行き―』に分類されている「日常のお話」ですね。

「では見合いはいいですから、こちらに目を通しておいてください」
「何これ」
「逆見合い書類です。1週間後のガンドナの式典に出席する女性の中で問題がある女性を挙げておきました」

と何とも愉快なやりとりがあって、思わず笑いました。
この話に出てくるのはオスカーとティナーシャではないんですが、まぁ、その辺はぜひ本編読んでもらってから、目を通してほしいかなーとか思います。
他のSide StoryとかShort Storyも、短いのに笑える要素が織り込まれていて、いい作品だと思いますねー。
プロフィール

ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
 新刊・既刊を問わず読んだタイミングで記事を作成しております。
 コメント歓迎。ただし悪質と判断したものは削除する場合があります。

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