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「いい? このアトリエを使う条件はひとつ。フィーネの能力を俺以外に話さないこと」
「そ……そんなことでいいのですか」
「ああ。俺も秘密は守るよ。そうしたら、ここで二人でいろいろな研究ができる。もし、商品として普及させたいものができたら俺が間に入る。フィーネにとっても悪い話じゃないと思うんだ」
数百年前に魔法を引き起こす精霊が姿を消したことで、人々が魔法を使えなくなった世界。
人の身体には魔力が残っていたので、それを錬金術といった別の方式で出力できるようになってポーションとかの薬や便利なアイテムなんかも作れる環境ではあるみたいです。
主人公のフィオナは、スウィントン魔法伯家と呼ばれる魔法全盛の時代に地位を与えられていた家の出身の少女で……かつて婚約破棄されたことで、王立アカデミーから姿を消し、屋敷でひっそりと暮らしていた。
フィオナは今の時代では消えたはずの魔法を扱える、不思議な才能を持っていて。
しかし「世界で唯一の魔法使い」という希少性は、扱いを間違えれば迫害の理由にされかねないため、フィオナは兄と相談の上でそれを隠していた。
魔法も使えるけど、フィオナは錬金術周りの知識も豊富で。魔力の扱いも巧みなのか彼女が作ってバレないようにルートを工夫して流通させているポーションは『特効薬』と呼ばれているほどだとか。
魔法が失われて二百年、過去の栄光で魔法伯と名乗り続けるのも状況に即していないと言えが没落する事が決定。
今の当主であるフィオナの兄も納得した上での決定で、兄は婿入りが決まっていた。婚約破棄されたフィオナが名と姿を変えて、好きな仕事が出来るようにしっかりと準備しているあたり有能です。
……そうやって務め始めた先で、王子と接点を得ることになってしまったり。フィオナにとっておおむね理想的な職場ではあるけれど、婚約破棄騒動で因縁のある相手も近くに居たりするのだけが難点ではありますか。
フィオナがフィーネと名を変えている事に気付いた人も出始めてますが。気付いた上で黙っている事を選んでくれたのは良かったですねぇ。ミアにバレたら厄介すぎるからな……。