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「違う、そうじゃない。私があんたをスカウトしたのは、あんたが表も裏もない真っ直ぐな男だったから。そして、あんたが人の弱さに寄り添える人間だからなんだよ」

 

高校卒業し大学へ進学するつもりだった主人公、阿久津零。

しかし彼の両親はそれを面白く思わず勝手に合格を辞退。家に居場所もなくなった彼を迎え入れてくれたのが叔母の薫子で。

彼女が経営するVTuber事務所に入り、デビューすることで社員寮を使わせてもらえるようになったのは良かった。

 

2期生がデビューしてこれから盛り上げていくぞ、というタイミングではあったようですが。

12期合わせて、男子が彼だけという現状は悪い方向に注目を集めてしまって。言葉を飾らずに言うと、速攻で炎上したんですよね……。

生活の糧を得る手段っていうのもありますが、彼自身はその炎上にへこまないメンタルを持っていたのは良かったですけど。嫌な慣れではあります。

 

そんな彼と同期の少女VTuberでコラボをしよう、という企画が持ち上がって。

当人たちの間では納得ずく……どころかどっちも乗り気ではあったんですけど。零はまたしても炎上することに。

社長も少し甘く見ていたということで、いったんコラボは延期することになったわけですけど。アンチが「俺達の声が届いた! 蛇道枢(零のVの姿)をやめさせよう!」みたいに燃え上がったのは、零じゃないですが「めんどくせぇ!」って言いたくなりました。

 

零たちは企業所属ということで、社長の意向とかが影響する部分やコンプライアンスに気をつけなきゃいけない部分は、どうしても出てくるわけですが。

そうやって言葉を選ばないといけない彼らにちょっかいを出してくる個人Vなんていうのも出てきて。

 

炎上ネタに事欠かないな、零……。

アンチの圧で当初コラボしようとしていた少女、入江有栖が体調を崩してしまう場面もありましたし。

テーマ的に仕方ないことではありますが、イラっとする部分は多い。でも、それらを吹っ飛ばしに零が動いてくれたのは主人公らしくて格好良かった。

……火に爆弾放り込んで吹き飛ばすような荒業感はありましたが、炎上に負けず活動を続けられるようになったのは良かったですね。