「空を見たがる者どもだ。自分に酔うか、夢に酔うか、いずれも粋な事に変わりはあるまい」
「自分に酔っぱらう事が粋とは思えないな」
「哲学は嫌いか?」
「我思う、ゆえに我あり、とか? 確かに、酔っててもそうは出てこない名句だ」
小説家になろう連載の作品。
第二章「地下世界の帰路」、第一話「地図師と尾光イタチ」~第五十三話 「青空」まで。
2章はこれで完結で、次回は早ければ8月の頭からスタートするそうで。
クローナの世界のシールズの問題もそうですが、世界の一つ一つが魅力的なんですが、そこでの問題が完全に解決される前に移動してしまうのは少しモヤモヤしますね。
まぁ、いろいろと設定をちゃんと組んでやっているようで、この世界の謎については起承転結の「転」の部分で出てくる予定だそうですから気長に待ちたいところです。
キロ自身の世界へと帰るつもりで発動した遺物潜り。
しかし、とうちゃくしたのは地下に生きる人々がいる世界だった。
かつては地上で暮らしていたようですが、もはや空の存在がおとぎ話のようになってしまった、そんなに長くの時間を地下で過ごしている世界です。
色々と工夫はされているようでしたが、よく窒息しないで生きられるよなぁ、と。
この世界でであったミュトなんかは野草ってなんなのか知りませんでしたし。
地下世界なので、水が貴重だったり、地中を掘削する魔物や落盤などの自然の災害で道が使えなくなったりと、問題は多いです。
異世界にいって、文化の違いが出てくるのはお約束ですが。真面目に世界作られているなぁ、という感じですね。
落盤が怖いし、掘り進んで水脈にぶつかると命取りだから、人間たちは出来た道は利用しても自分たちで穴はあけないようにしているとか。
言われてみれば納得できる部分もありますし。
道が使えなくなることがままあるので地図を作ってこの世界を動きまわている地図師という職業があったりします。キロたちがこの世界にきてすぐにでったミュトもその地図師ですし。
まぁ、ミュトはちょっと人付き合い苦手で悪評がたっていて、序盤は面倒な展開に巻き込まれていったりするんですが。
地味な人の協力とかもあって、少しずつ状況が変わっていったのはいい感じですねー。
クローナの心中穏やかでいられない方向にも話が進んできたりするわけですけど。
まだミュトは自覚してないから、これからどうなっていくのかが気になるところです。ただ、キロが見覚えがある映像とか不穏な空気もあるので、今からちょっと戦々恐々としてます。
遺物潜りの対象となった、彼女の行動がすさまじかったなぁ、というか。
地下世界に来て、空を求めて行動をしていたと思われ、上へと進んでいった彼女。
一体何を思って、何を考えていたのか。・・・遺物潜りができてしまった時点で死んでいるのは確かだということですが。そうしたパーソナリティの部分はやはり気になります。
どうにか願いは果たされキロたちは遺物潜りでクローナの世界に戻ってきましたが・・・彼女の抱いていた願いが何なのかはっきりとわかる前に、術は効果を発揮してしまったわけで。
遺物潜り、割と優秀な術なんですよね・・・さて、気になることばかり増えていきますが。
連載再開してから、どうなっていくのかが本当に楽しみです。