気ままに読書漬け

とりあえず気が向いた時に読んだ本の感想などを上げてます。ラノベメインに、コミック、TRPGなど各種。推しを推すのは趣味です。 新刊・既刊問わず記事を書いてるので、結構混沌しているような。積読に埋もれている間に新刊じゃなくなっているんですよね。不思議。ま、そんなノリでやっているブログですが、よろしく。 BOOK☆WALKERコインアフィリエイトプログラムに参加しております。

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冒険者アル~あいつの魔法はおかしい~@COMIC2

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「ちゃんと教えたんだがな 学ばん奴だ」

「心の中ではそう思ていても」

「口ではああ言っておくくらいが賢いってもんさ」

 

610話を収録。

賊の拠点を制圧した際に、魔法のスクロールを発見したアル達。

それは「禁呪」と呼ばれる、犯罪に利用される可能性が高いため習得が禁じられた呪文の一つで。

その中でも遺跡に行くなら必要で、冒険者なら黙認しているという『開錠』呪文と思ったことでバーバラはアルが持っていくことを容認。

しかしその実、呪文の書の正体は『隠蔽』呪文という、その名の通り見張りをかいくぐったりできる隠密の魔法で。

 

アル、人助けしたりする善性はあるけど、魔法関連では歯止め効かない魔法バカだからなぁ……それは良いとしてもバーバラにあっさり隠し事見抜かれてるので、もうちょっと腹芸出来るようになった方が良いと思うよー、と言う感じ。

 

賊の人質に取られていた宿屋の主であるラスとその息子タリ―を助けたことで、格安で止めてくれることになって。

その宿に泊まっている先輩冒険者オーソンが色々と教えてくれる親切な人だったのは幸いでした。

オーソンは足を負傷したこともあって、以前組んでた相手であるブレアと別れてソロ活動することになったみたいですが。

アルって言う常識外れの魔法使いと一緒とは言え、かなりの戦果上げられるベテランで頼もしくて良いですねぇ。

ブレアの方は順調に落ちぶれているというか、失敗続きで素材の買取を断られたりしているのは正直ざまぁって感じではある。

冒険者アル~あいつの魔法はおかしい~@COMIC1

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「こわいけど…がんばる?」

 

15話を収録。

人間のほかに蛮族や魔獣が生息し、その脅威を排除しきれていない「辺境地域」が残るとある大陸。

主人公のアルは辺境地域にあるチャニング村を治める騎士爵ネルソン家の三男坊。

幼少期、妹たちと遊びに出かけた先で蛮族であるゴブリンと遭遇。

別れ別れに逃げることになった結果……アルは祖父に助けてもらえたけれど、妹は結局消息不明になってしまって……。

 

襲撃された恐怖から暗がりを怖く感じるアルを救ってくれたのも、祖父の魔法だった。

あたたかい灯の魔法を使ってくれた祖父に憧れ、彼に魔法を習うことに。

呪文の習得は難しいという事でしたが……アルは幸いにして才能に恵まれて、魔法を習得することが出来た。

三男ながら中級学校に通い、卒業することも出来て。祖父のような冒険をするため、「魔法使い」の冒険者になるために故郷を離れた矢先……。

 

襲撃を受けている馬車を発見し、そこに学友を発見したことで助けに入ることに。

若いながらも多くの魔法を扱えるし、他の誰とも違う「アレンジした魔法」を使える存在だった。アルは魔法のアレンジについて別に秘匿してないけど、再現できた人はいないとか。

……呪文の書は高級で、貧乏騎士家のアルには手が出ない。でも中級学校に通っているときは、制限付きでも許可が出ている呪文の書を見る事が出来た。

だから時間いっぱい習得のために机にかじりついていて……同級生たちからは「交流も何もかも放り投げている変人」と思われていたっぽいのは、ちょっと笑ってしまった。

それだけの熱意があったからこそ、今の彼があるので悪いことではないんですけどね。

冒険者アル3 あいつの魔法はおかしい

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「ついに出発ですね。アル様、この三日間、私はずっとわくわくしていました」

 

キノコ祭りの日に合わせて、秘密裏に年を離れることにしたアルとパトリシア達。

パトリシアは存在を秘匿するためにしばらく領主館に引きこもっていたこともあり、久しぶりに外を歩ける上に慕っているアルも隣にいるため、楽しそうでしたけど。

かなり早い段階で追手がかかったの、敵側も本気ですねぇ……。

寄ろうと思っていた村が監視されている可能性が高くなり、古代遺跡の噂があったので探してそこで止まることにして。

ついでに探索して魔法で保護されていた剣と、呪文の書を発見できたのは儲けましたね。

 

テンペスト王国の王族であるパトリシアを連れて、テンペストのアシスタント・ゴーレムだったマラキに会いに行って。

テンペストの研究塔を目指すことに。マラキの把握していた座標に塔が存在しなかったのには焦りましたが……位置こそ変動していたものの、設備が健在だったのは助かりましたね。

防衛用ゴーレム用のパーツとか資材とか枯渇していて、危うい状況ではあったようですけど。新しい所有者としてパトリシアが認識されたことや、保管されていた転移の魔道具を使ってレビ商会の人々にあるが気軽に会いに行けるようになって、資材の補充とかも目途がつきそうなのは良かった。

 

逃避行の間に、パトリシアがレスター伯爵第二夫人のアグネスから贈られた、恐らく盗聴機能かなにかがる魔道具を逆に利用して、パトリシアの死を偽装することには成功。

信頼できる人だけがパトリシアの生存を知ってるという状況の中で、パトリシア達を研究塔という安全な場所において、アルは外の世界で情報収集だったり、ナレシュに会いに行ってその仕事を手伝ったりとかしているわけですが。

 

混乱の最中ではあったみたいですが、パトリシアの婚約者は生存しているっぽいし。

タバサ男爵夫人と言うパトリシアの母親に仕え、パトリシアの教育係も務めていたそうですが。パトリシアが13歳とかで、タバサ男爵夫人が20代後半って……思ったより若いな? タバサ男爵夫人の身の回りの世話しているのが10歳の少女ドリスだったので、この世界では珍しくないのか? 母のような人、と思われていたっぽいですけど、ワンチャン姉……っていうには幼少期の10歳差は大きいか? とちょっと本筋じゃないところに引っかかったりしましたが。

 

アル、現代の魔法使いたちが気付いていなかった、魔法にはアレンジできる部分があるのを発見し、自分なりに工夫して使ってる上手い魔法使いで。魔導師団の隊長を務めた経験があるゾラ卿からも、呪文拾得の早さと威力にはお墨付きを貰えていたのはお見事でしたね。

魔導師団としての経験のあるゾラ卿は護衛の時は、探知・発見系統の呪文を切らすと死に繋がりかねないと常時発動を心掛けているみたいですが。冒険者であるアルは、必要なタイミングに切り替えて使っていて、そのあたりに意識の違いがあるという指摘もしてくれて。認めるところは認め、危ういところもあると指摘してくれたのは良かったですね。

 

パトリシアとの関係がある以上、アルも政治的な問題から逃れられないでしょうに、ナレシュの難しい立ち回りとかを見ても、どうにもまだ他人事感があるというか。受け止め方に距離があるのが、若干今後に響きそうかもなぁとは思ったり。

パトリシアの婚約者が活きているとかの諸問題もありますし。敵の魔法使いヴェールが、蛮族にアシスタント・デバイスを与えて支援していた疑惑まであり、妹を蛮族に奪われたアルからすると許せるはずもない悪行で。パトリシアの敵がアルの敵でもあり、そういう意味では心配ないですけど。そういった問題を超えていく中で、アルの意識問題も変化しってほしいものではありますが、さて。

冒険者アル2 あいつの魔法はおかしい

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「どうすれば、良かったのかな?」

(略)

「ゴホン、別に忘れる必要なんてねぇんだよ。心の中に仕舞っておきゃあいい。誰だってこういう事の一つや二つあるだろうぜ」

 

テンペスト王国から逃れて来た王女パトリシアを発見・保護し、辺境都市レスターの縁者に届けたアル。

パトリシアに仕える女騎士ジョアンナはアルをパトリシアの話し相手として呼びたいと言っていたが、アルは一介の冒険者に過ぎず。どうするのかと思ったら、ナレシュの臨時雇いの従者として、パトリシアと会う機会を作ってもらうことになって。

 

まぁ従者として雇われている関係で、その期間に魔物狩りが行われることになって、アルも同行することになっていたわけですが。

……魔物側に、アシスタント・デバイスを持っている奴が居たり、パッと名前が出てこないような珍しい上位の魔物が居たりと、こちらが想定していた以上の備えをしていたので、アルがフォローに入っていなかったら結構な被害出ていたでしょうね……。

 

隙間時間でアルはエリックの元を訪れて、浮遊眼呪文の習得をしようとすることになって。

その際に呪文のアレンジ……アルの言い方だとオプションとしてアレンジできそうなところについても情報を伝えて。

アル、過去の魔導師テンペストのアシスタントだったマラキと再び会って交流する中で、過去の魔術師はアルみたいに呪文にアレンジを加えていたという話も聞くことになったわけですが。

 

後にレダがアレンジ可能な状態で浮遊眼呪文の習得に成功したのは目出度かったですねぇ。

ただ発表の際に周囲の思惑もあって、エリックやレダの功績として扱われてしまってるということで、習得に成功したレダや発表したエリック達が、アルに対して申し訳なく感じているの、善性を感じて良いですねぇ。

アルは立場の無い自分だと名誉を与えられても困るし、そもそも信じてもらえないかもしれないという事で、あまり頓着してなかったのが救いか。

 

マラキの守護しているテンペストの墓所を探るように、テンペスト王国の軍隊が動いているのをアルが発見したり。守護の為に引っ越しの手伝いをした後、帰還したらレビ商会を監視している輩を発見したり。

パトリシアとは身分の差がある、と一線を引くようにしていたわけですが。そんな彼女に縁談が持ち掛けられている、という話を聞いて自分の本当の気持ちに気付くことになったりもして。

一方パトリシアを狙った暗躍が激化しているのも感じていたことから、アルは最終的にパトリシアと一緒に行動することになったわけですが。どうせなら2人に幸せになって欲しいものですが、どうなりますかねぇ。

冒険者アル あいつの魔法はおかしい

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「ねぇ、じいちゃん。暗いのがこわくて、こわくて……。どうしたらいい?」

「何を言っとる。儂だって暗いのは怖い。何が潜んでおるかわからぬからな。じゃが、そこから目を瞑って怯えているだけでは生きてゆくことはできぬ。だから頑張るしかない。儂のいう事はわかるか?」

 

ゴブリンやオークなどの蛮族、通常の獣よりも強い魔獣が存在する世界。

人々が団結し国を作り開拓を進めているようですが、未だ開拓できてない未開地域や完全に蛮族を排除できてない辺境地域なんかはどうしても存在するみたいです。

主人公のアルは、そんなレイン辺境伯の領内にあるチャニング村を治める騎士家に生まれた三男。双子の妹イングリッドと仲良く過ごしていたようですが……。

ある日侍女を伴って野イチゴ採取に出かけた時、ゴブリンに襲われてしまって。アルは運よく生還できたものの、イングリッドは発見できずに死亡と判断されることに。

 

そんな経験から暗いのを恐れたアルに、過去冒険者として活動していたこともある祖父が光呪文を見せてくれて。

祖父のように魔法を使いたい、思ったアルはそれから祖父から教えを受けることに。騎士家の三男ということもあって、家を出ることも決定していたというのもあるでしょうけど。

そして十五になった時、彼は貴族の三男アルフレッド・チャニングではなく冒険者アルとして新しい一歩を踏み出すことになるわけです。

 

彼は幼少期から祖父の使う光呪文が、他の人の使うものよりも温かい気がすると感じていて。そこから、魔法を習得の際のイメージが影響しているのだと考え、実際自分で光呪文を使う時に明るさの調整が出来るようになっているあたり多芸ですね。

熟練すると多くの本数を放てる「魔法の矢」呪文も、アルにかかれば複数の矢を一本にまとめることで、威力か飛距離を伸ばす方向に調整することも可能だそうで。

アルはそういった魔法に存在するアレンジできる部分を「オプション」と名付け、活用しまくっています。それがタイトルにもある「あいつの魔法はおかしい」と言われるゆえんなわけですね。

十五で旅立つ前に学校に通っていた時とか。冒険者として活動を始めた作中においても、アルは聞かれれば割とさっくりこの情報を開示しているみたいですが。

 

今のところアル以外に再現できた人が居ないのが、惜しいところではありますね。再現性があって汎用的に使える技術としてまとめることが出来れば、アルの名前は魔法史に残ることになりそうなものですが。

……冒険者として古代遺跡探索とかしてみたい、と思っているアルの望む方向の栄達ではない気もする。

祖父からいろいろ教わってるとは言え、まだ若いし未熟な部分もありますが。その力を駆使して、出来る範囲で人を助けようとする概ね善性の人ですし。彼に助けられた人達も、その恩に報いようとしてくれるので、安心して読めるという印象でした。

 

……まぁアル、犯罪に使われる可能性が高いから禁術指定されている隠蔽呪文を習得できる書が見つかった時、こっそり習得したりしちゃう一面もあるんですが。

犯罪利用考えているわけではなくて、遺跡探索をしたいアルにとって有用だったり、魔法バカでもあるから習得できると楽しいから習得しちゃった、みたいな緩さも同時に持ってるから、そこまでは気にならなかったですかね。

禁呪のなかでもかけられた鍵を開錠できる呪文とかは、遺跡探索に有用なので黙認されているケースもあるみたいですし。

彼の使うオプション機能に興味を持った人が居たり、学校で知り合った貴族の友人との交流なんかもあったり、ちょっと予想外の出会いをしたりアルの道行は一筋縄ではいかなそうですけど、応援したいですねぇ。



刹那の風景5 68番目の元勇者と晩夏の宴

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『戦いで片腕を落とされて水辺に旅だった友は、『笑え、笑え、リリア。ライナスが勝利を勝ち取る、喜ばしい日だ』といったわ……。たくさんの人の命が零れ落ちていく光景の中で、私は彼のために笑って見送った』

そして王妃様は、首を横に振り笑って続ける。

『そう、泣かないの。喜ばしいことだから、泣かないのよ』

 

セツナとアルトがリペイドで生活を初めて早一ヶ月。

ラギさんとの距離感も近づいていて、良いですねぇ。アルトがラギさんに、師匠にできる事をしたい、と相談を持ち掛けて。想定外の結果になってしまったけど、悪戯を教え込まれたりしてて、セツナ以外の指導……って言うと大げさですけど。

ちょっと違う考えとかにも触れられているのは、アルトの世界が広がって良いと思います。

アルトは何だかんだ楽しく日々を過ごしているみたいですが。

 

リペイドは建国祭が近づき、あちこちがにぎやかになっていって。

国の上層部は、直近の騒動からの祭りの準備とあってかなりピリピリしている模様。王妃様が心配して休養を進めたりをしていたようですけど、実を結ばず。

ジョルジュ卿が求婚の際に用いた薔薇には時の魔法がかかっていた一件が俎上に上がったりもしていましたが。国に仕える騎士でありつつ、セツナへの義理もありその名を告げようとしなかったのは良い男でしたねぇ。

そのあたりを予想したセツナがサイラスにも伝言を残していて、先日の恩人であることが伝わり、その時の態度から敵国に就くことも無いだろうと決着したのは良かったですが。

 

……セツナの介入で、結果としては本来辿っただろう流れよりも良い形で祭りの前を迎えられているわけですが。

それでも王たちは王妃様との会話を後回しにして。最終的に王妃様は時間を作るために、セツナへ依頼することになるわけです。

依頼自体の難易度は高くない。けれど、依頼された通りの事をしても解決するとは限らない。でも、一度依頼は受けると言った以上、できる事はしたい。

そんな悩みを抱えているセツナにとっても、ラギに相談できたのは大きかったでしょう。

 

最終的には、なんとか良い形で落ち着いていたのでほっとしましたが。割と綱渡りではあったかもなぁ、というべきか。王妃様が無茶な依頼を出した裏には、余裕が出来ればちゃんと理解してくれる人達だからという信頼があったからというべきか。

そうやって事態が解決した後、セツナに礼を言うためにサイラスが頼まれて。ちょっとしたパーティーをすることになって、本当に一件落着って感じで良かったですね。

刹那の風景4 68番目の元勇者と訳ありの依頼

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「『依頼主の要望を優先する』というのは正論だ。だが、それだけでは駄目だ。『冒険者が働くための環境を整える』という視点も、一方で持つようになていかなければならない。それが、上に立つ者の役目だからだ。というのも、下の者がいくら声高に叫んでも、働く環境は変わらないことが多い。だからこそ、意見がとおりやすい立場になった者が環境を改善してやる必要がある」

 

サイラスに託された願いを果たす協力を果たせたセツナ。

薬の製法についてギルドに教えることになっていたが、サイラスを助けるために後回しにしてしまっており、特別事後申請をするかどうするか、という問題があって。

サイラスが送り出された魔法陣だったり、山脈にある洞窟だったり国家機密にふれることになるので、ギルドに全部伝えるのは控えて欲しいというようなお願いも国王からされることになっていましたし。

 

しばしリペイドで活動することになったセツナはアルトと一緒にギルドで仕事を探すことに。

薬の調合についての依頼が貢献として認められて、セツナは一気にランクアップすることになったりもしていましたが。

その中でも、アルトは獣人の老人の話し相手・雑用という依頼を選んだり、セツナはトラブルに見舞われた花屋の手伝いだったりを選ぶあたりが彼ららしいというか。

アルトは依頼主が獣人だったから選んだだけで、色々と抜けもあって。セツナは依頼の裏事情なんかも察しがついたので、アルトに受けさせるかどうかを悩んだりしていましたが。

 

アルトの見つけた依頼を出していたラギ老人は、セツナと師弟関係も含めて受け入れてくれてましたし、依頼を受けていく中で、それぞれにとって良い学びがあって良かったですねぇ。

花屋の手伝いをする中で、リペイドの貴族の風習の一つである「婚約者の女性に12日間続けて贈り物をして、気持ちが変わらないかを確かめる」というものに関わることになったセツナ。貴重な時の魔法すら使った大盤振る舞いでしたけど。

その送り先である女性も含めて喜んでくれたのは良かったですねぇ。時の魔法に関しては、後々面倒そうな火種ではありますが。



刹那の風景3 竜の縁と危亡の国

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「生き様が自由にならないのであれば、死に様ぐらい自由に選べばいいんじゃないでしょうか……。そうは思いませんか?」

 

過去に過ちを犯して封じられていた竜人の娘、トーゥリと出会ったセツナは一目惚れから告白して、仮の誓約を結んで婚約状態となった。

竜人のしきたり的にはまだ結婚成立していないけれど、セツナ視点だと一貫してトゥーリを「妻」と呼んでいるの、思いの強さが出て良いですね。

そうやって大切なモノが増えたセツナが、弟子のアルトとゼグルの森で過ごしていた時に、魔物に食べられそうになっていた男性を発見。

 

死を望むのであれば放っておこうかと思ったようですが、何度か問いかけた結果「まだ死ねない」と口にしたため、助けることに。

今回、巻頭にこの世界のワールドマップが掲載されていました。通常の人には越えられない連峰によって大陸の南北はほとんどさえぎられているみたいですね。

セツナ達が過ごしていたガーディルやクットというのは、大陸の南側。そして今回保護したサイラスは、北側の国リペイドの騎士だった。

彼は冤罪によって罪に問われ、「魔の国」へ送り込まれるハズだったというが……実際はクットに居た。

 

厄介ごとの気配を感じ取ったセツナは彼への対応について少し迷っていましたが、アルトはいつもセツナが「困ってる人がいたら助けてあげようね」と言っていたのを覚えていため、内心嫌な気持ちはあれど、サイラスを助けるための道のりについ言及し始めて。

サイラスとセツナが話し合っていく中で、リペイドの抱えていた問題やサイラスに期待されていたことなんかの答えも見えてきましたが。

リペイドの想定通りにいかない、という情報をセツナは持っていた。その上で、カイル達に与えられた知識の中に、解決策があってそれを開示するかという悩みもまたあった。

結果的にサイラスを助けることになっていきましたが、その道中でまたしても予期しない出会いがあったのには驚きましたね。

 

地理の説明の為にセツナが用意してくれた地図を欲しがったアルトが、それに「その国でもう一度食べたいものを書いて、自分の宝の地図にする!」という姿は微笑ましかったですねぇ。

自由に旅をしたいセツナですが、カイルから与えられた数々の恩恵によって、国の視点では逃したくない人材になっていて、厄介ごとに関わるとそういう柵が迫ってきて面倒だなぁ、と思いますが。

トゥーリの兄と出会ったことで、ますます竜王への不信が募ったりするし。カイルが土地の呪いを残した理由も気になるしで、いつかこの問題には対峙することになるんだろうなぁ。

刹那の風景2 68番目の元勇者と竜の乙女

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「冒険者ギルドの理念は、人々の命を平等に守るため。ギルドの医療院の理念は、人々の命を平等に救うため。……僕は、この二つの理念を気に入ってるんです」

 

クットという国を目指して、それまでいたガーディル国を出立したセツナと弟子のアルト。

獣人によって住みやすい環境ではなかったこともあって、ガーディル国よりの地域ではゆっくりできなかったけれど、少し離れてからはアルトが植物図鑑で気になる実について調べたり、釣りを一緒に楽しむ時間を取るようになって。

 

のんびり楽しい師弟での旅を楽しんでいましたが……釣りの途中に針をひっかけてアルトが悲鳴を上げてしまったのを聞きつけた獣人たちが、誤解からセツナに突っかかってくる展開にもなりましたが。

相手がいきなり手を出してきたのはアレでしたけど、アルトという存在がセツナの重石になって、即座に戦闘とはならなかったのは良かったですねぇ。

こっちの事情知らないとはいえ、アルトに獣人の国サガーナへ行けばよいと提案したりしてくる獣人傭兵のカーラ達の物言いにはイラっとする場面もありましたが。

……まぁカイルから託された知識とかもあって「復讐を誓って動いている、滅びた国出身の獣人ですね」と指摘したりしてるし、セツナも時に火に油注ぎがちなところあるしな……。そこは相手が喧嘩腰だったというのもあるか。

 

ちょっと物騒な出会いがありつつ、お店の練習をしてアルトにお金の使い方を教えたりしていて、セツナがしっかり師匠してて良かったですね。

彼もまたずっと病室暮らしだったので至らぬ部分もまぁありますけど、少しずつ成長していってるのが良い。

新しい街に入ってギルドへ挨拶をしたら、ガーディルのギルドマスターから申し送りが来ていたり、依頼で知り合った黒ランクのアギトからの個人依頼が来ていたりして。セツナの薬によって、助けられる命が増えるかもと交渉が始まったりもしてましたが。

現状見えている範囲だとギルドは理念を守ってる良い組織みたいですし。カイルが所属を勧めたのはこのあたりも影響していたのかな。

 

そして新天地でセツナは運命的な出会いをすることになっていましたが……。

驚きの急展開ではありましたね。彼女は彼女で色々と事情を抱えていて、後に響いてきそうな気配こそありますが。抱え込みがちな部分とか似ているし、お似合い感はある。

刹那の風景1 68番目の元勇者と獣人の弟子

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「俺は、生きるべきだと思う。様々なものを見て、触れて……生きていく喜びをその手に掴むべきだ。もちろん、楽しいことばかりじゃねぇだろうし、辛いことも多いはずだ。この世界は、俺達の世界じゃねぇ。価値観自体が全く違う。正直、生きやすいとは思わない」

不安要素も隠さず、愚直にカイルは、ただ話した。

「だが、それでも……美しいと思えるものも、心震える瞬間に出会えることもある。そういった経験を、お前に体験してほしいと思うよ」

 

生来体が弱く入院生活を送っていた刹那は、両親の経営する病院の一室にずっと入院を続けており……そのまま24年の生涯を終えた。

彼の魂は異世界の勇者として召喚されることになって、新たな人生を得られたのですが。

病弱なままなことは変わらず。68番目の勇者として勝手に招いておきながら、使えないと判断された刹那はほぼ軟禁状態に置かれることになってしまって。

 

2度目の生は、生きながらにして死んでいるようなものだった。さらには69番目の勇者が召喚された、なんて噂も流れてきて……。

このまま死んでしまうのか、というタイミングで23番目の勇者だったというカイルが現れて。彼は刹那の記憶を覗いてどういう状況にあるのかを把握。

このままじゃ殺されるだろう刹那に、カイルはその身を挺して現状を打破する力と知識を与えてくれることになって。

 

日本出身の杉本刹那ではなく、異世界でただのセツナとして生きていくことを決意したことで、物語が動き出すことになります。

カイルには強力なアイテムとかも託されて。セツナ自身が力の扱いに習熟しきってないという問題こそあれど、スペック的にはかなり高くソロでも問題なく生きていける環境を得られた。

生まれてからずっと病室暮らしだったセツナが、外の世界へと歩み出していくのが面白いシリーズですね。彼にとっては見るもの感じるものすべてが新鮮である事だったり、カイルの知識だとかを与えられていることだったり、そもそも死に瀕していた状況で達観した部分がある事や性格的な問題だったりが影響して、好奇心旺盛ながら大人びてるんですよね。

 

冒険者ギルドへの登録をして、戦闘も出来るけれど登録上は「職業:学者」にしてますし。馬鹿にするような言動があっても、自分の本当に大事なものを侮辱するものでなければスルー出来る心の広さもありますし。競争心が見えない、ということでくすぶっている若手に文句つけられたりする御約束もまぁありましたけど。

概ね良い出会いをして異世界を満喫していく中で、サブタイトルにある「獣人の弟子」をとることになって。庇護する相手が出来たことで、ただフラフラしているだけではいられなくなったのがセツナに良く作用してくれるといいですね。

 

セツナを召喚したガーディルという国は、勇者の扱いが大分アレだし。それを69回も繰り返しているので、上層部は大分ヤバそうな気配を感じています。

巻末に追憶として、69番目の勇者に近しい人物のエピソードが描かれていますけど、どうにもなぁ……。


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ちゃか

 ライトノベルやコミックを中心に、読んだ作品の感想を気儘に書き綴るブログです。
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